「龍山寺(ロンシャンスー)」のおみくじを解読・解説【1~10番】

台湾の人気観光スポットでもある龍山寺(ロンシャンスー)は、おみくじが有名。

ただ日本人にとっては、読みにくいものになっています。漢字が羅列されていて、日本のおみくじとは雰囲気が大きく異なりますからね。

今回はこの中国語で書かれたおみくじについて、わかりやすい日本語で解説していきます。

 

龍山寺のおみくじはどんな構成

龍山寺のおみくじの構成は、左からおみくじ番号と吉凶のランク、聖意と書かれている個別の運気、漢詩、関連する歴史上の人物と故事成語という順番に並んでいます。

吉凶のランクだけを気にしがちですが、一番大切なことは漢詩に書かれています。

この漢詩、「起句⇒承句⇒転句⇒結句」からなる七言絶句という形がとられていて、非常に深い意味を感じられるお言葉となっています。このサイトでは、この部分についてわかりやすい日本語でお伝えしていきます。

番号が見つからない方は以下の目次を参考に探してみてください。

 

おみくじはいくつある?

龍山寺のおみくじは全部で100種類あります。

その中でも第一首は「天王籤」と呼ばれる最高の運気を示すものとなっています。

おみくじのランクについて

日本のおみくじと同様に龍山寺のおみくじにもランクがあります。全部でなんと16種類。

上上>上吉>大吉>上>上中>上平>中吉>中上>平上>中>中中>中平>平中>平>平平>下下

以上の順になります。

龍山寺のおみくじ解読

 

第一首

『上上』

天開地闢結良緣
日吉時良萬事全
若得此籤非小可
人行中正帝王宣

聖意

交易 成交
婚姻 成合
求財 秋冬
自身 秋冬吉
家宅 祈保
六畜 興旺
田蚕 良好
尋人 得見
行人 得至
六甲 生男
山玟 向吉
訟詞 吉利
疾病 送鬟
失物 東方
移徒 吉昌

故事

宋太祖黃袍加身

急速非速言來時値観音降事報興君知比籤天地開闢之象凡事大吉利也

 

意味を確認する

このおみくじを引いた方は、天と地が最初に生まれるような素晴らしい時期にあります。非常におめでたい吉祥の時で、全ての事柄について準備ができている状態にあります。このおみくじは本当にすごい運気に恵まれている兆候。慎み深く正しく生きていれば、目上の方からのひきたてもあり成功するでしょう。

宋太祖:北宋の初代皇帝趙匡胤ちょうきょういん

黃袍加身:皇帝の象徴である黄色の衣服を着させることから、ある分野で王となる資質が備わったということを表します。

 

第二首

『中』

鯨魚未化守江湖
未許升騰離碧波
異日崢嶸身變態
從教一躍禹門過

聖意

交易 無利
婚姻 難合
求財 欠利
自身 還■
家宅 不安
六畜 不利
田蚕 吉利
尋人 見
行人 平安
六甲 來福
山玟 吉
訟詞 和
疾病 祈保
失物 東方
移徒 吉

故事

姜太公渭水垂釣

意味を確認する

このおみくじを引いた方は、目的のものはまだ時期ではないという兆候。今は地盤を固めることを考えましょう。上を目指すためには、今あるものを手放してはいけません。焦らず時が来るのを待てば、あなた自身成長しますし、環境もいまより良くなります。タイミングがくるまでは、自己成長をして進む時期を待ちましょう。

姜太公じゃんたいこう:中国の周王朝の建国伝説に登場する名将

渭水垂釣:魚が釣れようが釣れまいが渭水という川で釣り糸を垂れて一日のんびりと過ごしたい気持ち

第三首

衝風冒雨去還歸
役役勞身似燕兒
啣得泥來呈疊後
到頭疊壞復成泥

聖意

交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒

故事

燕將獨守聊城
昌國君獨守聊城

意味を確認する

このおみくじを引いた方は苦労する状況が長く続き、良くなったかと思えばまたぶり返すようば状態になっています。これはまるで燕が日々苦労する姿に似ています。泥を塗り固めて巣をつくったとしても、壊れたまた泥になってしまうような状態です。

今何か行動しているとしても、なかなか形にならずもどかしい思いをしているかもしれません。最終的に無意味に終わってしまったり、努力が無駄になってしまったり。一方で手を抜くこともできず、苦労が多いという兆候です。

第四首

『中中』

菱花鏡破復重圓
女再求夫男再婚
自此門閭重改換
更添福祿與兒孫

聖意

交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒

故事

長樂老歷相五代

意味を確認する

ひし型の鏡が割れて、直したところ丸くなって帰ってきた。喧嘩で別れた男女が再婚する。家の裏庭も一度壊してから、新たに作り変えたもの。こうして、幸せと子孫というのは増えていくものなのです。

 

第五首

『中平』

一鋤掘地要求泉
努力求之得最先
無意俄然遇知己
相逢攜手上青天

 

聖意

交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒

故事

 

意味を確認する

燕昭王為郭隗築黃金臺。

 

 

龍山寺のおみくじの作法

実は龍山寺のおみくじは、引く際にしっかりとした作法があります。観光ガイドがいる場合には説明を受けると思いますが、これを守ることでしっかりと神様とつながることができるとされています。

日本のおみくじも参拝してから引くものですよね。これに加えて面白い工程が入っているのが特徴になります。

STEP1 名前と個人情報を伝える

おみくじを引く前に、名前、住所、生年月日を神様に伝えましょう。

心の中で「私は〇〇といいます。住所は~」とはっきりと自分がどこから来たのかを唱えてください。

STEP2 聞きたい事を伝える

さらに、今回のおみくじで聞きたい事について神様へ相談します。

心の中で告げてから、聞きたいことを唱えます。

STEP3 おみくじの許可を得る

そして、「おみくじを引くタイミングなのか」について神様に聞きます。具体的には半円状の赤い木を2つ下に投げて、表裏のどちらを向いたかによって占います。この赤い木は神杯(シャオベイ)という名前。ちょうど「日本の明日天気になぁれ」に似ていますね。

投げた木のパターンと結果は以下のようになります。

  • 「表と裏」⇒おみくじを引いて良い
  • 「表と表」⇒今日は引かない方が良い
  • 「裏と裏」⇒神様に聞かない方がいい質問です

という意味になるそう。ちなみに丸みのある方が表側、平べったい面が裏側となります。

ただ、表と表、裏と裏となった場合でも、その日のうちはもう2回程チャンスがあると考えている方も多いようです。その場合には、STEP1の名前と住所を伝えるところから始めてください。全部で3回やっても、おみくじを引かない方がいいとなったら、その日はおみくじを引けません。

本来は3回連続で表と裏が出て初めて、おみくじを引くことができたそう。個人的にもやり直しはなしで、一度目の結果を重視する方が神様にたいして謙虚な姿かなと感じます。

 

龍山寺アクセス

台北の龍山寺へのアクセスは、地下鉄MRTの板南線(青ライン)で「龍山寺駅」下車、龍山寺駅からは徒歩3分ほどで龍山寺に到着します。

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