神社に参拝する機会が増えたという方、多くなってきているようです。
神様が前よりも当たり前に生活に存在するようになってきている今、あらためて正しい神社の参拝方法を知っておいて欲しいと思います。
神社の基本マナーとして、
鳥居をくぐる時に一礼し、参道は真ん中を歩かず端を歩き、手水舎で手と口を浄め、本殿にお参りしたら、二礼二拍手一礼を行って心の中で願い事を唱える。それから、おみくじを引き、お守りや御札を買い、御朱印をいただく。
これらの有名なお作法と神社でいただけるものを真っ先に思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
でも、神社にお参りする際のお作法が上記のものだけでは、参拝の効果は薄くなっているかもしれません。今回はより神様とつながりやすくなる参拝方法を神社参拝の中級者以上向けにお伝えしてきます。
【参拝の準備1】身を浄め、整えてから境内に入る
新しい年を迎える前に、年末に美容院や床屋で髪の毛をきれいに整える方は多いと思います。
神社に参拝して神さまの前に立つときも、身なりを整える必要があります。
神社に参拝する前には、お風呂に入って身を浄め、髪を整え、ひげを剃る(あるいは整える)、爪を切るようにしましょう。
古来より人は神さまの前に立つ前に、川で禊(みそぎ)を行ない穢れをはらいました。ただ、現代では川に入って禊を行うことは難しいでしょう。その代わりとして、家には大抵お風呂がありますので、是非神様の前に行く前にシャワーを浴びるなどして身を清め、髪と爪を整えて禊をしてください。
禊をすませたら、新しい衣服を身に着けて参拝するとさらに効果的です。神さまの前に出るときは、決して失礼のないように身支度を整えましょう。
【参拝の準備2】遠方の神社にお参りする前に、氏神様にご挨拶をする
なにかに強力なご利益があると言われる遠方の神社。ぜひお参りして、ご利益を得たくなりますよね。
ただ、いきなり出かけていくよりも参拝のご利益がが上がる可能性のある方法を紹介します。
それが、遠方の神社にお参りする前に、現在住んでいらっしゃる地域の氏神様にご挨拶すること。
氏神さまに参拝し、日頃の感謝を伝えたあとで「今度XX県XXにあるXX神社にお参りに行きますので、お取次をお願いします」と、仲立ちを祈ります。
そうすれば、氏神さまが遠方の神さまへの仲立ちを務めてくださいますから、いきなりお参りするよりも遥かにご利益がありますよ。
【参拝のマナー1】神様にはまず感謝を伝える
本殿の前に立ち、二礼二拍手一礼をしたあと、心の中でいきなり神さまに願い事を唱えてはいけません。
神さまの前に立ったら、まず日々の生活を平穏に送れていることへの感謝の気持ちを伝えること。
それから、私利私欲のお願い事をするのではなく、「XXという目標に向かって努力していますので、どうぞ見守ってください、お力添えください」と、お願いしましょう。
例えば、金運にご利益があると言われる神社で「宝くじ当たりますように」と願ってしまいがち。ですが、このような願い事のしかたはNGなのです。
宝くじに当たりと思うのであれば、「いつも見守ってくださり、ありがとうございます。家族や周囲の人と一緒に経済的に豊かになりたいので、宝くじが当たるようにどうぞお力添えください」と、祈りましょう。
私利私欲の願い事をするのではなく、周囲の人とともに幸せになりたいからお力添えくださいという気持ちを持ち、それを神さまに具体的に伝えることが大切です。
【参拝のマナー2】御神木に触れるときに注意
御神木は、菰(こも)を巻いてあるなど保護がされており、神社がさわることを許可している場合には触れても大丈夫。
ただし、神社が許可していない場合は、保護のために決して触らないようにしてください。
無理に触れなくても、御神木のパワーはそばにいるだけで得ることが可能なはずです。
【参拝のマナー3】神社の施設を使った、おまじないはしない
「〇〇神社の〇〇という施設を使っておまじないをすると願い事が叶う」という話を、テレビ番組やインターネットで見かけたことがある人は多いのでは?
