神社の御神紋には、神社それぞれに縁のある植物や動物、あるいは祭器具などを表したもの等があります。
その中でも特に多くの神社で使われているものとして、「菊紋」「巴紋」があります。
天皇家とかかわりの強い神社で使われる、菊花紋はわかりやすいですが、巴紋とはどのような御神紋なのでしょうか。
今回は左巻き、右巻きの違いなどについてお伝えしていきます。
巴紋って何?
巴紋(ともえもん)とは、勾玉のような形をした日本のに古くからある伝統的な文様。巴紋には多くの種類があり、1つから3つの巴を円形に配し、それぞれ一つ巴(ひとつどもえ)、二つ巴(ふたつどもえ)、三つ巴(みつどもえ)と言ばれます。その中でも三つ巴の紋は家紋から始まり、神紋としては八幡宮をはじめ全国の多くの神社で用いられています。
巴の文字自体の形が、弓を射るときに弓を持つ左手首に付ける武具から来ています。その武具は「鞆(とも)」という矢を放つための弦がぶつからないようにするための革製の弓具、その側面と形が似ていることからあてられた名称です。「ともえ」という読み方も「鞆」に描かれた渦巻き状の模様「鞆絵(ともえ)」と呼んだことから、名付けられたということ。
そしてこの渦巻き状の模様が何を意味するかですが、水が流れる様子を表しているとする説や、雷の稲妻の形を模したものであるという説、雲を表現したもの、他にもDNAの構造であるなどさまざまな説があります。
この他にも勾玉、蛇のとぐろ、などかなり多くの説がありますが、結局は謎ということですね。
神社の巴紋の意味
神社建築として軒丸瓦に付ける意味は、「防火」「魔除け」になります。
そのような意味を考えると、水を消す水や、魔を祓う風などの自然現象の流れを模写したものであると考えるのが納得しやすいですね。
巴紋の左右の違いについて
巴紋には先のとがった細い部分と丸くなっている部分があり、これによって左右非対称になっています。丸が右向きのもの、左向きの物と2つが存在し、用法も異なることで知られますが、その違いについてはあまり論じられていません。
右巻きを左巴、左巻きを右巴と呼ぶとされるのが一般的ですが、紋の意図するところと同様にこちらも逆の呼び名にしている説も多いです。
どちらにせよ、舞楽に使用される大太鼓などに描かれて、左座には左巴、右座には右巴が用いられるなど使い分けがされていることから、左右2つで1つという表裏一体をしめすものであると考えるのが良いでしょう。
レイキの世界では螺旋方向が重要
右に巻くか左に巻くかによる名称の差はさておき、実際に回り方で意味が違うというのは間違いありません。
それが分かる例として、レイキの施術方法があります。
レイキでは螺旋の方向に意味があると考えられ、
- エネルギーを抜くには左巻き、すると力が抜ける。
- エネルギーを入れるには右巻き、すると力が入る。
とされているのです。