待乳山聖天(東京・浅草)は浅草寺のすぐそば、隅田川沿いの小高い丘の上に鎮まるお寺。待乳山聖天の読み方は「まつちやましょうでん」というお寺。
正式名称は本龍院。創建はなんと飛鳥時代の595年で、浅草寺の子院のひとつとして、1400年以上の歴史を持っています。
待乳山聖天は読めない!?
こちらのおみくじは、「読みにくい」として有名です。
使われているのは「元三大師みくじ(元三大師百籤)」。五言四句の漢詩で運勢が記されており、現代語とは違う表現が多く、引いたはいいけれど意味がよくわからないという方がとても多いのです。
しかも個別の運勢についても、文字が崩してあって、慣れていないと日本人でも読みとれないかもしれません。
このページでは、漢詩を読み仮名つきで掲載し、できるだけわかりやすい現代語に解読してお伝えします。
待乳山聖天おみくじの意味解説・解読
31番 末吉
鯤鯨未変時(こんげいいまだへんぜざるとき)
且守碧潭淇(しばらくへきたんのたにをまもる)
風雲興巨浪(ふううんきょろうをおこす)
一息過天池(いっそくてんちをすぐ)
北の果てにいるという巨大な魚が、まだ大きな鳥へと変身していない。時が来るまでしばらく深い水の底で力を蓄えましょう。いったん風雲が巻き起こったならば、一気に天の果てまで飛んでいけるでしょう。
最初は思うように願いが現実化しにくいですが、時間とともに良い状態へと変わっていきます。衝動に任せて動くのではなく、心を落ち着かせて時節を待つ姿勢が、後の大きな成果につながります。
32番 吉
似玉蔵深石(たまのごとくしんせきにかくる)
休将故眼看(しばらくこがんをもってみることをやめよ)
一朝良匠別(いちょうりょうしょうわかつ)
方見宝光寒(まさにほうこうのさむきをみるべし)
宝石は最初、深い石の中に隠れていて外からは見えません。普通の目では見分けられないのです。しかしひとたび優れた職人の目に留まれば、磨かれて心を揺さぶるほどの輝きを放つようになります。
最初は苦労があっても、後には必ず良いことがあります。意識していることは思うように進まず、むしろ思わぬところで良い結果が出やすい時期です。
33番 半吉
枯木逢春艷(こぼくしゅんえんにあう)
芳菲再発林(ほうひとしてふたたびはやしにおこる)
雲間方見月(うんかんまさにつきをみる)
前遇貴人欽(すすんできにんのよろこびにあう)
枯れた木が春の艶やかさに出会い、芳しい花が再び林に咲き誇る。雲の間からようやく月が顔をのぞかせ、前へ進んだ先に目上の方からの喜ばしい援助が待っています。
思いがけないところから助けを得て物事がうまく運ぶ時期です。祝いごとも良く、待ち人も来るでしょう。
34番 吉
臘木春将至(ろうぼくはるまさにいたらんとす)
芳菲喜再新(ほうひよろこびまたあらたなり)
鯤鯨興巨浪(こうげいこうろうをおこす)
挙鈎禄為真(つりばりをあぐればろくしんをなす)
冬の間枯れていた木々が今まさに春の訪れを感じて芽吹き始めています。伝説の大魚が海の底から大きな波を立てながら姿をあらわし、釣竿を上げれば目の前の大きな魚が釣り針にかかっていた——願っていたものが手の届くところにある時期です。
古いものを手放して新しく始めるのに最良のタイミングです。旅行も大いに良く、売買もうまくいくでしょう。
35番 吉
財鹿須乗箭(さいろくすべからくせんにじょうずべし)
胡僧引路帰(こそうみちをひいてかえる)
遇道同仙籍(どうにおうてせんせきをおなじゅうす)
光華映晩暉(こうかばんきにえいず)
財運はまるで矢に乗るように勢いよく訪れます。優れた導き手が帰る道を示してくれ、正しい道を歩む者には光と華やかさが夕映えのように輝いています。
