待乳山聖天(東京・浅草)は浅草寺のすぐそば、隅田川沿いの小高い丘の上に鎮まるお寺。待乳山聖天の読み方は「まつちやましょうでん」というお寺。
正式名称は本龍院。創建はなんと飛鳥時代の595年で、浅草寺の子院のひとつとして、1400年以上の歴史を持っています。
待乳山聖天は読めない!?
こちらのおみくじは、「読みにくい」として有名です。
使われているのは「元三大師みくじ(元三大師百籤)」。五言四句の漢詩で運勢が記されており、現代語とは違う表現が多く、引いたはいいけれど意味がよくわからないという方がとても多いのです。
しかも個別の運勢についても、文字が崩してあって、慣れていないと日本人でも読みとれないかもしれません。
このページでは、漢詩を読み仮名つきで掲載し、できるだけわかりやすい現代語に解読してお伝えします。
待乳山聖天おみくじの意味解説・解読
21番 吉
洗出経年否(ながきとしつきのよごれをあらいいだし)
光華得再清(こうかふたたびきよきをえたり)
所求終吉利(もとむるところついによしとなり)
重日照前程(かさなるひぜんていをてらす)
長い年月でついた汚れを洗い流すと、もとの光るような艶がよみがえってきます。清々しいこの気持ちを保っていれば、願い事もすべて思い通りになり、明るく照らされた未来がやってくるでしょう。
寒さが終わり春がやってくるような状態です。心にある妬みや邪な気持ちを手放すことで、状態は大きく変わります。誠実な心で前へ進みましょう。
22番 吉
漸漸濃雲散(ぜんぜんとしてのううんをさんず)
看看月再明(みよみよつきのふたたびあきらかなるを)
逢春花草開(はるにあいてかそうひらき)
雨過竹重青(あめすぎてたけかさねてあおし)
ようやく暗い雲が晴れていき、ついに雲間から月の光がもれ出てきました。春が訪れて草花が開き、雨が降るたびに竹の青みが増していくような、じわじわと状況が好転していく時期です。
焦って行動すると状況が悪くなりやすい時期です。しっかりと思案を重ねてから動くと、良い結果となるでしょう。
23番 吉
紅雲随歩起(こううんほにしたがっておこり)
一箭中青霄(いっせんせいしょうにあたる)
鹿行千里遠(しかはせんりのとおきにゆく)
争知去路遙(いかでかきょろのはるかなるをしらん)
吉祥の赤い雲が足もとから湧き起こり、放った矢が青空に命中する。しかしその勢いに乗りすぎて欲に目がくらみ、千里もの遠くまで追いかけてしまった。気づいたときには帰り道もわからなくなっていた。
直な心があれば願いは叶えられます。ただし、欲深さに飲まれてしまうと、せっかくの運を逃すことになります。初心を忘れず、満足することを知る心を大切にしましょう。
24番 凶
三女莫相逢(さんにょあいあうことなかれ)
盟言説未通(めいごんとけどもいまだつうぜず)
門裏心肝掛(もんりしんかんかゝる)
縞素是重重(こうそこれちょうちょうたり)
道理に外れた人との交わりは避けましょう。甘い言葉に心を奪われていると、最終的に身を滅ぼすことになります。
物事にトラブルが起きて思い通りに進まない兆しがあります。しかし、真心をもって誠実に行動し続ければ、最終的には望みを叶えることができるでしょう。「未だ通ぜず」とは、時が経てば必ず通ずるという意味でもあります。焦らず待ちましょう。
25番 吉
枯木遇春生(こぼくはるにあうてしょうず)
前途必利亨(ぜんとかならずりこうす)
亦得佳人前(またかじんぜんをえたり)
乗車禄自行(くるまにじょうじてろくおのずからゆく)
枯れた木が春に出会って芽を吹くように、前途には必ず幸運が訪れます。良き人との出会いがあり、金運も自然と流れ込んでくる——恵まれた時期です。
