長崎県雲仙市の温泉神社は温泉街の中心にありながら、まるで別世界のような静けさと力強さを体感できるパワースポット。
今回は温泉神社と神社にあるいくつかのおみくじから最も読みにくい漢詩付きのおみくじの解読についてお伝えします。
温泉神社とは
長崎県雲仙市の温泉神社は、創建は大宝元年(701年)に行基が満明寺を開く際に、四面の神々を勧請したのが始まりとされます。
江戸時代には「温泉四面神」または「四面宮」と呼ばれており、島原半島の18社を取りまとめる総本社となります。自然の力と人々の暮らし、そして精神的な安寧をつなぐ存在として、今なお多くの人々に親しまれています。
温泉神社の御祭神
主祭神:白日別命(しらひわけのみこと)
白日別命は、農耕や土地の守護神として崇敬されるとともに、火山の神格化の一面も持つとされ、雲仙岳という火山信仰の中心地に鎮座する神社としての意味を強く支えています。また、神社の伝承によると「四面の神」として多面的な神格(方位・季節・現世と冥界)を司るとされ、温泉という地の恵みと浄化の力の象徴とも重なります。
その他、筑紫地方に由来する五柱の神々が祀られています。『古事記』や『日本書紀』にも登場する国津神で、地域の平安と繁栄、そして温泉の恵みに感謝を捧げる存在として古くから信仰されてきました。
ご利益は?
温泉、地熱、家内安全・縁結びにご利益があるとされています。
温泉神社の見所は?
神社の境内は、活火山・雲仙岳の麓にある雲仙地獄と隣接しており、蒸気が立ち上る荒涼とした岩地の景色は圧巻です。
古来より地熱が浄化と再生の力であると信仰されてきた背景を感じることができるでしょう。ご神域をダイレクトに感じるエネルギーに満ちた空間。境内には樹齢200年以上の「夫婦柿」があり、縁結びや子宝祈願のスポットとしても有名です。
温泉神社の読みにくいおみくじ
温泉神社にはいくつかのおみくじがありますが、そのなかでも漢詩の書かれたおみくじは詩の意味まで考えるととても難解です。
お問い合わせのあったものについて以下に掲載していきます。
温泉神社の漢詩みくじの意味
温泉神社の漢詩みくじ(元三大師みくじ)について漢詩と解読した現代文を掲載します。こちらにないものが多いですが、もし内容を知りたい方は写真付きでお問い合わせからご連絡いただければ解読させていただきます。
第五十番
『吉』
有達宜更変
重山利正逢
前途相偶合
財禄保亨通
望みを達するには、これまでの方法を改めたほうが良いでしょう。家を出て他の地域に新天地を求めるのであれば、多くの利が得られます。それから先は仕事の予想も当たりトントン拍子に進みます。財宝も俸禄も、望みどおりになるでしょう。
・このおみくじを引いた方は険しい山を進む旅人のような状態にあります。とても険しく困難に思える道を進んでいるでしょう。ただ、後になれば必ず報われて幸せがやってきます。
・病気の場合には、医者を変えるか薬を変えると快方に向かいます。
・待ち人は遅いです。
・失くしたものは時間が経ってみつかります。
・縁談は身近な人なら吉
・旅は良い
・引越しや家の新築は、ゆったりと進めれば良い。急いではいけません。
・他の人の相談に乗ってはいけません。
・職は木もしくは糸にかかわることが良い。
・商売は緩やかに始めるのがいい。
・争いごとは控えめにしていると有利になれます
・子供が生まれる可能性があります。男なら出世し、女なら孝行ものになります。
・望みは徐々に叶っていきます。
漢詩おみくじ「元三大師(がんざんだいし)みくじ」
温泉神社には複数のおみくじがありますが、中でも漢詩形式のおみくじは少し読みにくいと感じる方が多い方式になっています。このおみくじは仏教系に由来する「元三大師百籤」に基づいたもので、清水寺や川崎大師といったパワースポットでも採用される由緒あるおみくじになります。
元三大師みくじについて
平安時代、天台宗の僧侶である良源(元三大師)が「五言四句」の百篇漢詩で占うみくじを作ったのが起源です。これが江戸時代になって比叡山延暦寺で修行僧が引く方式が定着し、漢詩に込められた深い意味を読み解く習慣が広まりました。
温泉神社では漢詩+吉凶判定付きの「仏教式おみくじ」を、神社に取り入れた珍しい形式。旅の思い出や、人生の転機で引いてみると良いでしょう。
まとめ
温泉神社は島原半島の温泉信仰と地熱信仰の中心地であり、古代地名と祈りが交差する場所。漢詩おみくじ(元三大師みくじ)は、格式高い言葉で神意を問うタイプのおみくじになります。
限られた参拝者向けにこの難解な形式を維持していることから、現代でも失われつつある朗読・解釈の文化を継承する貴重な場でもあります。
今回解説のないものについては、メニューの「おみくじ」より川崎大師、清水寺の項目をご確認いただくか、詳細な解説は画像を送っていただければ直接メールでお伝えします(無料です)。