自己PRに悩む人が多い件について
自己PRが上手くなりたい。もはやこんな思いすら贅沢に感じて新しいチャレンジができなくなっている人が多いです。講師という立場でみているとこれから表現していこうと努力している一方で自己PRが苦手で怖くて仕方がないという生徒さんが非常に増えています。
なんとか自己紹介を乗り越えたいという方から相談を受けることが多くなっています。特に若い方々の中には「説明なんて必要ない。そのままのあなたが素晴らしいんですよ」と子供の頃から学校などで教育を受けてきた反面、受験や社会に出るためのプロセスの中で「自己PR」「自己紹介」」「自己アピール」というものに直面して困ってしまう状況もあるようです。
実際問題として自己PRや自己アピールですべてが決まるわけでは無いことをみんな知っているからこそ、自己PRさえ恐れず乗り越えることさえできれば解決できると思うのでしょう。自己PRに苦手意識がついてしまい、怖さを感じている人は、考え方を少し変えるだけで気持ちを楽にすることができるのです。
今回は最短で克服するための方法をお伝えします。
自己PRが怖い人の特徴と理由に気づく
自己PRに対して恐怖感を抱いている人にはいくつかのパターンがあります。本人が強く意識できるものもあれば、無自覚なものもありますので傾向を確認していきましょう。
自己PRが苦手な人の特徴
多くの方の相談を受けていますが、自己PRについて悩みのある方には明らかな特徴がありました。それが以下に挙げるものになります。
- 実は誰よりも上手くやりたいと思っている
- トークバラエティやお笑いなどテレビが大好き
- そもそも自己PRが苦手なのではなく緊張が怖い
- 自分のことだからこそしゃべりにくい
- 伝えたいことが多すぎる
- 伝えたいことが解らない
- 伝えたいことはあるが、どう伝えていいかわからない
いくつかあてはまる部分があったでしょうか。それぞれの項目が影響し合っている場合もあります。何を怖れているのか気づくことで解決へのプロセスが見えてきます。
特徴①・②の人 上手くしゃべろうとしている
自己PRの苦手な人の多くが「上手くやらなければ」という思いが強く真面目に取り組み過ぎています。
しっかりしゃべるために言うべきことをセリフに起こして丸暗記したりする人もこのタイプ。丸暗記・練習をしっかり行うのですが、人間味が伝わらないと酷評される経験する人も多いようです。
また、テレビが大好きでプロの話し方をお手本としてしまう人は自分のハードルが上がってしまっているので苦手意識が定着しています。ライバルはしゃべりのプロですから比較して負けてしまうのは当然。上手くできなかったと落ち込み自己PRが苦手と感じてしまうのです。
別に人を感動させるようなしゃべりをしなくて構わない。面白くなくてもいい。上手くしゃべらなくても良いのだと気付きましょう。
特徴③の人 緊張のほぐし方を知らない
緊張している自覚はなくても人前に出ると口が回らなくなったり表情がこわばったりすることは普通です。自覚のある人は自分の身体の状況にさらに敏感になるのでますます緊張が膨らんでいってしまいます。
緊張さえしなければもっと伝えられたはずという後悔がある人は、自己PRに挑む前にまず緊張してしまう自分と向き合ってみましょう。
ここぞという時に緊張する人に、あわせて読んでいただきたいオススメの記事があります。
特徴④・⑤・⑥・⑦の人 「自分のこと」にしばられている
自分のことだからこそしゃべりにくい、伝えたいことが多すぎる、伝えたいことや伝え方が解らないという人には共通して聞き手に伝える題材が「自分のこと」という部分につまずいている場合があります。自分のことだと思うから照れて恥ずかしさが勝ってしまう、わかってほしいと強く思い過ぎて言葉の選び方もわからなくなるのです。
そんなときは大きく発想の転換をしましょう。
自己PRを乗り越えよう
自己PRが怖い人の特徴や理由に気づけたら次は順序立てて実践法をお伝えします。
あくまで上手にやるコツではなく乗り越えるための知恵だと考えて受け止めて下さいね。
会話の途中に沈黙を作る
