上野公園の中にたたずむ五條天神社
東京都台東区に鎮座する五條天神社(ごじょうてんじんじゃ)。
広大な上野公園の中にあるお社の周囲には、不忍池や上野動物園、東京国立博物館など、観光名所がたくさん。
第12代景行天皇の御代に創建された古いお社で、祀られている神さまは、医薬の神さま。
その他にも、天神さまがお祀りされています。
病気やケガの治癒を祈願したり、医療系の大学や専門学校への合格祈願をしたりするのにぴったりの神社・・・それが、五條天神社です。
五條天神社の御祭神
主祭神:大己貴命(オオムナチノミコト)、少名彦命(スクナヒコノミコト)
相殿神:菅原道真(すがはらのみちざね)
天神さまがいつ頃から祀られていたのかは、史料が残っていないため、はっきりしていません。
江戸時代の1641年(寛永18年)に、「天神社という名前なのに道真公の像がないのはおかしい」と、天海僧正(てんかいそうじょう)が道真公の像を開眼供養して、相殿に祀りました。
大己貴命は、素戔嗚命(スサノオノミコト)の国造りに協力して、医薬などを伝えた神さま。
別の名を、大国主命(オオクニヌシノミコト)と言います。
少彦名命)は、大己貴命と国造りをした神さまで、医薬や温泉、酒造りの神さまとして知られています。菅原道真公(すがはらのみちざね)は、の学問の神さまとして有名ですね。
厳しい受験勉強を続けたら、見事に合格を勝ち取りたいと誰もが願うもの。 合格を願う受験生を守護してくださる、神さまといえば、どなたを思い浮かべますか? 真っ先に全国各地にお祀りされている天満宮(天神さま)を思い浮かべたのではないで[…]
五條天神社の御祭神の神話
大己貴命は、素戔嗚命の娘・須勢理毘売命(スセリヒメノミコト)と結婚したのち、少彦名命と協力して国造りを行っていました。
神産巣日神(カミムスビノカミ)に寄って義兄弟となった2柱の神さまは、多くの山や川を造り、それらに名を与えて国造りをします。
こうして、この世である葦原中津国(あしはらのなかつくに)は形作られていったのですが・・・。
ある日、大己貴命は少彦名命)が小柄であることをからかってしまいました。
怒った少彦名命は、大己貴命を置き去りにして、海の彼方にある常世国に去ってしまいます。
ひとりでこれから国造りをどうすれば、と嘆き悲しむ大己貴命)の前に、大物主神(オオモノヌシノカミ)が現れ、「私を祀れば国造りはうまくいく」と伝えたのです。
大己貴命は言われたとおりに三輪山(奈良県桜井市)に大物主神を祀り、無事に国造りを終えることができたのでした。
どんなに仲が良く、気心が知れている間柄だとは言っても、相手が気にしていることをからかってはいけませんね。
五條天神社の歴史について
第12代景行天皇(けいこうてんのう)の御世、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東国の平定に赴きました。
そのときに、現在の上野公園一帯に立ち寄り、大己貴命(オオムナチノミコト)と少彦名命(スクナヒコナノミコト)を祀ったのが、創建の由来だと伝えられています。
室町時代の文献史料に「五條天神」という記述があることから、室町時代には上野に鎮座していたのは確実で、道真公もその頃には祀られていたということでしょう。
その後、上野の寛永寺の拡張工事などで何度か遷座を繰り返した五條天神社は、1928年(昭和3年)に、創建の場所に一番近い現在の場所に戻されました。
五條天神社周辺の見どころ
上野公園の中にある五條天神社ということで、春には満開の桜は一見の価値があります。
また、公園内には上野動物園や東京国立博物館、国立西洋美術館、国立科学博物館など、楽しめるスポットがたくさん。
五條天神社にお参りに行った帰りに、美術品を楽しむのもおすすめですよ。
東京藝術大学も、五條天神社のすぐそばですから、学祭の時期に合わせてお参りするのも素敵。上野は芸術の町。心豊かになれると思います。
五條天神社へのアクセス
・公共交通機関を利用する場合
JR東日本山手線・東京メトロ日比谷線、銀座線上野駅下車、徒歩約3分、京成電鉄本線京成上野駅下車、徒歩約3分
*東京都区内ということで、五條天神社へのお参りは公共交通機関の利用がおすすめ。
まとめ
東京都台東区に鎮座する五條天神社。上野公園の中は自然豊かで都会の中でも癒されながら参拝することが出来るパワースポットです。
祀られている神さまは、二柱の医薬の神さまと天神さま。
病気やケガの治癒を願う、あるいは医療系の学校への合格を祈願する方は、お参りしてはいかがでしょう。