戸隠神社のおみくじの解読【51~60番】

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戸隠神社御神籤文

1番~10番
11番~20番
21番~30番
31番~40番
41番~50番
51番~60番
61番~70番
71番~80番

ネット上に画像や文章があるもののみ記載しております。不足しているものについて知りたい方は、お手数ですがお問い合わせフォームに全文をご記載の上連絡いただければ追加掲載いたします。

戸隠神社のおみくじの構成

戸隠神社の構成は一般的なおみくじとは異なっています。

①「○○の兆」と書かれたタイトルと漢文

ここで書かれている「兆」とは、読み方が「うらかた」とか「ちょう」となっており占いの結果という意味があります。内容は古事記や日本書紀などの日本の歴史書などに書かれている場面についての説明がなされます。実は古事記は宇宙誕生から国が作られていく様を表されているのですが、その場面を漢文で紹介する形がほとんどです。

②吉凶の記載

戸隠神社のおみくじは、日本全国神社仏閣は多々あれどあまり見かけないタイプの吉凶の順番になります。大吉・吉・小吉・末吉・平吉の他に珍しい「たいら」「向吉」という結果が出る珍しいものです。向吉は「きちにむかう」という読みで現在は良くないが徐々に良くなるという意味です。

「平」については末吉と凶の間などとも説明されており、内容を見てもそれほど目立って嬉しい内容ではないかもしれない。ただし、元々戸隠山が仏教の聖地であったことや、神道の考え方を心に留め置くと吉でも凶でもないという状態はニュートラルな状態であるとも考えられ、好ましい状態とも受け取れる。受け取り方次第ですが、レアなおみくじということもありラッキーと思うのも良い。

③漢文の場面の説明と今後のアドバイス

「是は~」から始まる部分は、特に重要なメッセージが書かれています。漢文で書かれた場面から読み取れることと占いの結果は対応しており、あなたの現在の状況からどのように今後振舞うのが良いのかというアドバイスが対になって書かれています。「心穏やかに」や「人の言うことをききましょう」、「願いは叶うから安心して」などの内容が書かれているものが多いです。吉凶の表記だけでなくこちらの部分をしっかりと読み込み、今日から実践していくことをおすすめします。

④各項目ごとの良し悪しの説明

「○此れは~」以降の部分は、一般的なおみくじにも書かれる健康や商売、結婚などの個別事項に関してひとつずつ回答してくれる形で進みます。特におみくじを引く段階でアドバイスが欲しいと思った項目について参考にするのが良いでしょう。また、信心するべき神様についても紹介してくれます。今後の神社めぐりの参考にされるのが良いでしょう。

構成についてわかったところでようやく本番です。番号順に意味を解説していきますのでご確認ください。

戸隠神社おみくじ 51番

第五十一番 国平御議兆(くにむけみはかりのうらかた)

皇孫乎降将坐止(すめみまをくだしまさむと)
日神与高木神議(ひのかみとたかぎのかみとはかりたまひき)

『吉』

是は願望ありといへども容易にはなりがたきの兆なり。人のいけをを聞きてこゝろ長く事をはかるべし。いそぐ時はかならす仕そんずる事あるべし。行末は吉を得て何事も心の任に行きとどく時もありとしるべし。

○此は伊勢の大神宮を信心すべし・病事は長びくといへども本服すべし・方角は南の方よし・失物は後に出づべし・待人おそく来る・旅立千里の道を行くともあやまちなし・よめとりむことり・家造家移り・人をかゝへるによし・又職につくよし・訴訟事は始め苦労ありとも後大によし・商売りさきかひこみともによし・生死十に九つ生く・勝負事は十ぶんの勝ちなり・願望は時をまちておもふまゝに成就すべし。

内容を確認する

これはあなたに願望があったとしても、簡単には達成できないという兆しです。他人からもらう意見をしっかり聞いて、焦らずに長く時間がかかる想定で準備を進めましょう。後々には良くなって、すべてのことは思い通りに願いを叶えられるようになるでしょう。

