「この世界のしくみを教えてあげましょう」
その声を聞いたのは、移住してちょうど1ヶ月が過ぎようとしているある日だった。神社に参拝するのは、お正月と旅行に行ったときの有名観光地になっているようなところを訪れた時だけ。
その日は、新しい土地へ来たことのあいさつと、生まれて半年になる長女の無事をお祈りするために参拝していたのだった。
大きな鳥居をお辞儀をしてくぐり、手と口をお清めしていつもどおりのお参り。何か特別なことをしたわけでもなかったのに。
見えない世界からの声との出会い
神社の拝殿に到着して参拝。パンッパンっとちょっと控えめに手を打って、目を閉じて神様に伝えます。
「はじめまして、こちらに引っ越してきました。よろしくお願いします。この土地でどうか健康で子育てできますように。」
神頼みではないけれど、お願いしたいと思う事もあいさつの時に全部まとめてお願いしていた私。
すると、いつもは目を閉じても視界が黒くなるだけだったけれど、その中心で小さく光が生まれたように見えた。そして、その光は目をつぶって黒い世界を真っ白するほど眩しく向かってくるように感じた。
すると、こんな女性の声が頭に入ってきた。
「この世界のしくみを教えてあげましょう」
頭の中に響く声がなんであるかを理解できずに、まわりをキョロキョロ。やはり何もない。ちょうど回りにだれもいなかったこの日の神社。
ふぅと一息。ちょっと落ち着いたところで、この声が自分だけに聞こえているということをじょじょに認識できるように。
「あなたの望みはもちろん叶います。ただ、せっかく来てくれたのだから、楽しみながらその結果までたどり着いて欲しいのです。」
話ができるかはわからないけれど、手を合わせたままで私は答えた。
「そのようにお願いしたいです。毎日笑って過ごせたら、もっと嬉しいです。」
とにかく、その時の正直な気持ちを込めて伝えてみます。
「望むことは大切ですね。それで良いです。ただ、人は不安になったり、自信をなくしたりとなかなか真っ直ぐに望むことができない面もあります。」
「そうなんです。どうしても不安になっちゃいます。」
「不安ってまだ来ていない時間の想像をして、怖がっているということ。本当には起こらないことで悩みを増やしてしまっているのです。これは、今あなたが生きている世界のルールを知らないから、生きるのが大変だと感じてしまっているのです。」
「ルールってなんですか。」
急に世界のルールなどという大きなフレーズが出てたので、意味がわからず。首をほんのわずかに傾けながら、バイト先の先輩に聞くような口調で聞いてみた。
「ルールとはそのまま、スポーツやゲームなどのルールと一緒。この世に生きるすべてのものに同じく与えられている条件という意味ですよ。」
「生きる世界のルール?そんなものがあるのですか。でもでも、誰も教えてくれてない気が…。」
「いやいや、結構伝えようとしている人間は多いよ。気付かないだけね。アーティストと呼ばれる人だったり、哲学者だったり。あるいは宗教のなかにもそのエッセンスは間違いなく入っているのよ。」
そして、神様は続けて頭の中にこう続けた。
「もしよければ今から、世界に流れているルール。この世に生きるものすべてに当てはまる法則を順に教えていきましょう。」
これが何者なのかはわからないけれど、伝わってくるこの会話。
やりとりからすると、すごく長く感じるが、実際にはきっとほんの一瞬のことなのだろうなというのを身体で感じることができる不思議な感覚。でも、私はここでは何の不安も感じずに、真っ直ぐに答えた。
「ぜひお願いします。」
「すべてを理解して、生かすことができれば、きっと苦しいと感じていることやツラい感情から開放されるから安心してね。」
こうして、謎の声の主のレクチャーが開始する事になった。
ここから先のレクチャーについて
この先で教えてもらうことになる、謎の声のいうルールについて先に示しておきます。
- 法則1 循環の法則(流れをとらえる)
- 法則2 分極の法則(ものごとの生まれ方)
- 法則3 好転の法則(すべてが良いことになる)
- 法則4 反射の法則(与えたものと受け取るものの関係)
- 法則5 反動の法則(不安の感情の本当の使い方)
- 法則6 同調の法則(同じものは引き合う)
- 法則7 調節の法則(試行錯誤の最適化)
- 法則8 エネルギー保存の法則(本気の強さ)
- 法則9 行動結果の法則(やるべきこととその価値について)
- 法則10 唯一現在の法則