自分は普通にしているだけなのに「感情がわかりにくい」と言われてしまう。感情を伝えるために頑張って表情に出そうとすると今度は「わざとらしい」と指摘される。いったいどうしたら人を不快にさせない表情を作れるのだろう、自分の感情をどうやって表情に出せばいいのだろうと悩んでいる人は多いのです。実はいつも笑顔の素敵なあの人も表情を作るための努力をしている可能性もありますよ。豊かな表情を手に入れるためにはコツがあります。
わざとらしい表情って言われてしまう人へ
表情がかたく感情がわかりにくいのには理由があります。周りから指摘されたことのある人は、無理に表情を作ろうとして更に「わざとらしい」「あざとい」「怖い」などの悪い印象を与えてしまうという悩みを持っている人も少なくありません。
実はこの悩みは、理由をしっかりと整理していくだけでで改善策が見えてくるものなんです。
表情が上手に伝わらない理由
単純に言えば表情がかたい原因は「表情筋」が的確に動かないことです。表情筋とは笑顔や不快などの表情を作るための筋肉。この表情筋が動かない理由を把握することが大切になってきます。
子供時代の習慣
子供の頃からの生活環境の中で感情を表に出さないことが癖になっている人は、表情筋を使う習慣が無く筋肉が固まっています。人と対話するとき緊張してしまうことで表情筋が硬直するという人がいます。
視力が弱い
視力の関係で目を細めたり眉間にシワを寄せたり目の周りや額の筋肉の使い方に特定の癖がついていることもあります。
口呼吸している
鼻炎で口呼吸が習慣になっている人は口を開けた状態が固定化している場合も。本来、感情に合わせて動くべき筋肉が上手に使えない状況になっているのです。
「目」「口」「眉毛」 表情を豊かにする3つのパーツ
顔の中でも表情を豊かにする上で重要なパーツがあります。「目は口ほどにものを言う」とことわざになるほど重要な「目」。微笑む時に「口角を上げる」と言うように「口」。もう一つ忘れてしまいがちですが「眉毛」、これら3つのパーツです。
例えば長い前髪で眉毛が隠れていたりすると表情は伝わりにくくなります。口元を動かして笑っても併せて眉毛と目を動かすことが出来ないと「笑顔が嘘くさい」とか「目が笑っていない」と指摘されたりします。眉毛の印象は感情表現の大切な要素ですから、表情をしっかり伝えたい人はまず眉毛の見える髪型にする。女性に限らず男性も眉毛を整えるだけでも周りからの評価が変わるかもしれません。
表情筋を呼び覚ます「顔ヨガ」
普段から表情筋をほぐしそれぞれのパーツを柔軟に動かせるようになることが自然でわりやすい表情を作る近道です。表情筋のエクササイズはたくさんありますが、今回ご紹介したいのは顔ヨガ講師・間々田佳子先生の本「10秒顔ヨガ」を使う方法です。
顔ヨガはアンチエイジングや小顔といった美容法として注目されていますが、顔の筋肉をパーツごと動かして柔軟性を高めることで効果を得ているので、表情を自在に操るために必要な訓練が詰まっているのです。顔で踊るとも言われる情熱のアルゼンチンタンゴのダンサーだった間々田先生があみ出した顔ヨガで表情筋を呼び覚ましましょう。
「目」 ゴーグルプッシュ(10秒顔ヨガ・12頁~)
目の周りの筋肉を呼び覚ます顔ヨガです。
眉毛や額が一緒に動いてしまわないようにすること。動かすのは目の周りの筋肉だけ。意識するために、親指と人差し指で輪を作り(OKサインのように)眼鏡のように両目の周りにあてます。人差し指で眉毛をロックしてから目を5秒閉じてから、瞬時に大きくしっかり見開いて5秒。おでこにシワがよったり、眉間に皺が出来ないように目の周りだけ動かすことを意識して3セット行います。
(参考:「10秒顔ヨガ」p12~)
「口」 ①しゅわ~の顔と②おだんごロック(10秒顔ヨガ・14頁~)
