お寺でおみくじを引いたけれど、思っているより漢字が多くて意味がわからないということがあります。
版画のような挿し絵と漢文、そして下に日本語の解説が書かれているものが多いです。
例えば、上の柄のようなおみくじです。
このタイプのおみくじは漢文の所に詩という形で、導きのメッセージが書かれています。大吉や小吉などの吉凶の部分だけでおわってしまっては正しい読み方ができているとはいえないのです。
今回は、番号ごとに漢文の読み方と意訳を付けてご紹介します。
- 1 漢文のおみくじ1~100番解説
- 1.1 おみくじ1番『大吉』
- 1.2 おみくじ2番『凶』
- 1.3 おみくじ3番『凶』
- 1.4 おみくじ4番『吉』
- 1.5 おみくじ5番『凶』
- 1.6 おみくじ6番『末吉』
- 1.7 おみくじ7番『凶』
- 1.8 おみくじ8番『大吉』
- 1.9 おみくじ9番『大吉』
- 1.10 おみくじ10番『吉』
- 1.11 おみくじ11番『大吉』
- 1.12 おみくじ12番『吉』
- 1.13 おみくじ13番『大吉』
- 1.14 おみくじ14番『末吉』
- 1.15 おみくじ15番『凶』
- 1.16 おみくじ16番『吉』
- 1.17 おみくじ17番『凶』
- 1.18 おみくじ18番『吉』
- 1.19 おみくじ19番『小吉』
- 1.20 おみくじ20番『吉』
- 1.21 おみくじ32番『末吉』
- 1.22 おみくじ93番『吉』
- 2 漢文つきのお御籤は「元三大師」みくじ
おみくじ一覧
おみくじの番号をクリックして解読へどうぞ。吉凶ランクは上の画像と同じタイプのおみくじのものを採用しています。
また、漢文部分の解説については成田山のおみくじのものを参考にさせてもらっています。
1番 大吉 |
2番 凶 |
3番 凶 |
4番 吉 |
5番 凶 |
6番 末吉 |
7番 凶 |
8番 大吉 |
9番 大吉 |
10番 吉 |
11番 大吉 |
12番 吉 |
13番 大吉 |
14番 末吉 |
15番 凶 |
16番 吉 |
17番 凶 |
18番 吉 |
19番 小吉 |
20番 吉 |
21番 吉 |
22番 吉 |
23番 半吉 |
24番 凶 |
25番 吉 |
26番 凶 |
27番 吉 |
28番 凶 |
29番 吉 |
30番 凶 |
31番 末吉 |
32番 末吉 |
33番 吉 |
34番 大吉 |
35番 吉 |
36番 末吉 |
37番 末吉 |
38番 半吉 |
39番 凶 |
40番 末吉 |
41番 末吉 |
42番 吉 |
43番 吉 |
44番 吉 |
45番 大吉 |
46番 凶 |
47番 末吉 |
48番 末吉 |
49番 吉 |
50番 吉 |
51番 吉 |
52番 凶 |
53番 末吉 |
54番 凶 |
55番 吉 |
56番 末小吉 |
57番 吉 |
58番 凶 |
59番 凶 |
60番 吉 |
61番 半吉 |
62番 大吉 |
63番 凶 |
64番 凶 |
65番 末吉 |
66番 凶 |
67番 凶 |
68番 吉 |
69番 凶 |
70番 凶 |
71番 凶 |
72番 末吉 |
73番 吉 |
74番 凶 |
75番 凶 |
76番 吉 |
77番 凶 |
78番 末吉 |
79番 吉 |
80番 大吉 |
81番 吉 |
82番 凶 |
83番 凶 |
84番 凶 |
85番 大吉 |
86番 大吉 |
87番 吉 |
88番 凶 |
89番 大吉 |
90番 吉 |
91番 吉 |
92番 吉 |
93番 吉 |
94番 半吉 |
95番 吉 |
96番 大吉 |
97番 凶 |
98番 凶 |
99番 大吉 |
100番 凶 |
漢文のおみくじ1~100番解説
漢文の部分が特に重要とされるこのスタイルのおみくじ。詳しく見ていきましょう。
おみくじ1番『大吉』
七宝浮図塔
高峯頂上安
衆人皆仰望
莫作等開看
1番のおみくじ解読
七宝の浮図の塔
高峯頂上に安んず
衆人皆仰ぎ望む
等閑の看を作す莫れ
七宝の浮図とは金銀宝石をちりばめたような仏閣の塔のこと。