このおみくじを引いた方は伊勢の大神宮におられる、内宮の天照大御神と外宮の豊受大御神を信心しましょう

・病気は長くなるけれど治る
・方角は南が良い
・失くし物は後になって出るでしょう
・待ち人は遅いが来ます
・旅立ちはどれだけ遠くへ行っても失敗はないほど良いでしょう
・嫁取り、婿取り、家の新築、引越し、人の雇用、就職は良い
・裁判事は最初は苦労するが、後になって大きく良いことになる
・商売は売り買い共に良い
・生死に関わることは90%は生きる
・勝負事はほぼ勝ちになるでしょう
・願い事や望みごとは今すぐに実現はしないが、しっかりと待つことができれば思い通りに達成する事ができるでしょう。

戸隠神社おみくじ 52番

第五十二番 天思兼命兆(あめのおもひかねのみことのうらかた)

是は萬事思慮ふかく、人に用ひらるゝ幸ひ有るのうらかたなり。
されど人の為に常々つかはるることありて身に苦労あるべし、
随分こころをせめて、事をなす時は必ず成就すべし。
遠くおもひはかりて幸福を求むべし。

○此れは日の神をひとすじに信心すべし・病気はそばめには危く見ゆるほどの事も・丹誠の功によりて・後はほんぷくうたがひなしとしるべし・方角は東の方よし・待人来る・旅立は見合すべし・家造家移り・嫁とりむことり・人をかゝへ・又職につくよし・商ははじめに利を見ず・後々に大によし・失物いづ・訴訟事叶ふ・案外幸あり・勝負事はこのむべからず・何事も静かに事をはかるべし・こゝろを尽して後功有りとしるべし。

内容を確認する
このおみくじは何事も思慮深く人に用いられると幸いが有るという兆しがあるという結果です。しかし、人のために日々頼まれごとがあり、それに奔走することになるので、身に苦労があるだろう。しっかりと努力して事を為す時は、必ず成就するでしょう。先の先まで考えて幸福を求めるようにしましょう。

アマテラスオオミカミを一筋に信仰しましょう。

・病気は外見には危く見えるほどの事も、真心をこめた功績によって、回復は間違いないと知りましょう。
・方角は東の方がよい。
・待ち人はやって来る。
・旅立ちは見合わせるべきである。
・家造り・家移り、嫁取り・婿取り、人の採用、又就職は良い。
・商売ははじめのうちは利益がないが、後々に大いに良くなる。
・失い物は出てくる。
・訴訟事(裁判沙汰)は叶う(思い通りになる)。
・思いがけない幸いがある。
・勝負事は好んではいけない。
・何事も静かに事を謀るべきである。
・ベストを尽くした後に成功有りと知るべきである

戸隠神社おみくじ 53番

第五十三番 天菩日命兆(あめのほひのみことのうらかた) 

忠誠厚有者新玉年三季復命世志
まめこヽろ あつくしあれば あらたまの としのみとせに かえりことせし

『平』

是は物事とヾこほり有りて速(すみやか)にはなりがたきの兆なり。
速になすべき事もあれど万事さしひかへれば
疑ひをうくともさしたる咎はあらずふかくたのむ事に用ひがたし。

○此は天津神を信心すべし・病事長し・おどろくべからず日を追いて
全快におもむくべし・方角は東南の方よし・失せもの出でがたし・待人来ず
訴訟事はつつしむべし・屋造り屋移り心すべし・よめとりむことりよく考えなすべし
人をかかへ職につくよくこころすべし・旅立ちは心すべし・生死は六七分生く
商ははかしからず・末はよきかたにおもむくべし・何事もはかしからざれど心を忠誠にもちて幸を求むべし。

内容を確認する
物事が上手くすすまず、悩みごとがすぐに解消されることはないという兆しです。速やかにやらなければならないこともあるでしょうが、すべての事を一度控えておくことで、疑いは受けることがあっても、責められることはなくなるのでよい。向こうもこれによって重要なことを頼みにくくなります。

