神社参拝をしていると特に有名な神社で「勅祭社」なる呼び名を目にすることがあります。
勅祭社とは
勅祭社は読み方を「ちょくさいしゃ」といい、特に皇室と歴史的に関係が深いことを表します。
実際にカテゴリーとして勅祭社というものがあるだけではなく、例祭や臨時祭のときには天皇陛下から直接のお使いである「勅使」が出されて、幣帛などがお供えされます。
勅使のお役目は皇室祭祀に関わるもので、国家の安泰や国民の福祉、世界平和といったものを祈念することになります。
現在は全国に16社が勅祭社として認められています。
勅祭社一覧はこちら
2020年時点の勅祭社の一覧は以下となります。
- 賀茂別雷神社 京都府京都市
- 賀茂御祖神社 京都府京都市
- 石清水八幡宮 京都府八幡市
- 春日大社 奈良県奈良市
- 氷川神社 埼玉県さいたま市
- 熱田神宮 愛知県名古屋市
- 出雲大社 島根県出雲市
- 鹿島神宮 茨城県鹿嶋市
- 香取神宮 千葉県香取市
- 橿原神宮 奈良県橿原市
- 近江神宮 滋賀県大津市
- 明治神宮 東京都渋谷区
- 平安神宮 京都府京都市
- 宇佐神宮 大分県宇佐市
- 香椎宮 福岡県福岡市
- 靖国神社 東京都千代田区
勅使が遣わされるなかに、伊勢の神宮が入っていないのは別格とされているためです。
ほとんどすべてのものは、毎年五大祭(月次祭を除く)に勅使が遣わされています。ただし、宇佐神宮と香椎宮は10年に一度、鹿島神宮と香取神宮は6年後との例祭に遣わされることになっています。また、靖国神社も特別で、春秋2度の大祭に勅使が参向することになっています。
勅祭社には○○神宮が多い
神社は数あれど、勅祭社に限ってみてみると「○○神宮」という名称の神社が多いことがわかります。
単に「神宮」というと、伊勢神宮の正式名称なのです。つまり、○○神宮という社号がついているのは、皇室の祖先神をお祀りしていることを示します。
現在では多くの神社に神宮の社号がつけられていますが、かつては伊勢の神宮意外には鹿島神宮と香取神宮だけしかなかったという特別なものだったのです。
また、「宮(みや・ぐう)」の社号を持つものも、神宮と似た意味のもの。福岡の筥崎宮のように古くから呼び名として用いられてきた神社のほかは、ほとんどが天皇や皇族をお祀りしている神社につけられています。
ちなみにこの「ミヤ」という読みは、尊い方が住むところという「御屋」から由来するという説がもっとも有力。神のお社は建造物ですので、これに敬称をつけたのです。