このような塔は見た目が美しく素晴らしいが、高い山の峯に建っているものは、さらに尊く見えるものです。
今のあなたはそれと同じように、あらゆる人から尊敬され、うらやまれる存在である。
しかし、それに甘えて人生をいい加減に考えるようなことがあってはならない。
今は最高の状態であるけれど、それが続くかどうかはこれからの努力次第です。信仰心をもって、慢心することなく励むことが大切です。
・このおみくじを引いた人はエネルギッシュで、多くの方に注目されて尊敬される状態になります。この状態が長く続くように善行をたくさん実行しましょう。たとえ現在運が悪い状態だったとしても、それは宝の塔が木の陰になっているようなもの。チャンスがくれば社会的によい地位につき、有名になるでしょう。
・病気は完治するでしょう。神仏を養生しましょう。ご先祖様へのお祀りも大切に。
・待ち人は来る
・失くした物は出るでしょう
・裁判などは勝つことができますが、大きな損がないのであれば穏便にすませなければなりません。
・家の新築、結婚、旅は良い
・このおみくじは、すべて上りつめることができる可能性を示しています。運が悪いのであれば一層努力して、運が良いときは用心することが肝心です。
おみくじ2番『凶』
月被浮雲翳
立事自昏迷
幸乞陰公祐
何慮不開眉
2番のおみくじ解読
月は浮雲に翳われ
事を立てるに自ずから混迷す
幸いに陰公の祐を乞わば
何ぞ慮らん眉の開かざることを
月は出ているけれども、ただよう雲にかくされて月光は陰っている。
そんな夜に物が見えないのと同じように、現在何か始めようとしても、心も暗く、うまくいきません。
焦らずに時を待つだけのゆとりを持てれば、やがて天の助けが得られ、
必ず解決することができるでしょう。
・何事も初めは思うように成し遂げられないが、心に余裕を持ち時を待てば後には良い方向に向かいます。忍耐と努力が肝要である。
・願い事は努力すれば叶います
・病気は長引くが命に別状はありません
・待ち人は遅くなるが来る
・失くし物は出にくい。東北を探すとよいでしょう
・縁談は進めてよい
・売買は急いではいけません、今は見合わすのがよいでしょう
・職業は商売は良い、引越しは急いではいけません
おみくじ3番『凶』
愁惱損忠良
青霄一柱香
雖然防小過
間慮覺時長
3番のおみくじ解読
愁悩忠良を損ず
青霄一烓の香
然雖も小過を防げ
閑慮時の長きを覚ゆ
煩悩に心を乱しているとせっかくの良い心も悪い方向に進んでしまいます。そのような時には、青空に向かって線香を一本焚いても役に立ちません。しかし、自暴自棄に陥らないように小さな過ちは防ぐようにしましょう。長くなるかもしれないが我慢して時を待つがよいでしょう。
・迷ったり常に焦りながら、真心を失っては何事も成功しないものです。周囲への気配りをたいせつにし、深く自問自答しながらしばらく時を待つのがよいでしょう
・願望はかないにくい
・病気は長引くが回復します、安心して養生すべし
・待ち人は遅い
・失せ物は出にくい、北を探しましょう
・縁談は見合わすか、なるべく早くするかを選びましょう
・売買は思うようにいかない、後に気を付けましょう
・家の新築は春にしましょう、旅立ちは凶
おみくじ4番『吉』
累有興雲志
君恩祿未封
若逢侯手印
好事始悤悤
4番のおみくじ解読
累に興雲の志有るも
君恩、禄して未だ封ぜず
若し侯の手印に逢わば
好事始めて悤々たらん
大事業をはじめようと気持ちは持っているものの、主君から受ける待遇はまだ与えられていない。もし主人から保証のお墨付きを受けることができれば、良きことが次々と速やかに起こるでしょう
おみくじ5番『凶』
家道未能昌
危危保禍殃
暗雲侵月桂
佳人一烓香
5番のおみくじ解読
家道未だ昌んなる能わず
危々として禍殃を保つ
暗雲月桂を侵す
佳人一烓の香
一家の運勢はまだ安泰ではない状態である。非常に危うく災いの可能性ともっています。それはちょうど、黒雲が月を覆い隠しているような状況。時折月が顔を出すが、それも線香のひとくべの短い間だけで、また隠れてしまうでしょう。
おみくじ6番『末吉』
宅墓鬼凶多
人事有爻訛
傷財防損失
