王子神社の御祭神とご利益
王子神社は東京北区、JR王子駅から歩いてすぐのところにある神社。東京近郊にある元准勅祭社の中の10社を総称して東京十社のひとつとして古くから親しまれている神社です。
御祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)の五柱。これらの神様を総称して「王子大神」と呼ばれるため、神社の名称も王子神社となっています。
駅名になっていることからもこの神社が非常に大切にされて生きたことがわかりますね。王子大神とは、和歌山県の有名パワースポットである熊野三社権現(本宮・那智・新宮)の神様の呼び名です。
ご利益としては、「運を開き、災いを除く」という意味で、開運招福や運気の回生、また厄除けや家内安全、身体健全、交通安全などがあります。あの有名な春日局も子供のころの家光の病弱と世継問題を改善する目的で参拝していたそうで子育てのご利益もあるといいます。
王子神社のおみくじ
王子神社のおみくじは神歌が書かれており、文字も古い崩し字で書かれているため読み取ることも難しいですし、たとえ読めたとしても意味を解読するのが難しいことで有名です。
今回は王子神社のおみくじについて意味がわかるものについて解説をしていきたいと思います。
感じるものについては超訳・意訳の形でわかりやすく意味づけをしていますが、内容が非常に深いです。古くから名著とされている書物や哲学とも共通することが多く驚かれると思います。みなさんも是非、歌の意味についてご自身にあてはめて考えてみてくださいね。
1番~10番の意味
第一番 大吉
うるわしき 神のみさとし あるからは 萬(よろず)の願い 叶うとぞ知れ
第二番 吉
ひとつとて うるわしきことの あるからは 又も吉事(よきこと) 来たりさかえむ
第三番 吉
いきしきの みいつかしこみ 諸神に 幸を乞祈み まつる人くさ
第四番 末吉
先にへらし 後にますこと あることは 月にみちかけ 有ると思いて
【意味】先に手放したり与えることで、後に自分で受け取る時期がやってきます。これは月に満ち欠けがあるのと同じように自然の理なのです。
第五番 凶
身のほどを 知らでど送る 月日をば 立て過ぎぬる 身こそ悔しき
【意味】自分というものを知らないで過ごしてしまう人生。これは本当にもったいないことですし、後悔する事になります。しっかりと自己との対話を進めてあるべき人生を送りましょう。
第六番 大吉
寄り来る 神のみたまも 世の中の 人を幸う こととこそ知れ
此の御諭しの神歌は神々の御心として
夫々[それぞれ]の所に御霊寄りし賜へるも世の中の人を憐み思しめして人々を幸へ賜はむとの御心と知られたり
【意味】様々なものに宿っている神の御霊であるが、世の人の幸せを思っているのが神の御心と云うものである
○歓びごと 有るべし
○待ち人 来る
○失せ物 出づべし
○貿易 利あり
○疾病 全快[ココロヨシ]
○方角 東
○家造り、わたまし(新築、引越し)、婚礼、旅行[タビダチ] みな用ひて大によし
用いて大いによしと云うのは、それらを実施して良い方向に向かうという意味です。
第七番 吉
たなつもの みのりもよくて 豊年(とよとし)の ためしなりとて 祝う諸人
【意味】種の実りもよく豊かな年になります。あなたを手本として多くの人々が祝福してくれるでしょう。「たなつもの」は古語で「種」です。
第八番 半吉
世の中の おだしきことを 朝夕に 乞祈みまつる 神の御功徳(みいさお)
【意味】世の中が穏やかで安泰である事を願って、毎日天の神、地の神に祈れば、その身に幸福があるだろう
第九番 末吉
行末を 思えば遠し かぎりなき 御代の栄を 待つぞ嬉しき
【意味】将来のこと、子孫のこと色々考えてしまうでしょうが、どこまで考えても理解できぬでしょう。それであれば、今という瞬間にどれだけ幸せを感じられるかが重要だと感じますよ。
第十番 大凶
人目には 見えねどひとり 慎しめよ かくりに神の 在(ま)すと思いて
【意味】他人の目があろうとなかろうと、誰に見られていなくとも善い行ないや慎み深く行きましょう。神様はきっと見ていますし、何より自分に対して気持ちよく行きましょう。
11番~20番の意味
第十一番 大吉
神と云い 上(かみ)といえるも ひとつにて 神と上との 法(のり)にそむくな
【意味】神様のかみ、上司や目上の上も「かみ」と読めますね。同じ音であることには同様の意味がこめられているんです。神様や目上の人の言うこともしっかり聞いていきましょう。
第十二番 末吉
たま石に 隠るといえど 真実なる 光はいつか 世に出ずるかも
【意味】色々なことであなたの魅力、自信などが見えなくなることはあるでしょう。しかし、本当の光があなたを照らして世の中に認められる日が来る可能性は必ずあるのです。
