御神水が有名な神社(関西近畿地方編)|神様のご神徳を取り入れてみましょう

関西は、千年以上前に都が置かれた地域。

歴史上の人物とゆかりが深かったり、『古事記』や『日本書紀』の時代に創建されたりした、たくさんの神社がある地域でもあります。

そうした古いお社の中には、天然の湧き水や地下水の御神水をいただける神社があるのです。

この記事では、関西地方の飲むことのできる、天然の湧き水や地下水の御神水をいただける神社をご紹介します。ぜひ、参拝の参考にしてみてください。

京都府の御神水

京都はお水が清らかなことでも有名な地域。京都府内には御神水をいただけるパワースポットが数多くあります。

ここでは、京都観光と合わせやすい京都市に限って紹介していきます。

貴船神社(きふねじんじゃ)

京都市左京区に鎮座。御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)です。詳しい創建の由来はわかっていませんが、古くから水の神さまに雨乞い祈願を行っていたお社ですよ。貴船神社のある地域は、京都市の夏の避暑地としても有名な場所。京都の名水に選ばれた御神水は、本殿前の石垣から湧き出しています。参拝の記念に、オリジナルのペットボトル(1本300円)で御神水をいただくのはきっと良い思い出になるでしょう。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
叡山電鉄貴船口駅下車、徒歩30分、もしくは市営バス貴船行乗車4分、バス停貴船下車徒歩7分

*駐車場が少ないので、公共交通機関での参拝をおすすめします

賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)

京都市左京区に鎮座。御祭神は賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と玉依媛命(たまよりひめのみこと)の二柱です。下鴨神社(しもがもじんじゃ)という通り名が有名な神社で、詳しい創建の由来はわかっていませんが、第10代崇神天皇(すうじんてんのう)の御代に創建されたと伝えられています。井戸の上に建てられた御手洗社という瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)を祀る摂社があり、御神水はそこでいただくことができます。下鴨神社の御手洗池は、みたらし団子発祥の地としても有名ですよ。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
京阪電鉄出町柳駅下車、徒歩約10分、JR西日本・東海・近鉄京都駅より市バス205系統糺の森行乗車、バス停塩小路高倉下車、徒歩約3分

自動車を利用する場合
名神高速道路京都南IC下車、河原町通り経由、約30分

白峯神宮(しらみねじんぐう)

京都市上京区に鎮座。御祭神は第75代崇徳上皇(すとくじょうこう)と第47代淳仁天皇(じゅんにんてんのう)の二柱です。保元の乱に敗れた崇徳上皇は、讃岐国(現在の香川県)に流され、そこで崩御しました。その後、都で怪異が続いたのを祟りと考えた都の人々は、崇徳上皇を鎮めるために、陵の前に御影堂(みえいどう)を建て、白峯大権現(しらみねだいごんげん)として祀ったのです。幕末に、第121代孝明天皇(こうめいてんのう)が京都に神霊を移すよう幕府に命じ、1868年(慶応4年)に御影堂から御神体を移して創建されました。もともとは公家の飛鳥井家の屋敷だった場所には、平安時代から知られていた「飛鳥井」と呼ばれる湧き水がありました。清少納言の『枕草子』にも出てくるのですよ。現在は白峯神宮の御神水となった飛鳥井は、近所に住む人たちが水をくみにくるほど美味しいのだとか。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
JR西日本・東海・近鉄京都駅より京都市営地下鉄烏丸線乗車、今出川駅下車、徒歩約10分、もしくは市営バス9系統下京区総合庁舎前行乗車、バス停堀川今出川下車、徒歩約1分

自動車を利用する場合
名神高速道路京都南IC下車、国道1号、烏丸通り経由、約25分

八坂神社(やさかじんじゃ)

京都市東山区に鎮座。御祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)、その妻である櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)、八柱御子神(やはしらのみこがみ、スサノオノミコトとクシナダヒメの子どもたち)の十柱です。第37代斉明天皇(さいめいてんのう)の御代、656年に創建された古いお社で、京都では「祇園さん」と呼ばれて親しまれていますよ。本殿の東に湧き出ている御神水の名は「祇園神水」。御神水を飲んでから、摂社の美御神社にお参りすると美人になると言われており、祇園の芸妓さんや舞妓さんが厚く信仰しています。ぜひ、ペットボトルに入れていただきましょう。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
阪急京都線河原町駅下車、徒歩約10分、JR西日本・東海・近鉄京都駅より京都市営バス206系統烏丸七条行乗車、バス停祇園下車、徒歩約3分

