神様は皆、2極の正反対にある性質があるのをご存知でしょうか。神様の霊魂は荒魂と和魂の2つの面があるのです。
荒魂とは神様の荒々しい側面のことを指し、より活動的、積極的、勇猛などの姿が現われます。この激しい姿は時に天変地異としてとらえられたり、疫病は災害のような姿になることもあります。
一方で和魂は、人間からすると恵みと呼ばれるような優しい姿です。より優しく平和的、静的な印象を与えるのはこの性質のものです。
これら2つの面は通常は一つの神様の中に統一されているのが一般的ですが、特別な場合には分離することがあります。
荒魂と和魂が別れて祀られている例
荒魂と和魂が分けて祀られている神社として有名なのは、伊勢神宮でしょう。アマテラスオオミカミは皇大神宮に和魂、荒祭宮に荒魂が別にお社を構えております。荒祭宮は伊勢神宮の内宮の境内にある別宮となります。祭神は天照坐皇大御神荒御魂、参拝は和魂である正宮を参拝した後に訪れましょう。
また、外宮では豊受大御神が祀られていますが、荒魂は多賀宮に祀られています。その他伊勢神宮の別宮となる月読宮・月読荒御魂宮なども有名です。
荒御魂というと怖いという印象を持ってしまいがちですが、避けるような神様ではありません。古くいらなくなったものを手放し、新しいものを生み出す強力なエネルギーを持っているからです。