神明神社と石神さん(三重県鳥羽市)は女性の願いが叶うといわれる女子旅人気のスポット

神明神社(石神さん)はどんな神社?

三重県鳥羽市に鎮座する神明神社。

天照大神(アマテラスオオミカミ)が祀られた、全国各地にある神明神社のひとつです。

しかし鳥羽の神明神社にいらっしゃるのは、天照大神(アマテラスオオミカミ)だけではなく、摂社を含めると合計25柱の神さまがいらっしゃるのだとか。

その中でも、とりわけ有名なのが石神さん。

地元の海女さん(あまさん)たちから「石神さん(いしがみさん)」として親しまれ、女性の願いをひとつだけ必ず叶えてくださると言われる女神さまがいらっしゃるのですよ。

叶えたい願いや目標がある女性が一度はお参りすると良い神社・・・それが、鳥羽の神明神社と石神さんです。

神明神社と石神さんの御祭神

神明神社の御祭神:天照大御神(アマテラスオオミカミ)

鳥羽の神明神社も全国各地にある神明神社と同様に伊勢神宮の内宮を総本社とする神社。

相殿:天之忍穂耳命・天之菩日命・天津日子根命・活津日子根命・熊野久須日命・多紀理比賣命・市寸嶋比賣命・多岐津比賣命・伊奘諾命・伊奘冉命・素戔嗚命・鸕鷀草葺不合命・綿津見命・玉依比賣命・天児屋根命・猿田比古命・蛭子命・大巳貴命・倉稲魂命・手摩乳命・脚摩乳命・大山祇命・譽田別命・崇徳天皇・菅原道真

石神社の御祭神:玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)

こちらの神社では女性の願いをひとつだけ叶えてくださるとされて人気があります。

御祭神に関する神話

石神さんに祀られている玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)。

高天原から天下りをした邇邇藝命(ニニギノミコト)には、火照尊(ホデリノミコト)、火折尊(ホオリノミコト)、天火明命(アメノホアカリノミコト)という3人の息子がいました。

火照尊は釣りが得意で海幸彦、火折尊は狩りが得意で山幸彦とも呼ばれていたのです。

ある日、兄弟は道具を交換し、火照尊は山で狩りを、火折尊は海で釣りをすることにしました。

ところが火折尊は、兄から借りた釣り針を無くしてしまったのです。

火照尊は怒り狂い、弟を許そうとはしません。火折尊は剣から釣り針を作ってそれで許してもらおうとしますが、それでも許してもらえませんでした。

浜辺で途方にくれ、泣き叫んでいた火折尊は、塩椎神(しおつちのかみ・潮の流れの神さま)に「どうしたのですか」と声をかけられます。

事情を話すと、塩椎神)は小舟に火折尊を乗せ、海の神様・綿津見神(ワタツミノカミ)の宮殿に行くように告げたのです。

綿津見神には、豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)と玉依姫命という2人の娘がいました。宮殿に現れた火折尊を見た豊玉姫命は、その姿に一目惚れします。

綿津見神も火折尊が邇邇藝命の子のひとりだとひと目で気づき、豊玉姫命と結婚させたのです。それから火折尊は3年間、綿津見神の宮殿で楽しく幸せに過ごしました。そして3年後、自分が海の宮殿に来た理由を思い出した火折尊は綿津見神に事情を打ち明けます。

すると、綿津見神は魚たちを集め、釣り針を持っているものはいないかと聞きました。鯛の喉に引っかかっていたので、釣り針をとってやり、火折尊に渡します。

その時に、鹽盈珠(しおみちのたま)・鹽乾珠(しおひのたま)も一緒に渡し、兄に釣り針を返す時にこう唱えながら渡しなさい、と伝えました。

その言葉は呪いの言葉で、兄が攻めてきたら鹽盈珠で溺れさせ、許しを乞うたら鹽乾珠で助けてやりなさい、とも伝えたのです。

こうして、地上に戻った火折尊は綿津見神に言われた通りの言葉を言いながら、火照尊に針をかえしました。その後、綿津見神の呪いで、田んぼを作っても火照尊はどんどん貧しくなっていきます。

怒って火照尊は火折尊を攻めますが、鹽盈珠で溺れさせられ、ついには根負けしてこれからは火折尊を守ると約束したのです。

一方、妊娠していた豊玉姫命は、天下りをした邇邇藝命の孫に当たる子供を海の中で生むわけにはいかず、地上にあがってきました。産屋の屋根を作っている最中に産気づいてしまい、火折尊に「決して中をのぞいてはいけません」と言い渡し、産屋の中に入ります。

「のぞくな」と言われたのを不思議に思っていた火折尊は、妻が出産の痛みで大声を上げるのを聞き心配になり、約束を破って産屋の中をのぞいてしまったのです。

すると、豊玉姫命が本来の姿・八尋和邇(やひろわに)に戻ってのたうち回っており、それを見た火折尊は驚いて逃げてしまいました。無事に子供を産み終えた豊玉姫命は、本来の姿を見られたことを恥じながら、子供を置いて海に帰ってしまいます。

しかし子供の面倒を見てもらうために、自分の代わりに妹の玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)を地上に送りました。こうして、生まれた子供は天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎさたけうかやふきあへず)と名付けられ、叔母・玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)に育てられます。

成長後、育ての親・玉依姫命と結婚して4人の子供をもうけました。末の息子・彦火火出見尊は、初代・神武天皇です。玉依姫命は皇室の祖先のひとり、というわけですね。

姉・豊玉姫命の子を育てたことから、安産、子授け、子育てなどにご利益があり、またとても美しい女神さまであることから、女性の美しさを守るご利益があると言われています。だから、石神さんは女性の願いを叶えてくださるのですね。

神明神社と石神さんの歴史は?

