拍手(かしわで)とは、神社参拝のときに拍手を打つという行為になります。
神様を拝む時になぜ手をパンと鳴らす必要があるのかという疑問について、今回は解説していきます。
拍手の意味とは
神社において拍手を打つのは、神様と出会えたことを喜び、敬意を表す意味を表すためです。
手をパンと鳴らす動作は、嬉しい時や感動したときなどに無意識に出る動きになります。音楽を鑑賞した後や演劇の終わった後に拍手をしますが、相手に対する敬意を含んだ行為ですね。
もともと拍手のルーツは、魏志倭人伝にすでに日本人が古くから貴い肩に対面すると手を打ち鳴らしていたことが書かれており古代から行われていた文化であるとことがわかっています。この古代からの文化が神道に取り入れられた結果、現在の拍手の行為が神社参拝に使用されているのです。
ちなみに世界にある色々な宗教をみても、神様へ拝礼するときに手を打ち鳴らすという行為は日本にしかそうです。
拍手の正しい打ち方
拍手はルールが明記されていないために、皆思い思いにやっているかと思います。
神社で手を打つときの正しい作法としては、掌を合わせたときに右手の指先を左手の第一関節と第二関節の間にまで下げて打つようにするのが良いです。
これは神道において左手を「陽」、右手を「陰」として考える考え方があり、右手を手前に引いておくことで霊体である陽を上位として、体を表す陰をへりくだった作法になるためです。
また、気をつけたいのは手を打ち鳴らす時です。
大きな動作でパチンパチンと打つようにしましょう。手を緩めて普通の拍手(はくしゅ)のようにしないように。
昔とある霊能者が女性は神社で拍手を打たないという情報をテレビで行っていたようですが、これは誤りです。女性もしっかりパンと音を出す拍手で神様に敬意を表しましょう。
勉強になるYouTube動画
神社参拝について非常にためになる動画がありますので、紹介しておきます。伊勢神宮の公式チャンネルですが、手水の作法から参拝の作法まで非常に丁寧に説明してくれています。
拍手の回数について
神社参拝のときの拍手の数は2回というのが現在一般的な方法です。
拝殿で賽銭箱の付近に「二礼二拍手一礼」と書いてあるのを見たことがあるでしょう。神社によっては独自の回数を指定しているところもあります。
例えば、出雲大社(島根県大社町)、宇佐神宮(大分県宇佐市)、弥彦神社(新潟県弥彦村)では「2礼4拍手1礼」という作法が指定されています。ただ、私個人としては感謝の心を持っていれば、4拍手が2拍手になったからといって神様が挨拶を受け付けないということはないと思いますので間違っても仕方がないと思っています。
特殊な柏手について
特殊な拍手というのも中には存在します。
ひとつは「忍手(しのびて)」です。これは神道のお葬式にあたる「神葬式」で用いられる拍手で、音を立てないようにして打つという特徴があります。
また、お祭の後の宴会である直会のときに一回だけ手を打ち鳴らす「礼手(らいしゅ)」という作法もあります。ちなみに飲み会が終わった時に「1本締め」という終わり方をしている方も多いかと思いますが、これはこの神社の作法がルーツになっているのですよ。