祈福始中和
6番のおみくじ解読
宅暮鬼凶多く
人事爻訛有り
財を傷んで損失を防ぎ
福を祈りて始めて中和を得ん
最悪の運勢で魔物による厄災も多い。一身上の出来事に嘘や真実が入り交りやすく、混乱するでしょう。財を憂慮して、損失を防ぎ、神仏に福を祈りはじめて、人間の本道に立ち返ることができます。
おみくじ7番『凶』
登舟待便風
月色暗朦朧
欲碾香輪去
高山千萬里
7番のおみくじ解読
舟に登って便風を待つ
月色、暗く朦朧たり
香輪を碾じて去かんと欲せば
高山千万重
順風を待って舟出そうと思ったが、今まで明るく輝いていた月が、急に暗く朦朧(おぼろ)になってきた。それではと、車を引いて陸路を行こうとすれば、その陸路はまた高山が延々と続いていてすすむことが難しい。
おみくじ8番『大吉』
勿頭中見尾
文華須得理
禾刀自偶然
當遇非常喜
8番のおみくじ解読
頭上に尾を見ること勿れ
文華須らく理を得べし
禾刀自ずから偶然
当に非常の喜びに遇うべし
ものごとの最初に結果のことを考える必要はありません。才能は理に叶ってあらわれるでしょう。 期せずして、大収穫があり、立身出世するでしょう。
おみくじ9番『大吉』
有名須得遇
三望一朝選
貴人来指處
華果應時鮮
9番のおみくじ解読
有名須らく遇を得べく
三望一朝に遷る
貴人来りて指す処
華果時に応じて鮮やかなり
名声を得ようとすれば、そのとおりになる。
三つの望みも一度に叶うほどで、すべてが思い通りとなるでしょう。
あなたのほうから求めずとも、目上の方からの援助が得られます。
花に見ごろがあるように、また果実に食べ頃があるように、人もまた努力の成果が現れるには、そのタイミングというものが存在します。そして、今こそ活躍する時なのです。
おみくじ10番『吉』
旧用多成破
新更始見財
政求雲外望
枯木遇春開
10番のおみくじ解読
旧用多く破れを成し
新更して始めて財を見る
改めて雲外の望を求むれば
枯木春に遇いて開かん
古くからしてきたことの多くは破れて改まります。
物事の状況がすべて入れ替わってから、初めて喜びを感じられるでしょう。
雲外の望みとは、一見無理に見えるほどの大きな夢をいいます。今はそのような夢を抱いても良い時期となっています。
枯れ木も春が来れば花を咲かせます。同じように、今までは冬の時代にありましたが、あなたの人生も同様に春がまさに来ようとしています。
おみくじ11番『大吉』
有禄興家業
文華達帝都
雲中乗好箭
兼得貴人扶
11番のおみくじ解読
禄有りて家業興り
文華帝都に達す
雲中好箭に乗じ
兼ねて貴人の扶けを得ん
ふくろく身に備わって家業を起こして栄えてゆくでしょう。
その身にある才能や芸術性は都までも評判になり、隠れていることはできません。
弓から放たれた矢が空の雲の中へ入るときに抵抗がないように、あなたの出世も順調に進むでしょう。
目上の人の助けもあり、ますます栄えていきます。
おみくじ12番『吉』
楊柳遇春時
残花発旧枝
重重雪霜裡
黄金色更輝
12番のおみくじ解読
楊柳春に遇うの時
残花旧枝に発く
重々、雪霜の裡
黄金の色更に輝く
枯れ柳も春になると残花が古枝に開くでしょう。 残り積もった雪や霜の中にも、黄金色の菊花がさらに色深く輝いてみえます。
おみくじ13番『大吉』
手把太陽輝
東君発旧枝
稼苗方欲秀
猶更上雲岐
13番のおみくじ解読
手に太陽の輝りを把って
東君旧枝に発く
稼苗方に秀でんと欲し
猶更に雲岐に上る
太陽の光をあびて、春がまさに枯れ枝に花を開かせた。 稲の苗もさらに伸びようとしており、その勢いの良さは、雲路にまで達するかのようです。
おみくじ14番『末吉』
玉石未分時
憂心転更悲
前途通大道
花発応残枝
14番のおみくじ解読
玉石未だ分かれざるの時
憂心転た更に悲しむ
前途大道に通じ
花発いて残枝に応ず
おみくじ15番『凶』
年乖数亦孤
久病未能蘇
岸危舟未発
龍臥失明珠
15番のおみくじ解読
年乖きて、数も亦孤
久しく病みて未だ蘇える能わず
岸危しくして舟未だ発せず
龍臥して明珠を失う
