日々の生活を豊かにする上で、大切にしているのは食事。家族がいるのでご飯を食べる時間が幸せを感じられる時間なんです。
皆で食事をするのっていつも通りで何も感じない方も多いと思いますが、よく考えてみるととても貴重なんですよ。誰か一人でもちょっと健康を崩すだけで美味しい食事にはならないですし、雰囲気も和気あいあいとはいかないでしょう。笑って食事を囲む時間を味わうことでだいぶ幸せに近づけると思います。
食事は味覚で楽しむものですが、よりよくするためには食器にもこだわりたいですよね。
我が家はたまにある陶器市や作家さんのギャラリーに行ってよくお気に入りの焼きものを買いに行っているんです。今回は焼きものの町として知られる中で、特に歴史のある日本六古窯(におほんろっこよう)について特徴をお伝えしようと思います。
日本六古窯(にほんろっこよう)とは?
日本六古窯とは、古くから伝わる陶磁器窯の中で現代まで生産が続いている代表的な産地についてまとめたものです。この呼び方は1948年に古陶磁研究家である小山冨士夫さんによって名づけられました。現在では日本遺産に認定され、観光地としても人気が出始めています。
日本六古窯に選ばれている地域は「常滑」「瀬戸」「丹波」「信楽」「備前」「越前」の6つ。日本人にとってずっと日用品や生活用品を作り続けてきた大切な文化を守る地域になります。
常滑焼(とこなめやき)
古くから海路を使って全国各地に運ばれていた六古窯最大の生産地であるのが常滑。常滑焼は釉薬(ゆうやく)をつかわない焼締という手法で大型の壷やレンガを生産していた。現在では中国の急須を参考にして作られた急須が有名です。朱泥とよばれる鉄分の多い土と、窯の酸素濃度を調整して朱色~黒色の茶器を製造している。
急須の購入にオススメの作家さんを紹介します。
山田想
引用:常滑焼まるふく
人間国宝である三代 山田常山の孫にあたる若手作家ですが、幼少期より人間国宝と一緒に陶作を行っていたとあって非常に繊細で美しい急須を作っています。現代風でちょっと他の急須とはオーラが違う、存在感の大きい道具を使いたい方には非常に喜んでもらえるでしょう。
村越風月
引用:常滑焼まるふく
三代山田常山のお弟子さんに当たる方。愛知県優秀技能者県知事表彰など数々の賞を獲得する常滑焼の第一人者です。非常にバランスがよく、味わいのある急須が多いです。
鯉江廣
引用:長峰製茶
第1回 常山賞受賞(人間国宝 三代山田常山賞)するなど常滑焼を代表する作家さんです。常滑焼らしいオレンジ色の朱泥の急須は、最も一般的な形の中に美しさが感じられます。我が家はこの方の急須をいくつか所有しております。非常にあたたかく、手に持ったときに優しさが伝わってきます。非常にオススメですよ。
瀬戸焼(せとやき)
陶磁器のことを瀬戸物と呼ぶが、この陶磁器のなかで日本を代表する生産地であることがわかるでしょう。六古窯のなかで唯一釉薬を使った陶器を古くから扱っており、古瀬戸といいます。江戸時代後期になると時期の生産も開催され非常に多くの焼ものが作られた。
丹波焼(たんばやき)
兵庫県の山間にある丹波篠山。この地方に平安時代から焼ものが始まっており、焼成時にかかった自然釉を使った2つとない仕上がりが魅力。最近ではデザイン性に優れた作家さんの作品が集まる「立杭 陶の里」も多くの丹波焼が集まっており陶器好きなら是非訪れたい。
引用:陶の里公式HP
信楽焼(しがらきやき)
琵琶湖の南側の山の中にある地域で、昔から交通の要衝とされていた信楽。この地域で備前焼と同様に焼成によって様々な風合いとなるのが特徴の信楽焼。大甕や壷が多く作られており、タヌキの大きな置物が代表的な焼ものになります。近代になると、タイルや建築用材を製造しており岡本太郎の太陽の塔の顔にも使われている。
備前焼(びぜんやき)
焼締による素朴な味わいや派手ではなくわびさびを感じる簡素な風合いが茶人に人気となった備前焼。釉薬を使わないことによって焼きものの表面に表現される窯変(ようへん)も魅力的で、現在まで多くのファンがいる焼きものである。「立杭 陶の里」にはこの地で作品を作っている多くの作家さんの焼ものが集まっており非常に楽しい。
越前焼(えちぜんやき)
日本六古窯のなかで唯一日本海側にある焼ものの産地である越前。元々熊谷焼や織田焼などと呼ばれていた焼ものである。
常滑窯と同じ系統になるもので、焼締や灰釉(かいゆう)などを使った作風である。土も常滑同様に鉄分が多いという特徴がある。代表的なものに越前瓦があり、福井城や金沢城などで使用されている。