自動車を利用する場合
名神高速道路京都南IC下車、府道143号経由、約20分

奈良県の御神水

歴史ある神社が多い奈良県。山が多い地域ということも有りお水は豊富です。

狭井神社(さいじんじゃ)

奈良県桜井市に鎮座。大神神社(おおみわじんじゃ)の摂社で、御祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の荒魂(あらみたま)です。境内には、大神神社の御神体である、三輪山への登拝口がありますよ。御神水の「薬井戸(くすりいど)は、拝殿の裏にあり、その場でいただけます。御神水はペットボトルで持ち帰り可能ですが、大量にくみあげて他の参拝客の迷惑になった方がいたそうですから、節度を持っていただいてくださいね。

アクセス

公共交通機関利用の場合
JR西日本万葉まほろば線(桜井線)三輪駅下車、徒歩15分

自動車利用の場合
西名阪自動車道天理IC下車、国道169号経由、約25分

丹生川上神社(にうかわかみじんじゃ)

奈良県吉野郡に鎮座。上社、中社、下社に分かれたお社で、それぞれのお社の主祭神はいずれも水の神様である高龗神(たかおかみのかみ)、罔象女神(みづはのめのかみ)、闇龗神(くらおかみのかみ)です。詳しい創建の由来はわかっていませんが、とても古いお社となります。

中社に御神水の「丹生の真名井」という井戸があり、自由にくみ上げていただくことができます。

参拝の際はペットボトルを忘れずに。また中社の近くには、神武天皇が戦勝を祈願したと言われる夢淵があります。パワースポットですから、参拝したら立ち寄るのをおすすめします。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
近鉄大阪線榛原駅下車、奈良交通バス東吉野村役場行乗車、バス停東吉野村役場下車、徒歩45分、もしくは役場から東吉野村コミュニティバスふるさと号利用、バス停蟻通下車、徒歩1分

自動車を利用する場合
名阪国道針IC下車、国道369号経由、約45分

*榛原駅から東吉野村方面のバスは、祝休日は運休となります。またふるさと号も祝休日は事前予約が必要となる場合があるので、自動車での参拝をおすすめします

墨坂神社(すみさかじんじゃ)

奈良県宇陀市に鎮座。御祭神は墨坂大神(すみさかのおおかみ)です。第10代崇神天皇(すうじんてんのう)の御代に、疫病が流行し、大勢の人が亡くなりました。ある夜、大物主神(おおものぬしのかみ)が崇神天皇の夢に現れ、墨坂の神と逢坂の神を祀るように告げ、そのお告げにしたがって祀ったのが創建の由来なのだとか。名水・やまとの水に認定された御神水は、境内社の水の神様・罔象女神(みづはのめのかみ)を祀る龍王宮で湧き出しています。波動水と呼ばれ、地元の人から親しまれていますよ。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
近鉄大阪線榛原駅下車、徒歩約10分

自動車を利用する場合
西名阪自動車道天理IC下車、国道25号、369号経由、約40分

宇太水分神社(うだのみくまりじんじゃ)

奈良県宇陀市に鎮座。御祭神は天水分神(あめのみくまりのかみ)、速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)、国水分神(くにのみくまりのかみ)の三柱です。第10代崇神天皇(すうじんてんのう)の御代に創建されたと伝えられる古いお社ですよ。第33代推古天皇(すいこてんのう)が、薬狩り(くすりがり、薬草を集める行事のこと)の時に身を清めたと言われる御神水は、拝殿の裏手にあります。この御神水で薬を飲むと良いのだとか。ぜひ、試してみてくださいね。また、境内から徒歩5分ほどの距離には廃校になった小学校を利用した「奈良カエデの郷ひらら」があります。中にあるCaféカエデでは、御神水を使って煎れたコーヒーをいただくことができますよ。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
近鉄大阪線榛原駅下車、奈良交通バス東吉野村役場行乗車、バス停古市場水分神社前下車、徒歩約5分

自動車を利用する場合
名阪国道針IC下車、国道369号経由、約20分

滋賀県の御神水

長浜八幡宮(ながはまはちまんぐう)