口の周りの筋肉を呼び覚ます顔ヨガです。
目をしっかり見開いて口の周りと頬の筋肉を意識すること。目を見開いているとき眉毛が上がっておでこにシワが出来ないように気をつけましょう。
① 「しゅぅ」と息を吐きながら2秒唇を前に突き出してから瞬時に「わ~」と口を思い切り開いて3秒で息を吐き切ります。息を吸って計5秒で「しゅわ~」と吐き切るを1回。5セット行います。
② 頬を持ちあげる感覚で上の歯を見せるように唇を横に開き10秒にっこり笑います。次に持ち上げた頬の部分を親指と人差し指の輪でつかみ10秒持ち上げます。
(参考:「10秒顔ヨガ」p14~)
「眉毛」 眉当て目ワイパー(10秒顔ヨガ・32頁~)
眉毛の周りの筋肉を呼び覚ます顔ヨガです。
目を使うと眉の筋肉も疲れます。肩こりのように眉がこる様な状態に。筋肉をほぐして無駄な力を抜くとやわらかな表情を作ることが出来ます。
目を開いた状態で人差し指から小指までの4本を眉に沿うようにあてます。指で眉毛を軽く5秒間プッシュ。眉毛を押えた状態のまま眼球だけを動かします。4秒ほどかけてゆっくりワイパーのように右を見て上を通って左を見る。逆に左から上そして右へ。3往復行います。
(参考:「10秒顔ヨガ」p32~)
表情を作ってみる
表情筋を呼び覚まし、パーツを自在に操れるようになってもどんな顔が好感をもたれるのか、その場に合った表情はどんな顔なのか解らないという人もいます。柔軟になった表情筋を使っていろいろな顔に挑戦してみましょう。練習することで表情のレパートリーが増え、豊かな表情で自分の感情を伝えられるようになります。
モノマネをして表情の練習
気持ちを表に出して表現していく職業の代表格は「俳優」です。自分がステキだなと思う俳優さんの表情を真似してみましょう。好きなドラマや映画を一時停止して顔のパーツの位置を確認、鏡を見ながら自分も俳優になった気分で顔のパーツを動かしてみます。
ちょっと恥ずかしいという人は「顔文字」を真似てみましょう。顔文字は少ない線でいろいろな感情を表しています。表情のイメージを作るには最高の材料です。
( ^∀^) (﹡ˆᴗˆ﹡) にっこり
( •﹏• ) (゚Д゚;) びっくり
( •̀∀•́ )b
d(゚ー゚*) グッド!
(。 >﹏<。)
(´・ω・`) ごめんなさい
(。 ・д・)-д-) ふむふむ
(。 ・O・) ほほーっ
(o’ヮ’o) おぉ♪
いろいろあって面白いですよね。モノマネは楽しみながら自分にインプットできるので自然な表情に繋がっていきます。
言葉と連動させる表情の練習
寡黙で静かな人ほど感情が表に出ない傾向があります。また緊張して顔が固まってしまう人は、感情を表情に出せないだけでなく言葉に出すのも苦手ということも。社会生活の中では考えを言葉にすることも重要ですから、感情と言葉、言葉と表情を連携させて練習することも効果があります。
- 嬉しい感情を呼び起こし「やったー。」と言いながらにっこりと笑ってみる。
- 感心するように頷きながら「なるほど。」と言い目に力を込めてみる。
- 少し呆れてがっかりした感情で「まったく。」とつぶやいてみる。
- 鏡の中の自分に自己紹介する気持ちで「よろしく。」とあいさつをしてみる。
表情筋が柔軟に使えるようになると感情を言葉にすることで表情も追いついてくるのです。
まとめ
豊かな表情が身につくとコミュニケーションが円滑になるだけでなく、表情筋をしっかり動かすため老化防止にも効くのです。「わかりにくい」「わざとらしい」「あざとい」「怖い」「かたい」などネガティブなイメージを払拭するためだけに義務感で訓練するのは勿体ない。自分の素敵な未来のために楽しむ気持ちでトレーニングに取り組んでみて下さい。きっといい結果が得られますよ。