神社でご祈禱を受ける時に、神主さんが祝詞を上げてくれます。この祝詞とお寺のお経は何が違うのかを解説していきます。
祝詞は言霊信仰によるもの
日本では古来より発する言葉に魂が宿ると信じられてきました。これを言霊信仰といいます。
良い言葉を出すことによって、良いできごとが起こりやすくするという手法ですね。6月と12月に奏上される大祓祝詞は、たまった穢れをきれいに浄化するための言霊がつまったものということになります。
言霊は一種の呪文のようなパワーがあると考えられてきた歴史があります。
祝詞とは簡単にいうと、神職の方がお祀りする神様を崇める文章を読み上げ、ご加護を願うというものです。厄払いであったり、健康であったり、商売繁盛であったりと必要なご加護によって祝詞に使われる文言が変わります。
お寺のお経は仏の教え
一方でお寺で僧侶が唱えるお経は、実は仏の教えを説いたものです。世界の成り立ち出会ったり、仏様を敬うことによるご利益であったり、心の整え方であったり、数多くの種類があります。
神社の祝詞が神様への感謝と願いであったのに対して、お経は教科書ということですね。
祝詞の音も大切
神様との対話の手段である祝詞「のりと」ですが、「のり」とは『祈りの「のり」』に通じています。さらに『乗る』という神様の御霊が人に降りてきた状態を示すともされています。
御霊が祝詞の奏上をしている神職の方と同一となるため、神様に働きかける霊力が宿るということです。
独特の読み上げも意味がある
音が大切という点は祝詞の発声法にも現れています。
神職の方は徐々に声を高くする独特の声の出し方で祝詞を読み上げます。この発声も言霊が響くようにという工夫があるとされています。
古くからのこの読み上げ方がきっと神様の世界とのつながりをもたらす儀礼となっているのですね。