焦って動くと良くない時期です。知識のある先生や信頼できる方の教えに従い、着実に積み重ねていけば後に大きな幸せにつながります。邪心や短気は状況を大きく悪化させます。
36番 末吉
先損後有益(さきにそんじてのちえきあり)
如月之剥蝕(つきのしょくをはぐがごとし)
玉兎待重生(ぎょくとちょうせいをまつ)
光華当満室(こうかまさにおくにみつべし)
最初は損が先行しますが、時間がたてば必ず利益となります。月が月食から再び満月へと戻るように、満ちる時を待ちましょう。待てば家の中は光と華やかさで満ちあふれるでしょう。
急いで行動すると良くない時期です。買い物は必要なものだけにとどめ、引越しや縁談は慎重に。焦らず時節を待てば、後に必ず報われます。
37番 半吉
陰靉未能通(いんあいいまだつうずることあたわず)
求名亦未逢(なをもとめてまたいまだあわず)
幸然須有変(こうぜんとしてすべからくへんずることあるべし)
一箭中双鴻(いっせんそうこうにあたる)
暗い雲が垂れ込めて光が射さず、名を揚げようとしても道はまだ開いていない。しかし、やがてひょっこりと幸運が舞い込み、一本の矢で二羽の大鳥を射落とすような喜びに出会えるでしょう。
最初は思うようにならなくても、中ごろから状況が変わり、最終的には大きな幸せへと向かう時期です。待ち人は遅いですが、後に両方からの便りを一度に聞くような嬉しいことがあるでしょう。
38番 半吉
月照天書静(つきてらしててんしょしずかなり)
雲生罩彩霞(くもしょうじさいかをこむ)
久想離庭客(ひさしくおもうりていのかく)
無事惹咨嗟(ぶじにしてしさをひく)
月は天空を照らして静かに輝いているのに、雲が湧き起こって色鮮やかな霞を包み込んでしまう。長らく思い続けていた人も庭先に現れず、何事もなく過ぎていくのに溜め息だけがでる——静かに我慢するしかない時期です。
何事も慎み深く行動すべき時期です。災難が多く生じやすいため、軽率な行動は避けましょう。売買はどちらも控え、旅行や縁談も慎重に。
39番 凶
望用方心腹(ぼうようまさにしんぷくをもちうるべし)
家郷被火災(かきょうかさいをこうむる)
憂危三五度(ゆうきさんごたび)
由損断頭材(よりてとうざいをそんぜしむ)
遠方を望めば、大切な故郷が火災にあっている。そのような災難が何度も降りかかり、大切な財産を失ってしまうような時期です。
何事も信頼していた人に裏切られる可能性のある時期です。火事や盗難にも注意が必要です。争いごとは負けやすく、売買も悪い。無理に新しいことを始めたり、引越しや旅行をしたりするのは避けましょう。信心を深め、慎重に過ごすことが大切です。
40番 末小吉
中正方能道(ちゅうせいまさにどうをじょうず)
姦邪恐引衍(かんじゃおそらくはあやまちをひかん)
壷中盛妙薬(こちゅうみょうやくをもる)
不久払艱難(ひさしからずしてかんなんをはらわん)
偏らず正しい道を歩めば、道は開きます。ただし正しき人ほど邪悪な者から妨害を受けやすい。しかし壷の中の妙薬を用いれば、苦しみは遠からず去っていくでしょう。
非常に難しい状況で、騙されたり思わぬ災難に遭ったりしやすい時期です。一方で、あなたを助けようとする人も現れます。あなたのためになる人とならない人の見分けが難しいため、行動を慎み、信頼できる方とよく相談しながら進みましょう。
待乳山聖天ってどんなお寺?
ご本尊は大聖歓喜天(聖天様)。身体健全・夫婦和合・商売繁盛のご利益で知られ、古くから庶民に親しまれてきた神様です。
境内のあちこちに「大根」と「巾着」のモチーフが描かれているのが特徴的なお寺。大根は夫婦和合・無病息災、巾着は商売繁盛を表しているそうです。
参拝の際に大根をお供えするのも、このお寺ならではの習わしです。毎年1月7日には「大根まつり」が開かれ、聖天様にお供えされた大根で作った風呂吹き大根が振る舞われます。