日本には数多くの神社が存在しますが、広い神社という視点で見ることはあまりないのではと思います。
一般的に神社というと、鳥居をくぐって拝殿があるエリアを想定するでしょうが、神社はその他に鎮守の森が存在します。
昔の神社というのは、ご神木や磐座など神様が降臨して宿るとされる依り代に対して祈りをささげる形式であったことが知られています。なので本殿や拝殿といった社殿は比較的新しい文化といえるのです。
神社の広さランキング
今回の神社の広さランキングは、人が歩ける神社の広さという観点ではなく、鎮守の森を含めた総敷地面積で順位付けしています。
つまり神様が山に宿ると考えられている神体山のある神社は、より広く算出されます。このように山や森、滝などに神様が宿る領域すべてを神奈備(かむなび・かんなび)と呼びます。
古くからある山岳信仰というものが存在したり、神社の信仰対象について再認識するためにご参考にしてください。
第1位 神宮(伊勢神宮)
面積 5,500ヘクタール
神宮は内宮を囲むように広がる広大な宮域林が広がる日本で一番広い神社です。その広さは伊勢市の約20%にもなり、伊勢市は伊勢神宮を中心に作られていることがわかりますね。
伊勢神宮がここまで大きな森林を持つのには、歴史的にはやはり式年遷宮の存在があると考えられています。伊勢神宮は20年に1度社殿を丸ごと造りかえるという習わしがあり、とにかく多くの木材が必要になるためです。
現在の神道の中心的な存在であり、パワースポットとしても知られるのにはこの大きな自然というのも影響しているのでしょう。
第2位 日光二荒山神社
面積 3,400ヘクタール
栃木県日光にある日光二荒山神社は、霊峰男体山を神体山とする日光の氏神。奥宮が男体山の頂上にあるなど、山全体が御神域となっています。
日光東照宮の隣にあり、また近い時期に創建されている輪王寺と共にユネスコの世界文化遺産に「日光の社寺」として登録されています。
第3位 出羽三山神社
面積 2,082ヘクタール
出羽三山とは山形県にある羽黒山、月山、湯殿山からなる明治時代までは神仏習合の権現を祀る修験道の山々のこと。出羽三山神社は霊場であるこれらの山にある、羽黒神社・月山神社・湯殿山神社からなるお社です。
古くから信仰を集めており、出羽三山全体がパワースポットとして有名です。特に、湯殿山神社は三山の奥宮と位置づけられ、熱湯が湧き出る巨石がご神体の神社。本殿も拝殿ももたない古い形の信仰が残っている場所となります。
第4位 白山比咩神社
面積 1,769ヘクタール
白山比咩神社は、全国三千余社の白山神社の総本宮であり、加賀の国の一ノ宮でもある神社。霊山としても知られる白山を御神体とする白山信仰の総本社でもあります。
縁結びのご利益があるとして、「白山さん」と呼ばれ親しまれています。
山頂にある奥宮はもともとは本宮だったもので、養老元年(西暦717年)に泰澄むが建立した歴史あるものになります。
第5位 鳥海山大物忌神社
面積 842ヘクタール
秋田県と山形県にまたがる鳥海山。こちらも山岳信仰のエリアとなっていました。鳥海山大物忌神社は出羽国の一宮。
現在の神社の御神域は、鳥海山の山頂である本殿、山麓の吹浦口の宮と蕨岡口の宮の3つが構成されています。
第6位 霧島神宮
面積 809ヘクタール
霧島神宮は、天孫降臨の神話が伝わる歴史的に重要な神社。現在は霧島温泉があり観光地としても有名ですが、ご神体を高千穂連峰の高千穂峰とする古社になります。
大昔は高千穂峰の噴火口近くに本宮が置かれていたのですが、噴火によって現在の位置に遷座されています。
第7位 富士山本宮浅間大社
面積 387ヘクタール
いわずと知れた霊峰富士山をご神体とする神社、富士山本宮浅間大社。静岡県富士宮市にあり、浅間大社の総本宮となる神社です。奥宮が富士山の山頂付近に鎮座されています。
絶世の美女とも言われる木花開耶命(コノハナサクヤヒメノミコト)を主祭神として祀っています。
現在では、安産の神さまとして知られ、女性の参拝者に人気があります。元々は富士山の鎮火を祈念されたといいます。