大雄山最乗寺はどんなお寺?
神奈川県南足柄市に鎮座する、600年以上の長い歴史をもつ大雄山最乗寺。
わずか1年で寺を建てた僧侶が、のちに山と寺を守るため、天狗となって飛び去ったと言われています。
その僧侶は「道了尊」と呼ばれるようになり、今も人々から「道了さん」などと信仰されているお寺です。足柄の地に豊かな自然に囲まれた天狗の伝説が残る寺、それが大雄山最乗寺です。
大雄山最乗寺の歴史は?
大雄山最乗寺の開基は、南北朝時代にさかのぼります。
開基の僧侶・了庵慧明(りょうあんえみょう)禅師は、1337年(建武4年)に相模国(神奈川県)で生まれました。
禅宗の臨済宗で仏教の修行を始めましたが、のちに丹波国(兵庫県)で曹洞宗に改宗し、複数のお寺で住職を務めたのち、50歳を過ぎて故郷に戻って庵を開きます。
ある日、庵にいた了庵慧明禅師の袈裟(けさ)を大鷲が掴み、飛び去ったのです。袈裟は足柄の山中の松に掛けられていました。この出来事を仏さまの啓示と考え、山中にお寺を建立することを決意したのです。
この時、弟子の妙覚道了(みょうかくどうりょう)は、近江国(滋賀県)の三井寺園城寺で若い僧侶を指導していましたが、師匠が寺を開くと知り、手伝うために近江から相模に飛んできました。
その怪力で寺の建設を行い、わずか1年で大寺を築き上げたのだとか。こうして、1394年(応永元年)3月10日に、大雄山最乗寺は開かれました。
それから17年後の1411年(応永18年)に、了庵慧明禅師は75歳で亡くなります。すると妙覚道了は、「これからは山中で大雄山を護り、多くの人を救済する」と言い残し、天狗となって飛び去りました。それ以来、道了尊と呼ばれるようになり、諸願成就の守り神として信仰されるようになったのです。
大雄山最乗寺のみどころとパワースポット
大雄山最乗寺の境内では、8つのパワースポットをめぐるスタンプラリーが開催されています。
パワースポットは、本尊・釈迦牟尼仏が祀られた本殿、上に不動明王が祀られた不動堂がある清滝、結界門、妙覚宝殿、奥の院、三面殿、慧春尼堂、座禅石の8つ。
結界門
結界門の先は、大雄山最乗寺の一番のパワースポットである道了尊の領域です。
妙覚宝殿
道了尊が祀られた妙覚宝殿があり、その先には十一面観音が祀られた奥の院があります。
奥の院
十一面観音の化身と考えられている道了尊。
そのため、妙覚宝殿と奥の院はともに大雄山最乗寺の最大のパワースポットなのですよ。
その先には、金運のご利益がある三面大黒尊天が祀られた三面殿、女性におすすめのパワースポットである慧春尼堂と、了庵慧明禅師が座禅を組んだと言われる座禅石があります。
これら8つのパワースポットめぐるスタンプラリーに参加して、身の回りに良いことを引き寄せましょう。スタンプラリーの受付は総受付窓口で午前8時半〜午後3時まで、午後16時までに戻ると記念品を頂けますよ。
大雄山最乗寺周辺の見どころと名物
大雄山駅から3キロの道のりを歩いていくこともできる大雄山最乗寺。
足柄の大自然に囲まれた大雄山最乗寺は、四季折々の美しい光景を楽しむことができます。大雄山最乗寺周辺はハイキングコースとしても知られていますから、お参りしたあとに周囲を散策するのはおすすめ。
天気の良い日はバスではなく、「かながわ美杉50選」に指定された杉木立の参道で森林浴をしながら駅から歩いていくと気持ちが良いですよ。
参道では、梅雨時にはキレイなあじさいが咲き、秋には見事な紅葉が山門付近で見ることができます。
大雄山最乗寺周辺にはいくつか宿泊施設があり、宿泊施設には日帰り入浴が楽しめる温泉も。
最乗寺には宿坊も用意されているので、最乗寺でご利益をお願いし、宿泊してゆったりと足柄の自然を楽しむのも良いですね。
天狗せんべい
天狗伝説が残る大雄山最乗寺周辺の名物は、天狗せんべい。
天狗が持つ葉扇をかたどった天狗せんべいは、サクサクとした食感が大人気だとか。
大雄山最乗寺に参拝したら、ぜひ食べてくださいね。
大雄山最乗寺へのアクセス
・公共交通機関を利用する場合
伊豆箱根登山鉄道小田原駅より大雄山線大雄山駅下車、伊豆箱根バスで終点・道了尊下車。
・車を利用する場合
東名高速道路大井松田IC下車、道了尊まで20分
まとめ
神奈川県南足柄市に鎮座する、大雄山最乗寺。
天狗の伝説で知られおり、今では諸願成就の道了尊として、人々から親しまれているお寺です。
豊かな自然に癒やされながら、諸願成就のお参りをしてはいかがでしょう?