伊那下神社とは?
静岡県賀茂郡に鎮座する伊那下神社。
古代の祭場の前に建てられた本殿には、たくさんの精霊が宿っているとされ、境内には精霊をかたどったたくさんの彫刻があります。
最近では古代の祭場が縁結びのパワースポットとしても有名になりつつあります。
良縁を願い、伊豆の豊かな自然に癒やされたい人に参拝をおすすめする神社。それが、伊那下神社です。
伊那下神社の御祭神
伊那下神社の御祭神は、彦火火出見命(ヒコホホデミミノミコト)と住吉三柱大神(すみよしみはしらのおおかみ)。
彦火火出見命は、火遠理命(ホオリノミコト)とも呼ばれる神さまで、初代神武天皇のお祖父様にあたる神様です。山幸彦という名前でも知られています。
住吉三柱大神は、底筒之男神・中筒之男神・上筒之男神という名前の三柱の神さまの総称。住吉三柱大神とは、海の神さまです。
伊那下神社の御祭神の神話は?
狩りが得意な彦火火出見命は、釣りが得意な兄・火闌降命(ホスセリノミコト)と互いの道具を交換し、海に釣りに出かけましたが、釣り針を失くしてしまいました。
剣から釣り針を造って渡しますが、それでも許してもらえません。
浜辺で泣いていた時に出会った神さまに海神の宮に連れて行ってもらえることになり、そこで美しい海神の娘の豊玉姫と出会って結婚します。
彦火火出見命が地上に帰るときに、海神は釣り針を見つけて返してやり、さらに兄から身を守る道具と呪文を渡しました。
身ごもった豊玉姫は地上で子供を生みますが、彦火火出見命は決してのぞいてはいけないと言われていた産屋をのぞいてしまい、妻の正体がサメだと知ってしまったのです。
本当の姿を見られた豊玉姫は海に帰ってしまい、自分の代わりに子供を育ててほしいと、妹の玉依姫を送りました。
成長した子供はのちに玉依姫と結婚し、4人の男の子に恵まれます。その末の男の子が初代天皇となる神武天皇になります。
伊那下神社の歴史について
伊那下神社の詳しい創建の由来はわかっていません。
この地域には、山そのものをご神体として祀る、石火族と呼ばれる人たちが住んでいました。
やがて山の中で神事を行っていた場所に、産業を守る神さまである彦火火出見命を祀る神社が創建されたと言われています。
史料が残っておらず創建の時期ははっきりしていませんが、平安時代の史料に「いなしりの明神」という記述が残っていることから、それ以前に創建されたのは間違いないでしょう。
また、住吉三柱大神が祀られたのは、神功皇后に由来するのだとか。
4世紀の新羅征伐のとき、この地の人たちが神功皇后の船を守ったことにちなみ、神功皇后にゆかりの深い住吉三柱大神を祀ったのだと言われています。
そうであれば、伊那下神社は創建から1500年ほどの年月がたったお社ということですね。
伊那下神社の見どころとパワースポット
古代の祭場
伊那下神社の本殿の裏には、古代の祭場があります。
近年は縁結びのパワースポットとして知られていますから、参拝後はぜひ立ち寄ってパワーを頂きましょう。
伊那下の七福神
御神水
境内には、24時間いつでも汲んでよい、天然の湧き水の御神水があります。
健康長寿のご利益がある龍の水と、学業成就のご利益がある天神さまの御神水がありますから、参拝の際にはぜひ。
御神木(いちょうの木)
御神木の親子いちょうは、樹齢約千年にもなる見事な大木で、若々しい気をいただけるパワースポットとして人気。
親子いちょうは、秋の紅葉の時期に、伊豆の海を航海する船が目印にしていたのだとか。
また境内の宝物殿には、源頼朝(みなもとのよりとも)が寄進したと言われる、国宝の鏡が陳列されていますから、ぜひ見学してみましょう。
松崎護国神社
伊那下神社へのアクセス
・公共交通機関を利用する場合
伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅下車、東海バス松崎行乗車約1時間30分、バス停松崎下車、徒歩約15分
・車を利用する場合
新東名高速道路長泉ICより伊豆縦貫自動車道進入、修善寺IC下車、国道136号経由約70分
まとめ
静岡県賀茂郡に鎮座する伊那下神社。
お社の創建がいつごろだったのかは不明ですが、古くからあるお社。境内には、24時間いつでも汲むことができる、天然の湧き水を用いた御神水があります。
運が良ければ木でできた彫刻を作っていると思われるチェンソーが見れるかも。
また、境内の周辺には、伊豆の新鮮な魚を用いた料理を味わうことができるお店が何軒もあります。参拝後は、ぜひ伊豆の魚料理を楽しんでくださいね。