【神社の基礎知識】神紋・社紋の違いについて|由来から歴史を探ってみよう

神紋や社紋について気になった方、いよいよ神社に興味が出てきましたね。

神社参拝をしていて神社によって同じような紋が使われているなど、細かい部分を見れるようになってきたのは良いことです。

今回は神社の神紋と社紋の違いについて解説していきます。

神紋と社紋とは?

神紋は神さまがそれぞれにお持ちになっている紋章のこと。一方、社紋は神社の紋章のことです。

神紋・社紋は馴染みがないかもしれませんが、皆さんのお宅にある家紋と同じようなものです。結婚式や法事などで親戚一同がそろったときに、女性の留め袖に家紋が染められていたり、あるいは、先祖代々のお墓に家紋が刻まれていたりするのにお気づきの方は多いでしょう。

神様や神社にも同じように紋というもので、存在を明確にするという習わしがあるのです。

神紋と社紋は同じなの?

大多数の神社では、祀られている神さまの紋章をそのまま社紋として用いていますから、神紋は神社の紋章と考えても差し支えはありません。

複数の神さまが祀られている神社の場合は、主祭神の紋章が神紋と社紋として用いられていることがほとんど。

ただし、厳密に言えば神紋=神さまの紋章、社紋=神社の紋章ですから、神紋と社紋が異なる神社もあります。

神紋・社紋が異なる神社

火伏せのご利益で有名な秋葉山本宮秋葉神社は、神紋と社紋が異なる神社の代表例。神紋は七葉もみじを、社紋は剣花菱を用いています。

また、京都の八坂神社(祇園さん)は、神紋は素戔嗚命(スサノオノミコト)の三つ巴が、社紋は戦国武将の織田信長公(おだのぶながこう)の家紋・木瓜紋が使用されていることで知られます。

多くの神社では神紋=社紋と考えて良いのですが、意外と有名な神社の中にも両者が異なる神社もあるのですね。

神紋はいつ頃から使われ始めたの?

神紋が使われ始めたのは、平安時代だと言われています。

当時、公家で一族を示す紋章を使うようになっていました。

平安時代と言えば、「藤原氏でなければ人にあらず」と言われた藤原氏全盛期。藤原氏の一族は、藤を一族の紋章=家紋に用い始めたのです。

藤原氏の氏神である奈良の春日大社が、社紋として「下り藤」を用い始めたのもおそらく同じころだったのでしょう。

やがて鎌倉時代になると、多くの神社でも社紋が用いられるようになりました。

神紋の成り立ちは全部で4種類

神紋には、4種類の成り立ち方があります。

神社を象徴するモチーフ

1つ目は、神社に由来の深い植物や祭祀具を紋章に使ったもの。

代表例は、大神神社の杉や諏訪大社の梶をデザインしたものです。

神話や伝承からイメージ

2つめは、神社の伝承や伝説に由来するもの。

代表例は、菅原道真公(すがはらのみちざねこう)を祀る天満宮の神紋の梅で、道真公が梅の花をこよなく愛したことに由来しています。「東風吹かば匂いおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」という和歌は、大変有名ですね。

関わりある家の紋章

3つ目は、神社にゆかりの深い一族の家紋が元になったもの。

代表例は、徳川家康公(とくがわいえやすこう)を東照大権現(とうしょうだいごんげん)として祀った東照宮です。神紋は徳川家の家紋・三つ葉葵が使われています。

また、3つ目の成り立ちには、その神社を厚く信仰していた武家や公家から、家紋が寄進された例もあります。

神紋と社紋が異なる神社で例としてあげた、秋葉山本宮秋葉神社の社紋の剣花菱は、戦国時代の武将・武田信玄公(たけだしんげんこう)が、家紋の四割菱を寄進したものですよ。

京都の八坂神社の社紋も、武将由来ですね。

菊の御紋

これまでの3つの神紋・社紋とは成り立ちとは別格ものが「菊の御紋」。

こちらについては詳しく解説していきましょう。

神紋・社紋に菊の御紋が用いられている場合

神紋・社紋の4つ目の成り立ちは、菊の御紋が用いられる場合でした。

菊の御紋は天皇家の紋章になります。

菊の御紋を神紋・社紋に用いている多くの神社は、歴代の天皇や皇子などの皇族、あるいは『古事記』や『日本書紀』に登場する天皇家の祖先が御祭神として祀られている神社ということを意味します。

埼玉県秩父市の秩父神社はその一例。昭和天皇の次弟・秩父宮雍仁親王(ちちぶのみややすひとしんのう)は、1953年(昭和28年)の逝去後、宮号の由来となった秩父神社に祀られました。

もともと、秩父神社の神紋は葵と銀杏でしたが、秩父宮殿下が合祀されたのち、十六弁の菊の御紋が用いられています。

このように、菊の御紋が用いられるのは、歴代天皇と皇族、その祖先。また、それと関わりが深い神社ということになります。

意外にも伊勢神宮は花菱紋

「神宮」と称される、天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀る伊勢神宮の内宮の御神紋は、意外にも花菱紋が使われています。

特別に許された官幣大社が菊の御紋を使っているなどの例外もありますが、お参りした神社に菊の御紋が使われていたら、「天皇家と関係があるのかな」と考えて間違いはないでしょう。

まとめ

神紋は神さまの紋章で、社紋は神社の紋章です。

多くの神社では、祀られている神さまの神紋をそのまま社紋として使っていますから、神紋=社紋と考えてもおおよそ間違いではないでしょう。

なかには神紋と社紋を分けて使っている神社もありますので、是非神社参拝の時に観察してみてください。

神紋と社紋の成り立ちには4種類あり、由来する植物や伝承、縁の深かった武将や公家の家紋に由来するものの他に、天皇家に由来するものがありました。

ご自宅の近くの神社には、どのような神紋・社紋が使われているのか、調べてみると郷土史に興味が持てるかもしれません。

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