今回はこの中国語で書かれたおみくじについて、わかりやすい日本語で解説していきます。
龍山寺のおみくじはどんな構成

龍山寺のおみくじの構成は、左からおみくじ番号と吉凶のランク、聖意と書かれている個別の運気、漢詩、関連する歴史上の人物と故事成語という順番に並んでいます。
吉凶のランクだけを気にしがちですが、一番大切なことは漢詩に書かれています。
この漢詩、「起句⇒承句⇒転句⇒結句」からなる七言絶句という形がとられていて、非常に深い意味を感じられるお言葉となっています。このサイトでは、この部分についてわかりやすい日本語でお伝えしていきます。
番号が見つからない方は以下の目次を参考に探してみてください。
おみくじはいくつある?
龍山寺のおみくじは全部で100種類あります。
その中でも第一首は「天王籤」と呼ばれる最高の運気を示すものとなっています。
おみくじのランクについて
日本のおみくじと同様に龍山寺のおみくじにもランクがあります。全部でなんと16種類。
上上>上吉>大吉>上>上中>上平>中吉>中上>平上>中>中中>中平>平中>平>平平>下下
以上の順になります。
龍山寺のおみくじ解読

第五十一首
『上平』
夏日初臨日正長
人皆愁惱熱非常
天公也解諸人意
故遣薰風特送涼
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
諸葛公隆中高臥
孔明入川
意味を確認する
「苦しみの中に救いがあります。天の助けで悩みは一気に解消する。」
詩の意味
夏の季節がやってきて、日は長く、照りつける太陽は厳しさを増しています。人々はそのあまりの暑さに、どうすることもできず、心身ともに疲れ果てて悩み苦しんでいます。
しかし、天はそんな人々の苦しみや願いをすべて理解してくれています。
特別な計らいとして、涼しさを運ぶ初夏の南風を送り届けてくれました。これにより、暑さは和らぎ、心地よい平穏が訪れます。
自力で抗えないような苦難の中でも、必ずこのおみくじにあるような「涼風」のような救いがもたらされるという兆候があります。安心して過ごしましょう。
第五十二首
水中捉月費工夫
費盡功夫卻又無
莫信閑言併浪論
枉拋心力也難圖
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
李太白醉中捉月
太白醉撈明月
意味を確認する
「幻を追うのは無駄になるかも。他人の言葉を信じて疲弊しないようにしましょう。」
詩の意味
水面に映る月をすくい上げようとするのは、どんなに努力を重ねても、結局は中身のない無駄な苦労になります。いくら知恵を絞ったり、力を尽くしたとしても手元には何も残りません。
実体のない噂話や根拠のない議論を決して信じてはいけません。それらに振り回されてしまうと、精神力や体力をただ無駄に使うことになり、結局は何一つ成し遂げることはできなくなります。
今追いかけている目標や計画が、意味あるものか見極める必要があります。冷静になって考えてみてください。
第五十三首
『上上』
失意翻成得意時
龍吟虎嘯兩相宜
青雲有路終須到
許我功名必可期
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
王景略捫虱談兵
劉備招親
意味を確認する
「不遇の時は終わり、運気は最高潮へ。望む栄誉は必ず手に入ります。」
詩の意味
これまで思い通りにいかなかった不遇な状況が、一転して最高に勢いのある時期にかわっていきます。まるで龍が鳴き、虎が吠えるように、あなたを取り巻く運気と才能が完璧に響き合い、周囲を圧倒する大きな力となるでしょう。
高い地位や名声へと続く道は開かれています。障害なく辿り着くことができます。これまで求めてきた功績や名誉も、期待を裏切ることなく、必ず手にすることが約束されています。
無理に飾らず、あなたらしくあることが大切。そうすることで周囲との調和が生まれてきます。
第五十四首
夢中得寶醒來無
應說巫山只是虛
若問婚姻幷病訟
別尋生路相得宜
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
呂仙枕黃粱未熟
馬超追曹