神明神社境内にある石神神社が有名になっていることもあり、御祭神が違います。

それぞれに歴史が違う可能性があるので、調べてみました。

神明神社の歴史について

鳥羽の神明神社の創建の由来は、実ははっきりとしていません。

江戸時代以前は、神明八幡宮という神社があったのだとか。この神明八幡宮がいつ創建されたのかはっきりとしていないのです。

現在の神明神社は、1909年(明治42年)に神明八幡宮の境内にあったいろいろな摂社と末社が合祀され、現在のかたちになりました。

石神さんの歴史について

女性の願い事をひとつだけ叶えてくださる石神さんの由来も、古来より、鳥羽の海女たちの信仰を集めていたと言われていますが、はっきりとはしていません。

1823年(文政6年)に出版された書物に、神明八幡宮とともに、石神社という名前が記録されています。

この石神社は、おそらく石神さんのことでしょうから、1823年以前にすでに鳥羽に石神さんが祀られていたということでしょう。

神明神社と石神さんの参拝順路

神明神社と石神さんに参拝する場合は、まず神明神社に参拝をしましょう。天照大神(アマテラスオオミカミ)にご挨拶するのが先です。

それから石神さんにお参りするようにするのが、良い参拝の順番となります。また、石神さんにお願い事をして成就したら、お礼参りを忘れずにおこないましょうね。

神明神社と石神さんの見どころとパワースポット

神明神社の本殿横に、御神木の枯れ木があります。元々は大きな楠木だったことがわかる、長寿の木。撫でるとご利益があるそうですから、健康長寿を願って優しく触れると良いですよ。

神明神社

2013年に建てられたという新しい神明神社の本殿です。

日本で二番目に大きいと書かれたおみくじがあります。なかなか上手く出ないのもまた楽しくなるものでした。

ひとつ引くのに3分以上フリフリして、いい運動になりましたよ。

石神さん(石神社)

備え付けの祈願用紙にひとつだけ願い事を書きます。専用の紙と鉛筆が机にあるのでそちらで記入しましょう。

祈願用紙に願い事が書けたら、御神体まで進み(60センチくらいの大きな石です)の前にある願い箱の中に捧げましょう。石神さんが願い事を叶えてくださるよう、心を込めて祈りましょう。

手水舎

大きく立派な岩を加工して作られた手水舎。庭園をイメージするように岩や草が配置されています。

薬師堂

神社境内にお寺がある、神仏習合時代そのままの形を残しています。

 

ドーマン・セーマン

御札の入っているお守りの袋や神社の入り口などいたるところに、海女の「魔除け」となるドーマン・セーマンが描かれています。

セーマンは平安時代の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)の家紋でもある、五芒星。一筆書きで必ずもとの場所に戻ってくることから、海女さんたちが無事に海から帰ってくることを願ったことに由来しているのだそう。

ドーマンは晴明のライバルだった芦屋道満(あしやどうまん)に由来するもの。陰陽道や密教で、化け物を退治するときに、「臨兵闘者皆陣烈在前(りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん)」と唱えながら空中に切る九字が描かれています。

海の中で魔物に引きずり込まれないようにという願いが込められているのだそうです。

山乃神

神明神社(石神さん)周辺

神明神社と石神さんの参拝を終えたら、すぐそばのカフェに立ち寄るのがおすすめ。

昭和初期に建てられた古民家を改装した「海女の家 五左屋」は、1階でみやげ物のショップ、2階がカフェになっています。

五左屋のイチオシメニューはところてんだそうです。ぜひ、味わってくださいね。

神明神社(石神さん)へのアクセス

・公共交通機関を利用する場合

JR東海参宮線・近鉄鳥羽線・志摩線鳥羽駅下車、徒歩3分の鳥羽バスセンターよりかもめバス国崎行き乗車40分、バス停相差(石神さん前)下車徒歩10分

*片道600円かかるので、かもめバスは一日乗り放題の周遊券(1000円)を購入するとお得です

・車を利用する場合

伊勢二見鳥羽ライン鳥羽出口より国道167号、県道47号経由約30分

 

 

まとめ

三重県鳥羽市に鎮座する神明神社。全国各地にある神明神社のひとつで、ご祭神は天照大御神(アマテラスオオミカミ)。さらに境内には、摂社・末社を含め、25柱の神さまが祀られています。

境内には立派な御神木が立っており自然の力強さを感じます。

また、石神社(石神さん)があり、こちらの神社では女性の願い事をひとつだけ、必ず叶えてくださるといわれ非常に人気があります。

なにか大きな目標や願い事を持っているなら、一度お参りすると良いですよ。願い事が叶ったら、必ずお礼参りをしてくださいね。

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