神社仏閣をめぐっていると、いや、たとえそのような歴史のある場所へ行かなくても狸の置物が置かれているのを見ることがあります。
お蕎麦屋さんなど日本を感じる食事処の入り口に置かれていることもあるので、見たことがない方はほとんど居ないのではないでしょうか。
この狸の置物は「商売繁盛」の効果があるとされるものなのです。
今回は狸の焼き物から得られる人生の教訓についての解説していきます。
狸八相縁起から学ぼう
信楽焼きの狸の焼き物。実は8つの縁起の良いものが組み合わされてできているものなのです。
- 笠
- 大きな目
- 笑顔
- 膨らんだ腹
- 大きなしっぽ
- 徳利
- 大福帳
- 金袋
ここに知恵が含まれているので、是非今の自分の生活に取り入れていきましょう。
笠(かさ)の意味
頭にかぶっている笠。通常は日光や雨雪から身体を守るためにつけるものです。焼き物に込められている意味は、
思ってもみない災難を避けるための準備として常に身をまもる
というものになります。
日常普通にしていても、予想外の事柄はどうしても発生してきます。そのような状態においてもあわてないように準備することが必要です。
必要以上に不安になるとすれば心のあり方が間違っていると思います。ただ、安心が得られるために自分にできることはないのかということは考えて、日々を平和に過ごせるような工夫はしても良いでしょう。
大きな目の意味
狸の焼き物が一見すると怖くなりそうなのですが、皆に愛されるのはこの大きな目による愛らしさもあるでしょう。この目には、
何事も周囲を見まわしてよく見て、正しく判断できるようにしましょう
という意味があります。
よく暮らすためには、観察することが必要になるのですね。誰かが寂しがっていたら、すぐに手を差し伸べられるように、気配りの気持ちも大切にしましょう。
笑顔の意味
「笑う角には福来る」など多くの過去の賢者が見極めているとおり、笑顔は重要です。
お互いに愛想よく暮らしましょう
世界が先に笑ってくれるということはごくまれです。自分から幸せを感じて表現することで、お互いに笑顔になる事ができます。幸せに暮らすコツは、自ら笑顔を作ることなのです。
大きなお腹の意味
狸の絵になると、大きく膨らんだおなかが特徴になります。本物の狸は意外とスマートなのですが、キャラクターとしてはポンポコお腹のほうが可愛いですよね。
実はこの大きなお腹にも、縁起物としての意味があるのです。それは、
もの事は常に落ちつき、さりながら決断力に必要な胆力を持とう
焦っている時にはどうしても、すべての物事は裏目に出るものです。落ち着いていられるだけの、安定した心持が大切です。
また、それができるようになれば、次は行動するのに必要な胆力。自分が決定権を持っていると認識して、毎日過ごすことで道は開けていくものです。
金袋の意味
狸のおなかの下についている金袋。この意味は、
金銭の宝は自由自在なる運用をしよう
です。金運に関する知恵です。「金は天下の回り物」といいますが、循環させなければお金は意味を持ちません。しっかりと
太い尾 なに事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福
終わりは大きく
物事の終わりは大きく、何事も大きく太く、しっかりした終わり方をしよう。
徳利の意味
徳利は道具としてはお酒をいれるための容器ですが、焼き物における意味は、
人徳を身につけ、徳を持つように行動しましょう
というものです。商売繁盛だけでなく、人間関係や幸福のためには徳のある行動をする必要があります。
他人が求めているものを察知して、お渡しする奉仕の気持ちが重要なのは言うまでもありません。
大福帳(通い帳)の意味
大福帳とは、古く商家で売買の勘定を記すのに使われた帳簿の一種です。お客さんとのやり取りについて記録をするための重要な道具でした。この大福帳の意味は、
信用第一、世渡りに欠かせない帳面。信用を積み重ねましょう。
という意味になります。他人から認められるために、自己を犠牲にするのはNG。自分も楽しく、周りにいる方も幸せになってもらえるような行動を考える必要がありそうです。
まとめ
今回は焼き物の狸が縁起物である理由について述べました。狸の八相縁起ともよばれる8つの意味についてnagomeru独自の解釈をいれて幸せに暮らすための人生訓としてご活用いただければと思います。
こうして考えると、世の中は学びとなるものばかり。
日常にある何気ない道具からも、その開発に至った優しさを感じられるようになると、人生はより豊かになる事でしょう。