精神的な修行や様々な賢者と呼ばれるような先人の知恵を勉強している方が、ますます増えているようです。
世の中で広く知られるアーティストや、歴史に名を残している人物が実はみな同じ事を伝えようとしていたことに気付き始めていることでしょう。
いろいろな分野で長く言われていることのひとつに、仏教でいうところの「世界は自分の心によって決まる」という教えがあります。本当にそうだと実感できてきましたでしょうか。
今回は、このことが原因で他人を救いたいと思う優しい方にありがちな注意点をお伝えします。
他人をコントロールするのは不可能
精神的な勉強を始めると、他人を自分の力でどうにかできないということが分かってきます。
家族やお友達が、いつも同じような悩みを抱えていたとしても結局は自分の心の状態が変わらなかったら状況が変わらないのと同じですね。
このとき、優しさからアドバイスをすると思うのですが、ここでつい起こってしまうのが、
相手が変わらないことへのかなしみ
をもつということです。この悲しみは怒り、不満などの形で感じる方もいるかもしれません。
結局この不満の感情は、「自分と同じであるのが正解である」と考えるこだわりが生み出しているのです。他人を自分の正しい道へコントロールしようとしていることに気付きましょう。
アドバイスをしたらよりよくなって欲しいと思うのが人情。すごく理解できますし、優しいと思います。ただ、それと同時に相手を変えることは不可能だと、しっかりと心のどこかに持ち続けていないといけないのです。
経営者やカウンセラーのような対人のお仕事をされている方に起こりがちです。最初は他人は変えられないということを理解できていたように感じても、夢中になりうっかり頭から離れてしまうものなのですね。
自分が徳を積むためにアドバイスをしているという認識
他人のためにと思う優しさが、最終的に自分を苦しめる結果ってしまうという。
これでは誰かを幸せになる前に、自分の幸せを減らしてしまうことなってしまいます。皆が笑ってもらうために必要なこと。それは、「自分の気分が上がるように考える」。これしかないのです。
誰かを幸せにしたいと思うなら、それに対するアドバイスは「私って素敵」「これは徳を積んでいるんだ」「自分のためにやっている」という気持ちで行う必要があります。
この状態で、相談に乗ってあげられるのだとしたら、めぐり巡って手を差し伸べた相手を同じ精神状態に連れてくることができるのです。
長く日本では自分を犠牲にして、他人へ施すのが美しいとされてきているので、優しさを理由にした他人のコントロールはついやってしまいますよね。
自分の行動が最終的に、どんな感情になっているのかを一瞬ごとに確認することが大切ですよ。