神道には信仰の対象となる御祭神はいても、教祖や経典などがありません。そのため、仏教における真言宗や日蓮宗のように宗派があるのかわかりにくいと思います。
今回は、神道には宗派は存在するのかについてです。
神道にも宗派はある
神道は自然宗教であり、教義が比較的広くとらえられています。ですが、しっかりと宗派というものが昔から存在します。
実は昔から宗派が別れ始めていて、これらを家伝神道や社伝神道と呼ばれます。主な宗派は以下となります。
伯家神道(白川神道)
伯家神道は平安時代末期において祭祀を司る神祇官である家系であった白川伯王家による流派です。
白川家とは花山天皇の皇子清仁親王の子延信王の子孫の家系となります。1025年臣下となり、後にこの職を代々行っていました。
宮中の祭祀だけでなく、全国の神社を統轄する地位であり影響力は大きなものと考えられています。
土御門神道(安倍神道)
陰陽師として有名な安倍晴明を祖とする神道。
天文道を家学としていた安倍氏の子孫など嫡流が、室町時代になって「土御門」という苗字を名乗ったため、土御門神道と呼ばれます。
比較的新しい神道の宗派について
明治維新が行われると、政府は古来からの神道を国家神道として管理することになります。
これと同時に、神道系の宗教団体も生まれています。これを総称して「神道十三派」とも呼ばれます。
中には古来の自然神道にはない教祖を持っている宗派もあります。
神道十三派
- 神道大教
- 黒住教
- 神道修成派
- 出雲大社教
- 扶桑教
- 實行教
- 神道大成教
- 神習教
- 御嶽教
- 神理教
- 禊教
- 金光教
- 天理教
明治政府は国家神道とは別なものと位置づけるために、教派神道として位置づけました。
これらの宗教団体は明治維新前後の時代から生まれているものも多いです。独自の教えがあるため、一般的に知られている神道とは異なるものであると考えて良いと思います。