会話の途中に沈黙を作るトーク番組やお笑い番組には沈黙がほとんどありません。沈黙が放送事故になる場合もあるのでしゃべりのプロは必死で間を埋め視聴者を楽しませようとしています。日常の中で人とおしゃべりするときはどうでしょう。会話の中では「ふむふむ、なるほど、それで?」と考える「間」が必ずあるのです。
自己PRは視聴者を楽しませるトークバラエティではありません。沈黙を怖がって間を詰めてしゃべり続ける必要ないのです。
自己紹介は聞く人があってのもの。伝えたいことを1つ伝えたら聞いている人に「ふむふむ、なるほど、それで?」の時間を与えてあげて下さい。自分にとっては沈黙と感じられるかもしれませんが、聞き手にはこれまでの話を理解する大切な時間です。
あえて会話の途中に沈黙を作るつもりで臨みましょう
沈黙を作れば、その間にあなたは呼吸を整えて次の話をする準備が出来ます。ただし、人間は何かを思い出そうとするときや考えをまとめているとき目線が右上や左上を見てしまうクセがあるため目線がさまよわぬよう気を付けます。聞き手の顔を見るのは怖いでしょうから、相手の額や首元など目線を定めておきましょう。
自分とよく似た「○○さん」を紹介する
多くの人は「自分のこと」にこだわり過ぎて苦手意識を持っていますからアピールする対象を変えましょう。自分にとてもよく似ている他人「○○さん」を紹介することにして下さい。あなたは誰よりも「○○さん」を知っています。自分のことではないので恥ずかしがる必要はありませんが、他人なので少し気を使って「○○さん」にメリットがあるようにイメージして話してみて下さい。
自分のことより人を思いやれる優しい人は自己PRではなく「○○さんPR」なら上手に語れる可能性があります。
箇条書きで覚えてみる
では自分に良く似た「○○さん」について何をしゃべるか考えましょう。自分のことと考えていた時とアプローチが変わりますから今まで丸暗記していたことやしゃべっていたことは一旦忘れて思いつく限り箇条書きにしてみます。
この箇条書きでは良い所も悪い所も書きだします。すべて出し終えたら「○○さん」にとってデメリットになりそうなことを外します。
どんなふうに伝えたら「○○さん」も聞き手も理解しあえるのか第三者になって考えて話す順番も整理していきます。箇条書きを元にセリフに起こして丸暗記しないと安心できない人は暗記するのも良いでしょう。でも実際に話すときに記憶から呼び起こすのは箇条書きの項目。伝えたい要点が頭に浮かんでいれば少々トチっても立て直せますし丸暗記した言葉にも説得力が生まれます。沈黙はすでに自分の味方、怖くないので丸暗記なんかしなくても考える時間は充分にあります。「○○さん」をPRするために言葉を尽くすことが出来るでしょう。
万が一の解決法
でも「もしも頭が真っ白になってしまったら。」と最悪の状況を考えて不安に陥る人が多いので万が一の対応策を伝授しましょう。それは、
聞き手を見てにっこり笑う。
長くなりすぎてしまった沈黙をごまかせます。それでも思い出せなければ素直に「頭が真っ白になってしまいました」と伝えてしまうのもあり。すると必ず反応が返ってきます。「大丈夫、待ちますよ」とにこやかに待ってくれる場合もあれば、「緊張したかな?では終わりましょう」という流れになることもあります。何か質問をしてくれるかもしれませんね。どうしても自分で話を進められない時、次の流れを聞き手に委ねるのもコミュニケーションとしては良い解決法と言えます。
まとめ
「自己PRを上手くやりたい・・・なんて贅沢は言わない。」と考えながら実は心の底では上手くやりたいと願っている自分に気づいてしまった人は初心を思い出して下さい。「自己PRさえ恐れず乗り越えることさえできればうまくいく」今回のテーマです。
最初にお伝えしたように自己PRや自己紹介ですべてが決まるわけでは無いことをみんな知っています。上手くいかなかったからといってすべてが終わってしまうわけではありません。少し支離滅裂でも言葉がもつれても話がまとまっていなくても、懸命に自己アピールに取り組んでいる姿勢が伝わればOK。完璧である必要はないのだということを何度も自分に言い聞かせて下さい。
まずは考え方を整理して緊張をほぐし「間」を怖がらず「○○さん」のことを丁寧に説明できれば「自己PR」という山を乗り越えられるれると信じて下さい。