意味を確認する
「幻の幸せは潔く手放しましょう。別の道にこそ本当の救いがあります。」
詩の意味
夢の中で素晴らしい宝物を手に入れたとしても、目が覚めてしまえば何も残りません。かつて王が夢の中で女神と出会ったという「巫山の夢」と同じように、今あなたが追いかけている期待や喜びは、実体のない幻に過ぎないのです。
もしあなたが、結婚や病気、あるいは争い事について気になるのであれば、今のやり方や相手に執着し続けても良い結果は得られないでしょう。
それらに見切りをつけ、今の場所とは別の新しい活路探す方がいいです。
手に入らないもの、あるいは形だけの成功にこだわって疲れないように。今の執着を捨てて別の方向へ一歩踏み出すことが大切です。
第五十五首
『大吉』
相傳罔替子孫贊
衣祿豐盈富在天
金馬玉堂人快樂
飢時吃飯困時眠
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
郭曖尚公主
周武王登位
意味を確認する
「代々の繁栄が約束され、心穏やかに最高の幸せを享受する」
詩の意味
家運や名声は絶えることなく受け継がれ、子孫たちからも称えられるような素晴らしい繁栄が続きます。
生活を支える糧や富は十二分に満たされていますが、それは自分の力だけで得たものではなく、天の恵みによるものです。
立派な宮殿や屋敷(金馬玉堂で、人々は心から楽しく過ごしています。そこにある幸せは、背伸びをしたものではありません。お腹が空けば飯を食べ、疲れれば眠るといった、生命の根源的な欲求が自然に満たされる、究極に安らかな境地を表しています。
「お腹が空けば食べ、眠くなれば寝る」という結びは、迷いや苦しみから解放された「最高の心の自由」を象徴しています。
第五十六首
『中平』
澗小石粗流水響
力勞撐駕恐五傷
路須指出前江去
風靜潮平儘不妨
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
范少伯泛舟五湖
祿山謀反
意味を確認する
「難所を抜け出し広い方へ。助言に従えば平穏な道となる」
詩の意味
今はまだ、石が険しく水の流れも激しい、狭い谷川にいるような状況です。無理に船を操ろうとしても、力ばかりを消耗し、大切な船体や自分自身を傷つけてしまう危険があります。
しかし、進むべき正しいルートを誰かに指し示してもらい、広い本流へと漕ぎ出すことができれば、状況は一変します。そこには風も止み、波も穏やかな(風静潮平)平和な景色が広がっており、何不自由なく安全に進んでいくことができます。
このおみくじは「狭い場所」から「広い場所」へと視点を移すことが、今のあなたにとって最も重要な鍵となるといってくれています。
第五十七首
『上中』
聞是聞非風過耳
好衣好祿日當空
君須記取他年事
汝意還同我意同
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
甯戚飯牛叩角
甯戚扣角
董仲尋親
董永賣身
意味を確認する
「雑音は聞き流しましょう。幸運は続き、望みは天の意志と合致しています。」
詩の意味
周囲で飛び交う噂話や批判は、耳元を通り過ぎる風のように受け流してしまいなさい。あなたの運勢は、今まさに真上にある太陽のように輝いていて、豊かな暮らしや報酬にも十分に恵まれています。
どうか、かつて苦労したことや、これまでの積み重ねを忘れないでください。
あなたの進もうとしている道や考えは、天の意思や道理と見事に一致しています。自分の直感を信じて進むことに、何ら間違いはありません。
あなたの願いが天に聞き入れられていることを示す、非常に心強いお言葉です。
第五十八首
『中中』
鵾鳥秋光化作鵬
遨翔得意盡飛騰
直沖萬里雲霄外
任是諸禽總不能
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
羅隱歸吳越王
文王問卜
意味を確認する
「脇目も振らず現状を守りましょう。今あるものの中に全てがあります。」
詩の意味
心からの忠告や善い言葉を、しっかりと心に刻んでおきなさい。今持っている技術や環境を捨ててまで、他の場所へ新しい何かを求めに行くべきではありません。