天津神を信心しましょう。

病気は、長くなる。焦ったり不安になりすぎたりしなければ、時間によって全快に向かいます。
方角は東南が良い。
失せ物はなかなか出てこない。
待人は来ない
訴訟ごとは控えましょう
家の新築・引越しは要注意
嫁とり、婿とりなど婚姻関係は熟慮が必要
人を雇っての事業はよく注意しましょう
旅行は注意しましょう
生死に関することは60~70%は生きられる
商いはあまりよくない 将来は良いほうになる。今は何事も上手くいかないことが多いが心に忠誠を持って幸せを臨む事。

戸隠神社おみくじ 56番

第五十六番 大量兆(おおはかりのうらかた)

何登加母穢死人誤 喪屋切伏高彦根神
なにとかもまがれるひとにあやまつと もやきりふするたかひこねのかみ

是は無実の難に逢ふの兆しなり。
されども初めは事のまちがひよりおこればふかき咎はなし。日頃はひたしきあいだながらも疑い事の出来るかたち、或いは人の妻子のなげきを見てたえがたき心あるかたちなり。静に居て幸を待つべし。

○此は葛城の神を信心すべし・病事は長し しかれども命にさはりはなし・方向は西南の方よし・待ち人来ず・たびたび半吉・家造家移り嫁とり婿とり人をかかへる職を替ふあしかるべし・失物出ず・訴訟事叶ふべし
しかれども始めはよろしからず・商売かたひかへめにすべし、後にいたりてすこしは利を得べし・生死は生く・勝負事は勝つべし

何事も一旦はこころ驚く事あれどもおもひの外やすきかたちなり

内容を確認する
これ(おみくじの結果)は、無実の罪に問われるという予兆が出ています。
しかし、ことの始めを問いただせば、ちょっとした勘違いから起こったことがわかるので、重い罪に問われることはありません。日頃は親しくしている人に猜疑心を持たれるとか、他人の妻子の不幸を見過ごせなく思って親切にしたことが仇になるとか。おとなしくして物事が良い方向に向かうのを待ちなさい。

このおみくじを引いた方は葛城の神を信仰しましょう。葛城の神とは大和の葛城山に住むとされる神様で一言主神(ひとことぬしのかみ)とされるのが一般的です。

・病気は長びくものの、命に別状はありません
・方角は西南が良い
・待ち人は来ない
・家の新築、引越し、婚礼、雇用、転職はすべて良くない
・なくした物は出てこない
・裁判は思い通りになるでしょうが、最初は良くない
・商売は売りをひかえめにするのが良いです。後になり利益が少し得られるでしょう
・生死に関わることは生きる
・勝負事は勝つでしょう
・大変なことになったと驚くことがあっても、案外簡単に収束する。

葛城の神の解釈は非常に難しいものの、一般的には葛城の神と言えば一言主神(ヒトコトヌシノカミ)を指す。また、奈良葛城一帯に広まった賀茂氏一族の信仰した神ともとらえることもでき、阿遅鉏高日子根神(アヂスキタカヒコネ)の可能性もある、奈良の高鴨神社にタカヒコネは祀られています。

戸隠神社おみくじ 57番

第五十七番 経津魂兆

石根樹根草片葉噤
安国成建布都之神

『吉』

是は千辛万苦して、其功をたてたるの兆なり。心を貞正にしてなすときは万事とげずという事なし、古きこしのものによりて事あるべし。上に立つ人はよし、下なるものは危う事あり心すべし。

◯此は香取の神宮を信心すべし・方向は西北の方よし・待人おそし・失せ物いづ・家造り引越し・よめとりむことり・人をかかへ・また職を求むるによし・訴訟事叶ふべし・勝負事十たびして十たび勝つべし・商いは買方半吉売り先十分と知るべし・生死は十に九つ生く・旅立は百里の道もこころづかひなし・何事も水にいて水に溺れず火によれどもやけぬこころをもつべきなり・くわ福はみのおこなひにありとしるべし。

内容を確認する
この兆しは、多くの辛抱苦労をして、功績を立てた神の兆しです。心を正しく節操を保てば、何をしても全て成し遂げられない事はない。古い劔の兆しなので、何事か重大事が起きるかもしれない。上に立つ人はよいが、部下は危険な事がある。注意するのがよい。