第十三番 吉
これと云い あれといえど ひとすじに 家の栄えを たのしみとなせ
【意味】あれこれと世の中への不満や将来への不安など考えたり言ったりしてしまうでしょうが、ただただ家が栄えることや子供の成長などを楽しみとして生きましょう。
第十四番 半吉
冬枯れの 草木もいつか 春くれば もとの青葉を 見るぞ楽しき
【意味】冬の枯れた草木も春がくれば青葉が出てきます。同じように今のあなたの状態が落ち込んでいたりしても、しばらくすれば元気な状態になるものです。この未来を想像するだけで楽しくなりませんか。
第十五番 凶
何事も 人の力の およぶまじ 神のみこころ なると知るべし
【意味】どんなことも人間の力でどうしようもないことばかりです。全て今起こっていることは神様からあなたへの贈り物であると知りましょう。必ず今の経験があなたの人生の彩りを与えるものになっているので安心してください。
第十六番 大吉
ゆるぎなき 御世はとことは 限りなき 神の造りし 国にしあれば
【意味】この世は神様の作った国ですのでずっと続きます。
第十七番 末吉
寿(ほ)ぎこと 待ちて喜ぶ 民くさの 末の栄を 祈りこそすれ
第十八番 吉
限りなき 人の行末 とやかくに 思うは心の 迷いなりけり
【意味】無限にある人の可能性や将来について現時点で色々と考えることは、心の迷いが生じているからです。今を見つめて生きましょう。
第十九番 半吉
満ち満つる ことを喜ぶ 人心 欠くるといえる ことを思いて
【意味】なんでも満ち足りてくることを人は喜ぶものです。ですが、何かを手放す事で執着がなくなるということを忘れないようにしましょう。
○生死いくべし
○方角ひつじさる
○家造り わたまし 婚禮 旅行 これみな用ひてよし
第二十番 凶
悪しと思い 凶しき思い 慎しめば やがて吉ごと 来るなりけり
【意味】自分の行動について、後ろめたいことや罪悪感を感じることは行わないようにしましょう。それだけを心に留めておけば、しばらくしてきっと幸せがやってきますよ。
21番~30番の意味
第二十一番 大吉
大直日(おおなおび) 神のなおびに 禍(まが)ごとの 無くて栄ゆる 身こそ安けれ
【意味】大直日の祓いの神威を目の当たりにし穢れが消え去り繁栄と安泰が訪れることでしょう
此の御諭しの神歌ハ今まで種々[サマザマ]の悪しきことありても今日[ケフ]より直日の神の御霊幸[ミタマチハヒ]まして禍を払ひ吉事[ヨキコト]来りて身安く栄えなんとの御をしへなり 世の人よくおもひてよ
【意味】此の御諭しの歌は今まで様々な悪いことが重なってきたとしても今日からはナオビの神の御霊により護られて災いを祓い清くなりて安泰と繁栄がくるであろう、との教えである。周りの人のことを考えて暮らすのが良い事となりましょう
○歓喜[ヨロコビゴト]有[アル]べし
○待人来[キタル]
○失物可出[ウセモノ イヅベシ]
○貿易有利[ウリカヒ リアリ]
○疾病[ヤマヒゴト]可快[ココロヨシ]
○方角東南
○家造りわたまし[渡座]婚れい[婚礼]旅行是皆用いてよし
第二十二番 吉
すべてただ 世はとことわに 神世なり 人の世代(よよ)とは 思わざらまし
【意味】この世はすべて、昔からずっと神様の世界、人がいると思うかもしれないけれど、その人でさえ神様なのですよ
第二十三番 吉
善悪を 思うは人の ひがごころ 神によしあし 無くと思いて
【意味】良いとか悪いとかの判断は人間の偏った考え方(エゴ)だと気付きましょう。神様の世界には良いも悪いもないのです。
第二十四番 吉
人目をば 忍べといかに 天地の 神の御免(みゆる)し 給うものかわ
【意味】人の目からは見えないにしても、天地にいらっしゃる神様は見ています。神様に恥じないよう行動しましょう。
第二十五番 凶
人のため 善しと思いて なすことも 悪しきとなれる ことを思いて
【意味】あなたが例え誰かにとって良かれと思ってすることも、相手にとっては誤解されて悪意と捉えられることもあります。注意しましょう。
第二十六番 大吉
ちはやふる 神もかしこも 神垣の 内外の守り ゆるがせにすな
【意味】神さまと同様に心の内側と生活などの外側環境を揺るがないようにしっかりと整えましょう
第二十七番 吉
世の中の ことはむくいの ありという 事を思いて 悪しきことすな
【意味】世の中には「報い」ということが存在し、自分の行ったことが自分へ返ってくる仕組みになっています。ですから、しっかりと考えて悪いことはしないようにしましょう。
第二十八番 半吉
世は末と 思うは人の ひがごころ 末の末なる 事は知られじ
