御穂神社(静岡県静岡市)美保の松原の天女伝説とも関連のある神社

御穂神社とは?


静岡県静岡市に鎮座する、御穂神社(みほじんじゃ)。

富士山とともにユネスコの世界文化遺産に指定されています。

境内からまっすぐに伸びた神の道を海に向かえば、青空の中にそびえ立つ美しい富士山と青い海を見ることができる三保の松原が広がります。

御穂神社には、天女の衣の切れ端が残されていますよ。

天女の伝説が残る、美しい景色に恵まれた穏やかな神社・・・それが、御穂神社です。

御穂神社の御祭神

大己貴命(オオナムチノミコト)
三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)

こちらの2柱の神様は夫婦神となります。主祭神が夫婦神の御穂神社のご利益は、夫婦和合が有名ですよ。

御祭神の神話について

大己貴命は、代表的な国津神である大国主命(オオクニヌシノミコト)の別の名前です。

国譲り神話で天照大御神(アマテラスオオミカミ)から葦原中国あしはらのなかつくにを譲るように言われた大国主命は、使いの神と戦って交渉したのちに国を譲り、死後の世界である幽冥界ゆうめいかいの主となりました。

一方、三穂津姫命は、大国主命の妃で、高皇産霊命(タカミムスビノミコト)の娘です。

国譲りののち、高皇産霊命から

「国津神から妻を迎えず、私の娘を妃として迎え、永遠に皇孫をお守りするように」

と言い渡された大国主命は、言いつけのとおり、三穂津姫命を妻に迎えました。

御穂神社の歴史

御穂神社の創建の由来は、はっきりわかっていません。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が社領を寄進して創建されたとも、出雲国(いずものくに)から遷座されたお社だとも言われていますが、史料が残っていないため創建の詳細は不明です。

865年(貞観7年)に書かれた史料に、御穂神社の神さまの神階(神さまに授けられた位)が上げられたという記述があることから、平安時代には御穂神社が信仰されていたのは間違いないでしょう。

創建の時期は不明でも、御穂神社は1000年以上の歴史を持つ古いお社です。

御穂神社の天女伝説

日本各地に残る天女伝説。

その多くは、水辺で美しい女性が水浴びをしているのに見とれた男性が、天女の羽衣を隠してしまうというもの。

羽衣を隠された天女は天に帰ることができず、仕方なく男性と夫婦になり、子供を生みますが、隠してあった羽衣を見つけ、夫と子供を残して天に帰ってしまいます。

皆さんも読んだことがあるのでは?

ところが、御穂神社に残る天女伝説は違うのです。

ある日、三保の漁師が松の枝にかけてあった美しい衣を見つけます。

持って帰ろうとすると、「それは私の衣です。どうかお返しください」と美しい女性が懇願してきました。

しかし、漁師は返そうとしなかったので、「天女である私は、羽衣がなければ天に帰れません」と泣き出してしまったのです。

気の毒に思った漁師は、天女の舞を見せてもらうことを条件に羽衣を返そうと考えたのですが・・・。

羽衣を返した途端に、天に上ってしまうつもりだろう、と疑いの心を抱いてしまいました。

すると天女は「そのような疑いは人間のもので、天には偽りなどありません」と漁師を諭します。

これを恥じた漁師は羽衣を天女に返したのです。

すると、羽衣を身にまとった天女は、約束どおりにこの世のものとは全く違う、得も言われぬ美しい舞を披露して天に帰っていきました。

御穂神社には天女の羽衣の切れ端が残されていますが、このときに残されたものだと言われています。

御穂神社の天女伝説は、世阿弥の謡曲「羽衣」の元となり、演目中の天女のうたい「いや疑ひは人にあり、天に偽りなきものを」はとても有名。

毎年10月には、天女伝説のもととなった羽衣の松の前で、「羽衣」が薪能(たきぎのう、野外で薪をたきながら行う)で演じられています。

御穂神社の周辺の見どころ

三保の松原にある天女伝説の元となった羽衣の松は、御穂神社の御神体。

大己貴命(オオナムチノミコト)と三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)が、地上に降り立つときの依代になる木だと言われています。

三保の松原から真っすぐ伸びる神の道を、500メートルほど歩くと御穂神社の境内。

御穂神社の社殿は徳川家康公(とくがわいえやす)が、江戸時代初期に整備させたものでしたが、火災で焼失してしまい、現在の社殿は江戸時代中期のもの。

静岡市の指定文化財ですから、参拝の際にはぜひじっくりと見学させていただきましょう。

御穂神社を参拝したあとは、少し足を伸ばせば久能山東照宮くのうさんとうしょうぐうにも参拝できます。

また、御穂神社周辺には、弥生時代の集落・登呂遺跡と博物館、東海大学の海洋博物館と自然史博物館などユニークな博物館がたくさん。

さらに、プラモデルで有名な田宮模型では、工場見学をすることも可能です。

美味しい海の幸がとれる駿河湾に面した都市である静岡市では、季節には生しらすや生桜えびの握りを食べられるお寿司屋さんも数多くありグルメもばっちり。

久能山は近くてオススメ

また、御穂神社から久能山東照宮へ向かう国道150号線は、通称「ストロベリーロード」として知られる道。

150号線沿いに、数多くの石垣いちごの栽培農家が観光農園を経営し、いちごの季節にはいちご狩りを楽しめます。

御穂神社の周辺は、たくさんの楽しめる観光スポットがありますから、参拝のあとはぜひ、静岡観光を楽しんでくださいね。

御穂神社へのアクセス

・公共交通機関を利用する場合

JR東海東海道本線清水駅下車、静鉄バス「三保山の手線」系統乗車約23分、バス停「三保松原入り口」下車、徒歩約3分

・車を利用する場合

東名高速道路日本平久能山IC下車、国道150号経由約20分、もしくは清水IC下車、しみずマリンロード経由、約25分

*いちごの季節(12月中旬〜5月上旬)は国道150号が大変混雑するので、清水IC経由をおすすめします

まとめ

静岡県静岡市に鎮座する御穂神社。1,000年以上の歴史を持つ歴史ある神社です。

天女が羽衣をかけた伝説が残る三保の松原では、毎年10月に、伝説が元になった薪能たきぎのうが奉納されています。

境内から三保の松原に伸びる神の道を歩けば、晴れた日には美しい富士山と海をみることができますよ。

とても気持ちのよい神社ですから、一度参拝してみてはいかがでしょう?

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