年まわりも悪く、運命も孤独な状態にある。しかも、長い間病んでいて未だ回復していないありさま。それではと心機一転、船に乗ってどこかへ出かけてみようと思ったものの、船着き場が危険で船はでられないようだ。ちょうど龍が時を得ずに動きが取れず、大切な宝の珠も奪われてしまったようなものだ。
おみくじ16番『吉』
欲政重成望
前途喜亦寧
貴人相助処
禄馬照前程
16番のおみくじ解読
政欲して重ねて望を成し
前途喜にして亦寧し
貴人相助くる処
禄馬前程を照らす
世の中のためを思い、正義感をもって仕事に打ち込めば、同時に個人的な願望も満たされます。
そのような人の将来は喜びにあふれ、また安定しているでしょう。
自分の努力だけでなく、目上の方の助けも得られ、
財産も地位も思い通りの出世ができるでしょう。
おみくじ17番『凶』
怪異防憂悩
人宅見分離
惜花還値雨
杯酒惹閑非
17番のおみくじ解読
怪異憂悩を防げ
人宅分離を見る
花を惜しみ還って雨に値い
杯酒、閑非を惹く
怪奇現象はくよくよして思い悩んでいる者ほど影響を受けるもの。悩んでいるうちに、家にも魔がさして一家は分離することになります。そうならないように、試行錯誤してみたものの、悪いことは重なるもので、せっかくの花も雨に散るような結果になってしまった。これは酒を飲まずにはいられんと飲み始めたものの、かえって心の鬱屈は増すばかり。
おみくじ18番『吉』
離暗出明時
麻衣変緑衣
旧憂終是退
遇禄応交輝
18番のおみくじ解読
暗を離れ明に出ずるの時
麻衣、緑衣に変ず
旧憂終に是退き
禄に遇いて応に輝と交わるべし
今までの暗い境遇を脱して、ようやく明るい兆しがみえてきた。衣服も平民の白衣から、貴人の緑衣に変わっている。今までの心配ごともなくなり、厚い禄を得て、光輝ある者と交わることができる。
おみくじ19番『小吉』
家道生荊棘
児孫防虎威
香前祈福厚
方得免分離
19番のおみくじ解読
家道荊棘を生ず
児孫、虎威を防ぐ
香前に福の厚きを祈らば
方に分離を免るるを得ん
夫婦の不仲によって家の中はいばらが生えたようです。そのせいで、子供や孫などはそのいばらから災いを防がなくてはならない。神仏や祖先を大切に、一家の幸せの厚きことを祈れば、一家離散の不幸は免れることができるでしょう。
おみくじ20番『吉』
20番のおみくじ解読
おみくじ32番『末吉』
似玉蔵深石
休将故眼看
一朝良匠別
方見宝光寒
32番のおみくじ解読
玉は深石に蔵るるに似たり
故眼を将ちて看るを休めよ
一朝、良匠別たば
方に宝光の寒きを見ん
宝石はどんなに立派なものでも、最初は深く石の中に隠れていて、外からは見えないものです。
そのため、平凡な人の目で見て探しても無駄なのです。
しかし、ひとたび優れた宝石作りの目に留まれば、すぐに見分けられ
その手で磨かれれば、次第に心が揺さぶられるほどの美しい輝きを放つようになるでしょう。
おみくじ93番『吉』
有魚臨旱地
踊躍入波濤
隔中須有望
先且慮塵労
93番のおみくじ解読
魚有りて旱地に臨めども
踊躍して波濤に入る
中を隔てて須べからく望有るべし
先ず且く塵労を慮んばかれ
魚が乾ききった地面に放り出されたように、今はとても困難な状況にあります。
しかし、その魚が跳ね上がって水の中に飛び込んだように、これからは心配もなくうまくいくことでしょう。
どのような願望であっても、それを成し遂げるまでには途中に障害はあるものです。
今しばらくの間は進むことを控えて、苦労を耐え忍ぶという気持ちでいることが大切です。やがて時が経てば機会は間違いなくやってくるものです。
漢文つきのお御籤は「元三大師」みくじ
元三大師とはお坊さんの名前。平安時代に天台座主という天台宗で最も高い地位にいらした、慈恵大師 良源 (912~985)という僧侶になります。
おみくじの始まりは、元三大師が観音様から授かった五言四句からなるお言葉が起源とされます。これが江戸時代初めになってから天海というお坊さんが大師のお告げで発見することになります。
この後、「元三大師百籤 (ひゃくせん)」として完成し、人々に生きる指標として天台宗で使われてきました。現在では、天台宗以外のお寺でも広く使われるようになって、今世にあるさまざまなおみくじになっているのです。