敬満神社(静岡県島田市)|秦の始皇帝の子孫を祀る神社

敬満神社とは?

静岡県島田市に鎮座する敬満神社(けいまんじんじゃ、きょうまんじんじゃ)。

第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世に創建されたと伝わるお社ですが、社伝や史料が残っていないため、詳しいことがわかっていません。

神格が遠江国(とおとうみのくに、)の一宮である小國神社(おぐにじんじゃ)より高いにも関わらず、祀られている主祭神がどんな神さまなのか、いまだによくわからず、議論が絶えないのです。

創建の時期も、祀られている神さまの由来もよくわかっていない、ミステリアスなお社・・・それが、敬満神社です。

敬満神社の歴史

敬満神社は、第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世に創建されたと言い伝えられていますが、詳しい社伝や史料が残っていないので、詳しい創建の年代はわかっていません。

一説によれば、渡来系氏族の秦氏が、氏神を祀って創建したと言われており、また別の説では、第15代応神天皇(おうじんてんのう)の子孫が創建したとも言われています。

境内がもともと現在の場所にあったのか、それとも別の場所から遷座されたのかもはっきりわかっていません。

ただ、棟札に1597年(慶長2年)という年号が書かれていることから、戦国時代末期には敬満神社が現在地にあったのは確かなようです。

天正年間(1573年〜1593年)には、掛川藩主だった山内一豊公(やまのうちかずとよ)が、社領を寄進した記録が残っています。

戦国時代には武家から厚く信仰されていた敬満神社は、江戸時代以降も武家から厚く信仰されてきました。

敬満神社の御祭神

主祭神 敬満神(きょうまんしん、けいまんしん)。

その他に、少彦名命(スクナヒコノミコト)、天照大御神(アマテラスオオミカミ)、素戔嗚命(スサノオノミコト)など、合計9柱の神さまが祀られています。

御祭神について

主祭神の敬満神は、どんな神さまなのかよくわかっていません。ただ、平安時代に書かれた文献に敬満神社の主祭神が「敬満神霊」とあるので、敬満神がそれ以前からこの地で信仰されていたのは確かです。

一説によれば、敬満神は秦氏の祖先・功満王(こうまんおう)を神として祀ったのだとか。

秦氏といえば、大陸から渡来して日本列島に定着した一族。

神功皇后(じんぐうこうごう)と第15代応神天皇(おうじんてんのう)の時代に、数千人から1万人規模で大陸から渡来したという記録が残っています。

渡来した秦氏は、大王家(現在の天皇家の祖先)が朝廷を設立・運営するのを手伝ったと言われる一族で、大和国(現在の奈良県)から日本列島の各地に進出し、養蚕や土木を伝えたと言われています。

さて、応神天皇(おうじんてんのう)の御世に渡来した秦氏の中に、弓月君(ゆづきのきみ)という人がいました。

弓月君(ゆづきのきみ)は、秦の始皇帝の直系子孫と言われ、当時の秦氏の中心人物だった人です。功満王(こうまんおう)は、弓月君(ゆづきのきみ)の父親なのだとか。

全国に広がった秦氏の子孫のうち、遠江国(とおとうみのくに、現在の静岡県西部〜中部)に広がった人たちが、渡来したときの中心人物・弓月君(ゆづきのきみ)の父親を祖先神として祀ったのが、敬満神なのではないでしょうか。

人気漫画『キングダム』に登場する嬴政(えいせい、のちの秦の始皇帝)の子孫が、日本で神さまとして祀られているのだとしたら、歴史のロマンを感じてなんだかワクワクしませんか?

しかし、他の地域で秦氏が氏神を祀った神社が見られないことから、この説に否定的な見方もあります。

主祭神の敬満神は、少彦名命(スクナヒコノミコト)のことではないか、というのですね。江戸時代以降の文献史料には、主祭神は少彦名命(スクナヒコノミコト)となっていました。

明治時代以降もそう考えられていましたが、1938年(昭和13年)に主祭神は敬満神に戻されて現在に至ります。

敬満神社の見どころ

敬満神社の社務所には、宮司さんが普段はいらっしゃらないため、御朱印をいただきたい方は祭礼の時に参拝するようにしましょう。

拝殿

敬満神社の社殿は、1832年(天保3年)の建築です。

江戸時代に建てられた建築を、じっくりと見学させていただきましょう。

手水舎

大楠神社

敬満神社の境内から東に500メートルほど離れた場所に鎮座する大楠神社(おおくすじんじゃ)は、敬満神社の場外社で、542年に創建されたと言われる古いお社。

『日本書紀』の第16代仁徳天皇(にんとくてんのう)記にある、大井川を流れてきた大樹をクスノキと考え、その神霊を祀ったのがこの大楠神社ではないかと言われているお社。

境内の雰囲気はとても静かで穏やかですから、敬満神社に参拝したらこちらもぜひ。

周辺の見どころ

敬満神社のある島田市のお隣・榛原郡川根本町には、景色の素晴らしい寸又峡や日帰り温泉などがあります。

大井川鉄道では、年間300日以上SLを運行していますから、足を伸ばして乗車するのはとても楽しいですよ。

川名本町の大井川にかかるつり橋・「塩郷のつり橋」からは走るSLを撮影することが可能です。参拝の旅の思い出にぜひ、足を伸ばしてみてくださいね。

敬満神社へのアクセス

・公共交通機関を利用する場合

JR東海東海道線六合駅下車、静鉄バス湯日線乗車、バス停「谷口下」下車、徒歩約13分
*湯日線の起点の島田駅から乗車することも可能です

・車を利用する場合

東名高速道路焼津IC下車、県道34号経由、約20分

まとめ

遠江一宮の小國神社より高い神格を持つお社なのに、創建の時期だけではなく、祀られている神さまがどんな神さまなのかもよくわかっていない、敬満神社。

一説によれば、主祭神の敬満神は、秦の始皇帝の直系子孫なのだとか。

渡来人の秦氏が祖先を祀ったのであれば、皇帝だった人物の子孫ですから、一宮より神格が高くなるのはありえるのではないでしょうか。

創建の由来も祀られている神さまも謎に満ちている敬満神社。

気候が穏やかで観光地や美味しいものが多い静岡県中西部にご旅行の際は、ぜひ参拝してみてくださいね。

 

 

 

 

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