日本各地にある全ての山を司る神が大山津見神です。神話の中で直接に活躍する場面はないものの、有名な神様の父親であり、神様の系譜を確認してもかなり初期のころに生まれた神様であり非常に山の多い日本にとって重要であることは間違いない。
山の神様であるために、国土の安全や森や山で仕事をされる方の守護神として厚い信仰がなされることが多いです。
大山津見神はどの神様の父親なの?
『古事記』では、神産みにおいて伊邪那岐命と伊邪那美命との間に生まれた大山津見神であるが、多くのを生んでいる。
大山津見神が生んだ神様として最も有名なのが、天孫邇邇芸命と結婚することになった木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)とその姉である石長比売(イワナガヒメ)でしょう。
邇邇芸命に木花之佐久夜毘売と結婚したいという話を聞いて、石長比売を一緒にめとってくれるように差し出したものの、見た目が不細工という理由で石長比売が返されてしまった神話が残っている。この時に大山津見神は邇邇芸命に対して、花のように繁栄するようにと誓約を立てたから姉妹揃って嫁に取ることを勧めましたが、石長比売を返したことで天孫の寿命は短くなることを告げた。
これによって現在人間の寿命は100年程度となったという神話ですね。
他にも有名な神様を生んでおり、草と野の神である鹿屋野比売神(野椎神)との間に
天之狭土神(アメノサヅチノカミ)・国之狭土神(クニノサヅチノカミ)
天之狭霧神(アメノサギリノカミ)・国之狭霧神(クニノサギリノカミ)
天之闇戸神(アメノクラトノカミ)・国之闇戸神(クニノクラトノカミ)
大戸惑子神(オオトマトヒコノカミ)・大戸惑女神(オオトマトヒメノカミ)
四対八柱の神を生んでいますし、須佐之男命(スサノヲノミコト)の妻となる櫛名田比売(クシナダヒメ)の両親である、足名椎命(アシナヅチ)と手名椎命(テナヅチ)も大山津見神から生まれたとされています。
須佐之男神と櫛名田比売の子の八島士奴美神の妃である木花知流比売(コノハナルチルヒメ)も大山津見神の娘。
名前の由来について
名前の語源についてはオオヤマは漢字の通り大いなる山、「ツ」は「の」、「ミ」は神霊の意味を持つため、「オオヤマツミノカミ」は「大いなる山の神」という意味があるとされる。
別名
和大山積神、大山祇神、
大山祇御祖命 おおやまつみのみおやのみこと
和多志大神 わたしのおおかみ
酒解神 さかとけのかみ
酒造の祖ともいわれるが、これは娘であるコノハナサクヤヒメが出産に成功した時にお祝いのお酒を贈ったことによる。このお酒は天孫が持ってきた最初のお米から作られたものだったそう。これによって酒造りの基礎を作った神として祀られている。
大山津見神のご利益
山林守護
漁業守護
鉱山業守護
主な神社
大山祇神社 愛媛県今治市大三島町宮浦
三嶋大社 静岡県三島市大宮町2-1-5
梅宮大社 京都府京都市右京区梅津フケノ川町30
入登山神社 長野県下伊那郡下條村大字陽皐3898-2
厳島神社 境内 大元神社 広島県廿日市市宮島町1-1
大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)