【意味】「世も末だ」なんてわかったように悪いように想像していませんか。それは人間の誤った考え方です。結局のところ今から起こることなど誰も予想することはできないんですよ。良いことが起こるだろうと思っていたほうが幸せですし、何より今を楽しみましょう。
第二十九番 吉
年月の 患いの雲 霧晴れて さやかに見ゆる 月の影待つ
【意味】長くかかった人生の困難なども徐々に晴れて光が見えてきました。幸せを感じられるまであと少しですよ。
第三十番 凶
禍(まが)ことは 身の怠りよりぞ 来るなり 神を恨みそ 人を恨みぞ
【意味】良くないことは自分の怠りによって起こるものだと認識してください。どうして神様のせいにするのですか?どうして人のせいにするのですか。わが身の行動や思考を今一度振り返ってみましょうね。
31番~40番の意味
第三十一番 大吉
松が枝に 鶴の羽音の 聞えつつ 鳴く一こえの いさましきかな
【意味】松の枝に鶴の羽の音が鳴き声が聞こえています。鳥の勇ましい声を聞き、私達も今後の幸せを願いましょう。
第三十二番 吉
世のためと 人のためとて 幸いを 願う心を 神は受けなむ
【意味】世のため、人のためと幸せを願うあなたには、きっと神様その願いを受けてくれるでしょう。良い心がけです。
第三十三番 吉
雨霰(あられ) 降るも時々 あるなれば 嵐吹く夜も ありと思いて
【意味】人生いろいろなことがありますね。これも一時のものでずっと続かないですし、困難のなかにも成長のヒントがあるんですよ。
第三十四番 半吉
おのが身の ほどを守りて よそ外の 事を願わず 身を守りてよ
【意味】自分の身をわきまえて、必要以上の事を願うのはやめましょう。それが結果自分のためになる時期です。
第三十五番 大凶
邪しまの 心ますます さかりにて 人を羨み 世をばかこちて
【意味】嫉妬や妬みなどのネガティブな感情が大きくなっています。愚痴を言うのではなく人を幸せにする考え方に切り替えていきましょう。
第三十六番 大吉
えみ栄う 身は神々の 守りとぞ 思うてなおも 神をかしこめ
【意味】笑顔が出ている自分の身体は神様が守ってくださると感じ、守護してくださっている神様に感謝しましょう
第三十七番 半吉
餘所外(よそほか)の ことをうらやみ 思うのは 身をいたずらに 過ごすにぞある
【意味】自分以外のことに意識が行ってしまっている状態、例えば他人の境遇をうらやむようなことは、時間の無駄である。また、自分のことを大切にできていないことが原因。
第三十八番 吉
天下(あめがした) 治まれる世に 生れ出て なに患うべき ことのあらなむ
第三十九番 吉
今ぞ知る 神の御稜威(みいず)は 限りなき 御代の栄えを 見ても知りなむ
第四十番 大凶
吉事(よきこと)をば 願えど身をば 怠りて 何つとむべき 業も知られず
【意味】いい事が起こるようにと願いながら健康について考えていない人は、現在の状態が貴重なありがたいことであると認識しましょう
41番~50番の意味
第四十一番 大吉
八百萬 国つ御神の 数々も こもれる三輪の 杉のもろ枝
第四十二番 吉
賤(しず)が身も 神の恵みの ありと思いて 今は安くぞ 世を渡るなり
第四十三番 半吉
明らけき 月をば見れど 愚かなる 心の闇に 身を苦しむ
【意味】空にある美しい月を見るたびに、自分の心にあるネガティブなものを照らされるような気持ちになり苦しい
第四十四番 吉
人ごとに 道をば磨け 道という 道は神道(かみみち) 外を願うな
【意味】人それぞれ自分の道があるのだからそれを磨きなさい。すべての道は神につながる道と言っても良いのだから、他の人たちのことをうらやましがったりせず、自分の道を行きなさい。
第四十五番 凶
天の下 あらけき世に 生れ来て 身の怠りに 心苦しむ
第四十六番 大吉
斯(か)くてただ 吉事を願う 心あらば 人の人たる 道をたどりて
【意味】良いことが起こるように願うのであれば、まずは人の道を外さずに心正しくありましょう
第四十七番 半吉
幾千年 栄うる宿も 春来れば また萬代を 経ると祝いて
第四十八番 末吉
末遠く 栄えを待たむ 住吉の 浦の松原 茂りゆくまで
第四十九番 半吉
なかば善し なかばは悪しき 世の中の ことは心に まかせぬぞよき
【意味】世の中に起こることは良いも悪いもないものです。あなたの人生の経験から思考がどうしても善悪を判断してしまうということが起こるということを認識しましょう。
第五十番 凶
風あらく 波は高くて 船路をば 渡りかねたる 身こそ辛けれ
【意味】風当たりが強くとも、障害が大きくともあなたの直接の問題にはならないでしょう。人生の道は行動できないというときに、自分が辛くなるものなのです。好きなように生きましょう。
東京の王子神社へのアクセス
地図