でも、ちょっと待ってください。
先ほどお伝えしたように、神社は神さまに感謝を伝える場所なのです。
感謝を伝える場所で、願い事が叶うと言われるおまじないを行うのはおかしいと気付いてください。
本殿に作法に則ってお参りをし、感謝の気持ちを伝え、その上で「願い事に向かってこういう努力をしていますから、どうぞお力添えください」と伝えるのが良いのです。
「おまじない」はメディアが興味を引くために作ったものの可能性も高いです。実際おまじないを漢字で書くと「お呪い」となります。そう、人を呪わば穴二つと言われる「呪い」と「まじない」は、実は同じ行為なのですよね。
清浄な神社の境内で「呪い」に通ずることはやらないほうが結果として神様とつながりやすいと考えます。
周りがやっているからという理由で、神社の境内で「おまじない」行為をするのはやめておきましょう。
【神社参拝のマナー4】神社が嫌がる行動、許可していない行動はおこなわない
神社参拝の前に、人としての基本とも思えますが他の方が嫌がる行動は謹みましょう。
例えば、埼玉県秩父市の三峯神社。以前は愛犬を連れて参拝し、ともにご祈祷を受けることが可能でした。ところが、マナーの悪い参拝客がいたために、境内に犬を連れて行くことが禁止されてしまったのです。
また、新潟県の白山神社では、無許可営業をするカメラマンが横行してしまい、法外な撮影料金が請求されるなど、多くの参拝客が迷惑する事態が発生。とうとう、境内で七五三などの家族写真を撮ることが禁止され、写真撮影は神社公認のカメラマンのみになるという事例があります。
このように、神社が迷惑に感じる行動をすると、それまで境内で許可されていた行動が禁止、あるいは制限されてしまうことにつながってしまいます。
神社が迷惑に感じる行動は、境内ではおこなわないようにしてください。
【神社参拝のマナー5】神社は明るいうちに参拝する
例大祭などのお祭りや年越し参りなど、神社には夜間に立ち入ってもよい特別な日があります。
そうした特別な日以外は、日没後は境内に立ち入らないようにしてくださいね。
昼と夜とで、外から見ていても神社の境内の空気がなにか違うと感じたことはありませんか?
神社への参拝は、明るいうち、できれば朝一番の時間帯がおすすめです。
【神社参拝のマナー6】神さまの前では静寂を守る
神さまの前では、静寂を守りましょう。
でも、お友達と一緒に神社にお参りに行って大きな声でしゃべってしまった。あるいは、混雑した神社で本殿への参拝待ちをする間、スマホをずっとさわってしまった。
神社の境内で、そんな行動をとってしまったこと、ありませんか?
例えば、目上の人がいらっしゃる前で、その人を無視して他の人と大声でしゃべる、あるいはスマホなどをさわり続けるのは失礼な行動に当たります。
神さまの前にいるにも関わらずそういった行動をしてしまったら、神さまに意識が向いておらず、失礼を働いていることになってしまいます。
神さまは不愉快に思われるはずですから、せっかく作法に則って参拝しても、何のご利益も得られない・・・そんなことにもなりかねません。
神社の境内は神さまのおわす神聖な領域。
決して、神さまに失礼なことをしないよう、神さまの前では静寂を守ってくださいね。
【授与の取り扱い】神社で授与していただいたものを転売しない、購入しない
メルカリやヤフオクを見ると、有名な神社の人気のお守りや御朱印が、結構なお値段で販売されているのを見かけます。
なかなか参拝する機会もない遠い神社、ご利益があると評判だからと買おう思った方は購入しないことをオススメします。
あるいは高いけれど闘病中の家族に買ってあげたいと優しさから買いたいと思っている方がいらっしゃるのも理解したうえでやめた方が良いとお伝えします。
神社の授与品は、その方の幸せを願って授与されたもの。
転売という形で利益を乗せて販売することは、神さまの暖かなお気持ちを踏みにじってしまうことなのです。
どんな気持ちで購入したとしても、お守りや御朱印が、おかしな邪気を帯びている可能性もありえます。
また、販売者している方も転売行為を行うことで、ご自身の他の商売もうまく行かない状態になる可能性があると知っておいて欲しいのです。
困ったときに転売された授与品を購入せずに済む方法
わらにもすがる気持ちでそういった転売された授与品を購入するよりも、運気を上げるもっと良い方法があります。
その方法とは、現在住んでいる地域の氏神さまにお参りすることです。
氏神さまは、その土地とそこに住む人たちを守ってくださる神さまです。
なにか辛く苦しい出来事に悩まされているのなら、作法に則って参拝すれば、苦境から脱する良い方向に導いてくださるはず。
穢れは「気枯れ」でもあるので、じっくりと時間をとって参拝し、氏神さまの境内でパワーをたっぷりいただくとなお良いですよ。転売されているお守りや御朱印を買うよりも、氏神さまにお参りしてご祈祷していただき、お守りや御朱印をいただきましょう。
そのほうが、きっと良いことがありますよ。なにか困ったことがあったら、まず氏神さまをお参りしてください。
まとめ
神社に参拝するときに、有名な作法に則ってお参りし、おみくじを引き、お守りと御朱印を頂いてそれで満足、といったお参りをしていませんか?
その参拝は、とてももったいない方法です。
神社に参拝する前に、身を浄める、神さまにまず感謝を伝える、遠方の神社に参拝するなら氏神さまに取次ぎをお願いする、神社が迷惑と思う行為はしないなどすれば、神さまからいただける恵みはより大きくなるでしょう。
ぜひ、この記事を神社にお参りする時の参考にしてくださいね。