今はただ、これまでの生活や仕事を安らかに守り続けることをお勧めします。今あなたの手元にあるもの以上に価値のあるものは、他を探したところでどこにも存在しないのです。
「今ここにあるもの」があなたにとっての正解である、というとてもわかりやすい指針がしめされています。
第五十九首
『中平』
直上高樓去避身
四邊繞處是荊榛
誰知造物安排定
得意番成失意人
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
李德裕貶崖州
張良隱山
意味を確認する
「慢心は破滅の元です。高みを目指すほど危険が多くなります。」
詩の意味
自分だけは安全な場所にいようと、高く立派な楼閣へ上がりましたが、周囲を見渡せばそこは鋭い刺のある茨に隙間なく囲まれていました。逃げ場のない窮地に陥っていることに、ようやく気付かされます。
天の計らいは誠に奇妙なものです。誰が予想したでしょうか。絶頂を極め、得意の絶頂にいたはずの人間が、一瞬にして不遇を嘆く立場へと転落してしまうことを。
「高い場所ほど風当たりが強く、逃げ場もない」という、冷静な忠告が込められた内容です。
第六十首
抱薪救火火增烟
燒卻三千及大千
若問營謀併出入
不如收拾莫憂燃
聖意
交易
婚姻
求財
自身
家宅
六畜
田蚕
尋人
行人
六甲
山玟
訟詞
疾病
失物
移徒
故事
先主連營
赤壁鏖兵
意味を確認する
「今は動くほど被害が拡大していきます。手を引き、静観に徹しましょう。」
詩の意味
火を消そうとして薪を抱えて飛び込めば、火勢は衰えるどころか、激しく煙を上げ、さらに燃え広がってしまいます。その炎は、あなたの周囲だけでなく、この世のすべてを焼き尽くしてしまうほどの勢いです。
もしあなたが、新たな計画や移動・取引について考えているのなら、今はそれらを実行に移すべき時ではありません。
これ以上、火に油を注ぐような真似はせず、今は道具を片付け、火の粉が収まるのを待つのが最善です。そうすれば、これ以上燃え広がることを心配する必要もなくなります。
「下手に動かないこと」が、今は何よりの解決策となるようです。
龍山寺のおみくじの作法
実は龍山寺のおみくじは、引く際にしっかりとした作法があります。観光ガイドがいる場合には説明を受けると思いますが、これを守ることでしっかりと神様とつながることができるとされています。
日本のおみくじも参拝してから引くものですよね。これに加えて面白い工程が入っているのが特徴になります。
STEP1 名前と個人情報を伝える
おみくじを引く前に、名前、住所、生年月日を神様に伝えましょう。
心の中で「私は〇〇といいます。住所は~」とはっきりと自分がどこから来たのかを唱えてください。
STEP2 聞きたい事を伝える
さらに、今回のおみくじで聞きたい事について神様へ相談します。
心の中で告げてから、聞きたいことを唱えます。
STEP3 おみくじの許可を得る
そして、「おみくじを引くタイミングなのか」について神様に聞きます。具体的には半円状の赤い木を2つ下に投げて、表裏のどちらを向いたかによって占います。この赤い木は神杯(シャオベイ)という名前。ちょうど「日本の明日天気になぁれ」に似ていますね。
投げた木のパターンと結果は以下のようになります。
- 「表と裏」⇒おみくじを引いて良い
- 「表と表」⇒今日は引かない方が良い
- 「裏と裏」⇒神様に聞かない方がいい質問です
という意味になるそう。ちなみに丸みのある方が表側、平べったい面が裏側となります。
ただ、表と表、裏と裏となった場合でも、その日のうちはもう2回程チャンスがあると考えている方も多いようです。その場合には、STEP1の名前と住所を伝えるところから始めてください。全部で3回やっても、おみくじを引かない方がいいとなったら、その日はおみくじを引けません。
本来は3回連続で表と裏が出て初めて、おみくじを引くことができたそう。個人的にもやり直しはなしで、一度目の結果を重視する方が神様にたいして謙虚な姿かなと感じます。
龍山寺アクセス
台北の龍山寺へのアクセスは、地下鉄MRTの板南線(青ライン)で「龍山寺駅」下車、龍山寺駅からは徒歩3分ほどで龍山寺に到着します。