・香取神宮を信心しなさい
・方向は西北の方が縁起が良い
・待つ人が来るのは遅いだろう
・無くしたものは出てくる
・家を作ること引越し・嫁取り婿取り・人を雇うこと・職を求めることは皆良い
・訴訟は勝だろう
・勝負事は十回して十回とも勝つだろう
・商売をするのに、物を買うのは半吉、売るのには将来性十分と知っておくべきだ
・生死は十に九つ生きるだろう
・旅行は百里と遠い道も心配はないだろう
・何の事でも、水中では水に溺れずない、火を用いても火事にならないような心遣いをしなさい
・幸福は自分自身の行いから生じると心得ておきなさい。

戸隠神社おみくじ 59番

第五十九番 御国避兆

幽冥事顕露事々替(かくりことあらはのこととことかへて)
八十隈手隠給比奴(やそのくまでにかくれたまひぬ)

『吉』

是は功なり名とげての後代をゆづるの兆なり。あらはに行届き難き事ありとも、影身にそひてたすけつつ我が手がらとせず我がほまれをもほまれとせずして物事の治を楽しむ心なり。

〇此は砥鹿の大神を信心すべし・病事は本服すべし・方角は南の方よし・失物出づ・待人来る・旅立よし・家造引越し・よめとりむことり・人をかかへるによし・商てがたくして自然の仕合をまつべし・訴訟事思ひのままに叶ふべし・生死十にして九つは生く・勝負事進むときはまけ・退く時は勝つべし・何事も平かなる事をはかりてかりそめにも荒々しき事は好むべからず・吉事かへりて事をやぶることあれば心すべし。

内容を確認する
業績を上げ名誉も得て、次の世代に仕事を譲るという兆しです。はっきりと隅々までは行き届かなくても、陰で助けながら自分の手柄や名誉とせず、物事が安らかにうまく行くのを楽しんでいる心です。

・砥鹿の大神を信心しなさい。

・病気は完治します
・方角は南が良い
・失くし物は出る
・待ち人は来る
・旅立ちは良い
・家の新築や引越し、嫁とり婿取り、人を雇うことは良い
・商売は手堅く行って、自然の状態で幸せを待ちましょう
・訴訟事は思うとおりにかなう
・生死にかかわることは90%は生きる
・勝負事は進むと負け、退くと勝てるでしょう
・何事も平和であるように計らって、かりにも乱暴なことや無謀なことは好んではいけません。良い事があっても、かえって具合が悪くなることもあるから注意しなさい。

戸隠神社おみくじ 60番

第六十番 三穂先兆(みほのさきのうらかた)

『吉』

是は上に順ひ父にそむかず、身を安穏にたもつの兆しなり。万事仕合よき方におもむき、家内睦ましく世を楽しみ面白き月日を送るべし。物事取極むる事に用いて至りてよろし。身に過ぎたる望みをおこすべからず。

O此はおほなむちのかみすくなひこなのかみの二柱を信心すべし・病事は十に九つ本服すべし・失せ物いづ・方向は東の方よし・待人来る・旅立には用ひがたし出さきにて足などを病む事あるべし・家造家うつり・人をかかへるによし・訴訟事叶う・しかれども悪しき方には用ひがたし・生死十に七つ八つは生く・商ひ買方八分なり売り先十二ぶんなり・みくじ八十番の中是に過ぎたるはなし・勝負事はすべからず。

内容を確認する
目上の方の言う事、父親のいうことをよく聞き、安穏に過ごしましょう。万事よい方向に進み、家族は仲良く楽しく過ごせるだろう。物事は決まり事をうまく使えばすべてうまくいきます。身の丈以上の望みをしないこと。

大国主神(おおくにぬしのかみ)少名毘古那(すくなひこな)の2柱を信心しましょう。出雲大社、大神神社を信仰しましょう。

・病気は90%は回復する
・失くし物はでます
・方角は東が良い
・待ち人きます
・旅は良くない、出先で足を怪我する可能性に注意
・新築、引越し、雇用は良い
・訴訟事も願いが通るものの悪いことには使えません。
・生死にかかわることは70~80%は生きる
・商売は買うのは8分、売りは十二分の利益、戸隠神社の80番ある御籤の中にこれ以上の物はない。
・勝負事はさけるように

 

 

 

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