年配の方や先輩から引き立てられて良い運勢となります。ただし、わがままを通そうとすると流れが止まります。素直に人に従う姿勢が、この時期の鍵です。
26番 吉
将軍有異声(しょうぐんいせいあり)
進兵万里程(へいをすすむばんりのみち)
争知臨敵処(いかでかしらんてきしょにのぞんで)
道勝却虚名(みちすぐれてきょめいをしりぞく)
名将との評判を持つ将軍が兵を率いて遠征した。しかし敵との戦い方が足りず、勝ったと奏上したものの偽りが明るみに出て、かえって名声を失ってしまった。
心の持ち方ひとつで、出来事の意味合いがまるで変わる時期です。良いことも油断すれば悪くなり、悪いように見えることも正しく向き合えば吉に転じます。思ってもみないところからの不意打ちに、十分な用心が必要です。
27番 吉
望禄応重山(ざいろくをのぞむにこたえてやまをかさぬ)
花紅喜悦顔(はなくれないによろこびのかんばせ)
拳頭看皎月(こぶしをあげてこうげつをみれば)
漸出黒雲間(ようやくこくうんのあいだにいずる)
財や禄は山を重ねるほど望みほうだい、花は紅に咲き誇り喜びの顔があふれています。夜空を見上げると、黒い雲の間からようやく皓々と輝く月が姿をあらわしてきました。
心配事がついに喜びへと変わっていく時期です。祝い事は十分に良く、売買も問題なし。待ち人も来るでしょう。回復後の油断だけは注意を。
28番 凶
意趣無船渡(こころいそげどもふねのわたることなし)
波深必誤身(なみふかくしてかならずみをあやまる)
切須回旧路(しきりにすべからくきゅうろにかえるべし)
方可逸災巡(まさにしゅんじゅんをまぬがれることあり)
気持ちは急いているのに、川を渡る船がない状態。しかし増水している川に無理に飛び込めば、必ず溺れてしまいます。ここはいったん元の道に戻ることが賢明。そうすることで、少なくとも立ち往生する状態は免れることができます。
何をするにも前に進もうとすると良くない時期です。新しいことを始めたり、大きく方針を変えたりするのは避けましょう。焦らず時節を待つことが最善です。
29番 吉
憂轗漸消融(ゆうかんようやくしょうゆうし)
求名得再通(なをもとむるにふたたびつうずることをえたり)
宝財臨禄位(ほうざいろくいにのぞむ)
当遇主人公(まさにしゅじんこうにあうべし)
長い苦労がようやく消え去り、再び名誉が回復されてきました。財産も地位にふさわしく手に入るようになり、良い導き手とも出会える——運がますます上向きになる時期です。
病気だった方が起き上がるように、苦しみの分だけ喜びを感じられる状態です。ただし、常に誰かと協力しながら力を発揮していくのが、この時期のあり方です。
30番 半吉
仙鶴立高枝(せんかくこうしにたつ)
防他暗箭虧(たをふせぐあんぜんかくるを)
井畔剛刀利(せいばんごうとうりなり)
戸内更防危(こないさらにあやうきをふせぐ)
気高い鶴が高い木の枝に立っています。その美しさをうらやむ者が、人知れず矢を射かけてくるかもしれません。また、井戸のそばには鋭い刃物を持って待ち構える者もいる。家の内外ともに、危険に気をつけなければならない時期です。
何事も控えめにして慎むべき時期です。人に騙される可能性もあります。信頼できる方とよく相談しながら慎重に動きましょう。
待乳山聖天ってどんなお寺?
ご本尊は大聖歓喜天(聖天様)。身体健全・夫婦和合・商売繁盛のご利益で知られ、古くから庶民に親しまれてきた神様です。
境内のあちこちに「大根」と「巾着」のモチーフが描かれているのが特徴的なお寺。大根は夫婦和合・無病息災、巾着は商売繁盛を表しているそうです。
参拝の際に大根をお供えするのも、このお寺ならではの習わしです。毎年1月7日には「大根まつり」が開かれ、聖天様にお供えされた大根で作った風呂吹き大根が振る舞われます。