滋賀県長浜市に鎮座。御祭神は足仲彦尊(タラシナカツヒコノミコト)、誉田別尊(ホンダワケノミコト)、息長足姫尊(オキナガタラシヒメノミコト)の三柱です。誉田別尊(ホンダワケノミコト)は、第15代応神天皇(おうじんてんのう)のこと。足仲彦尊(タラシナカツヒコノミコト)は第14代仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、息長足姫尊(オキナガタラシヒメノミコト)はその皇后である神功皇后(じんぐうこうごう)のことですから、第15代応神天皇(おうじんてんのう)とそのご両親が祀られているのですね。1069年(延久元年)に、源義家公(みなもとのよしいえ)が、京都の岩清水八幡宮から分霊して創建されました。御神水は境内の放生池のそばでくむことができますよ。

アクセス

公共交通機関を利用する場合
JR西日本北陸本線長浜駅下車、徒歩約10分

自動車を利用する場合
北陸自動車道長浜IC下車、県道265号、37号経由、約20分

和歌山県の御神水

熊野那智大社別宮飛龍神社(くまのなちたいしゃべつぐうひろうじんじゃ)

和歌山県東牟婁郡に鎮座。御祭神は大己貴神(オオムナチノミコト)です。初代神武天皇(じんむてんのう)が即位前に那智の浜に上陸した時、光り輝く山を見つけて分け入り、見つけた那智滝(なちのたき)を大己貴神(オオムナチノミコト)が現世に現れた姿として祀ったのが、那智大社の創建の由来。国の名勝に指定されている滝そのものが御神体で、社殿がなく、滝をそのまま拝みます。拝観料を納めて滝のそばまで行けば、延命長寿の効能があると言われる御神水をいただくことができますよ。ぜひ、ペットボトルを持参しましょう。

アクセス

公共交通機関利用の場合
JR西日本紀勢本線紀伊勝浦駅下車、熊野交通バス那智山行乗車、バス停那智山下車、徒歩約
10分

自動車利用の場合
那智勝浦新宮道路那智勝浦IC下車、県道46号経由、約17分

大阪府の御神水

水無瀬神宮(みなせじんぐう)

大阪府三島郡に鎮座。御祭神は第82代後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)、第83代土御門天皇(つちみかどてんのう)、第84代順徳天皇(じゅんとくてんのう)の三柱です。1240年(仁治元年)、後鳥羽上皇の離宮だった場所に、承久の乱で敗れ、隠岐に流されてそこで崩御した後鳥羽上皇の遺言で、御影堂(みえいどう)を建立したのが創建の由来。境内の「離宮の水」は、1985年(昭和60年)に大阪府内でただひとつ全国名水百選に選ばれた天然水ですよ。午前6時から午後17時まで御神水をいただけますが、1回の取水は最大20リットルまでとなっています。御神水をいただく場合は、マナーを守ってくださいね。

アクセス

公共交通機関利用の場合
阪急電鉄京都線水無瀬駅、JR東海東海道本線島本駅もしくは山崎駅下車、徒歩15分

自動車利用の場合
名神高速道路大山崎IC下車、国道171号経由、約6分

兵庫県の御神水

柿本神社(かきもとじんじゃ)

兵庫県明石市に鎮座。御祭神は柿本人麻呂朝臣(かきのもとのひとまろ)です。887年(仁和3年)に、明石の僧侶の夢に柿本人麻呂が現れ、寺の裏にあった塚が人麻呂の墓だと悟り、その上に祠を建てて祀ったのが創建の由来。播磨三名水(はりまさんめいすい)のひとつで、長寿の効能があると言われる亀の水は、西の鳥居のそばにあります。参拝したら、地元の方がくみにくる天然水をぜひいただいてくださいね。

アクセス

公共交通機関利用の場合
JR西日本山陰本線人丸駅下車、徒歩約5分

自動車利用の場合
第二神明道路大蔵谷IC下車、県道366号経由、約10分

まとめ

御神水として、天然の湧き水や地下水をいただける関西地方の神社の代表的な神社をお伝えしました。

御神水をいただく時に、一度に取水できる量を制限している神社もあります。

御神水は、マナーを守って、神社や他の参拝客に迷惑がかからないようにいただいてくださいね。

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