出雲大社相模分祠とは?
神奈川県秦野市に鎮座する出雲大社相模分祠。
明治21年(1888年)、出雲大社から分霊して祀り始めたのがその始まりで、「関東のいづもさん」として親しまれています。
境内には、本家とはひとあじ違った御利益のあるものがあるといいます。島根の本家と同じ御利益だけではない恵みを参拝者にもたらす神社。それが、出雲大社相模分祠です。
出雲大社相模分祠の御祭神
大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)
出雲大社相模分祠のご利益は?
出雲大社相模分祠のご利益は、島根の出雲大社と同じ「縁結び」です。
縁結びというと、好きな人と結ばれますようにという祈願を思い浮かべる人は多いでしょう。
でも、縁結びはそれだけではありません。
良い仕事や人間関係に恵まれることや、その他の幸福と結ばれることも縁結びなのですよ。
また、大国主大神は幽冥界の主とされ、黄泉がえりの神でもあります。厄除けの神様として、災いや不幸から人々を遠ざけてもくださるというご利益も期待できます。
恋愛以外の良縁に恵まれたい、あるいは災いを遠ざける厄除けをお願いしたい関東地方にお住まいの方は、出雲大社相模分祠にお参りすると良いでしょう。
参拝のマナー
島根県の出雲大社と同様に出雲大社相模分祠でも、拝礼のマナーとしては
2礼4拍手1礼
となっています。
祈りの言葉として「幸魂 奇魂 守給 幸給」を3回唱えます。順番としては、お賽銭を入れて2礼4拍手の後、お唱えして最後に1礼でよいかと思います。
出雲大社相模分祠に関係する神話について
出雲大社相模分祠の御祭神は、島根県の出雲大社と同じ大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)。
天孫降臨前から日本にいらした国津神のひとりである大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)は、素戔嗚命(スサノオノミコト)の6世孫で、葦原中国(あしはらなかつくに)を完成させました。
ところが、高天原から天照大神(アマテラスオオミカミ)の使者がやってきて国を譲るように頼まれます。
大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)は高天原の神々と武力で戦い、また話し合いを行い、ついには国を譲り、幽冥界(あの世のこと)の主となることとなりました。
その交換条件として、大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)は、素戔嗚命(スサノオノミコト)から受け継いだ宮殿(出雲大社の本殿)を修復することを、天津神に約束させたのです。
ところで、大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)が住んでいたこの古代の宮殿は、高さが32丈(約96メートル)と言い伝えられ、平安時代頃は、16丈(約48メートル)あったとも言われています。
48メートルは17階建てのビルに匹敵する高さですし、96メートルは24階建てのビルに相当する高さですから、にわかには信じがたいですよね。
しかし、平成12年(2000年)に、出雲大社の本殿付近で発掘調査が行われ、直径1.35メートルの柱を3本金輪でひとつにまとめた、巨大な柱が発見されました。
さらに発掘された巨大柱の木材の年代を調査したところ、宝治2年(1248年)頃、実際に出雲大社の本殿を支えていた柱だということが判明したのです。
出雲大社の宮司・千家家に代々伝えられてきた古文書の絵図面に書かれた柱と、発掘された巨大柱の形状が一致したことから、鎌倉時代の出雲大社本殿は48メートルあったと考えられるようになりました。
さすがに96メートルは無理でしょうが、古代の出雲大社が相当な大きさの神殿だったことはある程度確かなようですね。
神話や伝承はこのように、言い伝えられていることの中にひっそりと真実が潜んでいるものなのです。
神社の見所とパワースポット
神社で行っておくべきポイントについてお伝えします。
摂社・末社
出雲大社相模分祠の境内には多くの摂社・末社が建てられています。ご縁があると感じたお社には、参拝しても良いでしょう。
御嶽神社
八坂神社
天神社・筑紫社・祓社
祖霊社
手水舎
出雲大社相模分祠のお水取りについて?
出雲大社相模分祠の境内の手水舎で使われているお水は、秦野盆地湧水群の湧き水。秦野盆地湧水群のお水は、環境省が選んだ名水100選のひとつです。
このお水は、持って帰ることができます。
ただし、手水舎ではなく、別の場所で「お水取り」する必要がある点は注意しましょう。
境内の西側に、平成19年(2007年)に植樹が始められた千年の杜と名付けられたエリアがあります。
夏にはホタルが舞うほど豊かな杜に育った千年の杜には、杜の守り神として、大国主大神のお使いである龍蛇神が祀られています。
龍蛇神のお社の前の地下51メートルから湧く水は、ゆずりの水として持ち帰ることが可能。
社務所で販売されているペットボトルを購入するか、あるいは自分でカラのペットボトルを持って行って、ぜひ御神水をいただきましょう。若返り効果があると言われています。
出雲大社相模分祠周辺の見どころと名物
出雲大社相模分祠の境内は、実は花の名所としても名高い。2月は梅が、3月は桜が見頃を迎えます。
また、歩いて20分ほどの距離にある、ブラックバス釣りで有名な震生湖は、秋の紅葉の名所としても神奈川県内では有名なスポット。
震生湖周辺では、秦野盆地湧水群のお水を使った手打ちうどんを楽しむこともできます。
出雲大社相模分祠へのアクセス
・公共交通機関を利用する場合
小田急線秦野駅下車、北口バス5番乗り場より秦18系統に乗車、バス停畑中あるいは出雲大社入口下車、徒歩約3分
・車を利用する場合
東名高速道路秦野中井IC下車、西大竹信号左折し、はだの桜みちを直進、出雲大社入口で右折、約10分
まとめ
神奈川県秦野市に鎮座する出雲大社相模分祠は、明治時代に島根の出雲大社から分霊して創建されました。
御祭神は大国主大神で、縁結びのご利益があるとされます。
御神水は、名水100選に指定されたお水で、大国主大神のお力で若返りの効力があるのだとか。
縁結びとは男女の仲を取り持つだけではなく、良い仕事や人間関係など、幸せになるものと人々を結びつけること。良いものとの縁結びを願いたい関東近郊の方は、秦野で祈願してはいかがでしょう?