新潟県五泉市の中心部に、ちょっと珍しい神社があります。
境内はかつて「五泉城」があった場所。城跡に鎮まる神社として、平安時代から1,000年以上にわたって地域の人々に守られてきたのが、五泉八幡宮です。
40柱以上の神様が集まるパワースポットとして、今も多くの参拝者が訪れます。
ご由緒—平安時代の武将が戦勝を祈った地
五泉八幡宮の歴史は古く、平安時代前期の元慶3年(879年)に創建されたと伝えられています。
きっかけは、出羽国(現在の山形・秋田あたり)での戦いでした。朝廷から派遣された武将・藤原保則が北陸道を下向した際、五泉の地で激しい嵐に見舞われて道に迷います。
苦境に立たされた保則は、信仰する八幡大神に加護を祈りました。すると天候が回復し、出羽に進発して見事に勝利を収めたといいます。凱旋の途中、保則はその御礼として、京都・石清水八幡宮を勧請してこの地に創祀しました。その後、神社は江戸時代前期の慶安2年(1649年)に現在地へ遷座。境内となったのは、南北朝時代の永徳2年(1382年)に長尾憲願が築いた五泉城の城跡です。
ご祭神が多いですが、長い歴史の中で周囲にあった神社が次々と合祀されてきたためです。式内社(延喜式神名帳に記載された格式高い神社)である小布勢神社や白山神社も、明治時代に合祀されたと伝えられています。五泉の地の神様が、ひとところに集まった神社といえるでしょう。
ご祭神
主祭神 誉田和気命(ほんだわけのみこと)
第15代天皇・応神天皇のことで、八幡神として全国の八幡宮に広く祀られています。文武の神として古くから武士に篤く信仰されてきた神様で、勝運・出世・開運のご利益で知られています。
気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)
応神天皇の母・神功皇后です。朝鮮半島への遠征(三韓征伐)を成し遂げたとされる女性の神様で、その強さと決断力から、安産・子育て・勝運のご利益があるとされています。
宗像三女神:田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)の三柱の女神。
海の守護神として知られ、航海安全・交通安全のほか、市杵嶋姫命は弁財天と同一視されることから、芸能・金運・縁結びのご利益でも親しまれています。
白山比賣命(しらやまひめのみこと)
霊山白山の神様です。縁結びの神として知られています。
大国主命(おおくにぬしのみこと)
出雲大社に祀られる国造りの神様。大黒様として広く親しまれており、縁結び・商売繁盛・五穀豊穣のご利益で知られています。
健御名方命(たけみなかたのみこと)
諏訪大社(長野県)の主祭神で、大国主命の御子神。武神・軍神として知られるほか、農耕・狩猟・風の神としても信仰されています。勝負ごとや開運を願う方とご縁の深い神様です。
大山祇命(おおやまつみのみこと)
山の神様の総元締めともいえる神様です。山の恵みを司るとともに、武運長久・農業・産業全般のご利益があるとされています。
長壁姫(おさかべひめ)/服部神社
境内末社・服部神社に祀られる織物の姫神です。五泉市は古くから絹織物の産地として知られており、地場産業とともに歩んできた神様として地域に根付いています。縁結び・安産のご利益でも親しまれています。
祭神が多いのは、周囲の神社が合祀されたためだと想像します。神様の並びをみると、同神となるものも多く入っています。
五泉八幡宮のご利益
出世開運・勝運・縁結び・安産・学業成就・合格祈願
五泉八幡宮のみどころ
天満宮
境内末社・天満宮に菅原道真公(すがわらのみちざね)が祀られています。平安時代の学者・政治家で、「天神様」として全国で信仰される学問の神様。合格祈願・学業成就を願う参拝者が多く訪れます。
季節ごとの写真スポット
まとめ
平安時代に武将が戦勝を祈った地が、今も40柱以上の神様が集まる五泉の総鎮守として息づいている——五泉八幡宮は、五泉の歴史そのものを感じられる場所です。
7月には新潟県最大の「七夕風鈴祭☆天の川巡り」が開かれ、全国・世界から集められた約4,500個の風鈴が境内を彩ります。季節ごとに変わる花手水や水みくじなど、何度訪れても新しい顔を見せてくれる神社です。