伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)とは
淡路島に鎮座する伊弉諾神宮は日本最古ともいわれる神社の一つです。「いっくさん」との愛称で呼ばれ親しまれています。御祭神は古事記や日本書紀で国生みの神話に登場する伊弉諾尊と伊邪那美になります。
男神である伊弉諾と女神の伊邪那美は日本の八島を作った神様。さらに伊弉諾は天照大神、月読、スサノヲなど三貴神をはじめ多くの神様を誕生させます。
伊弉諾は最初にできた淡路島の多賀に幽宮(かくりのみや)を築いて隠居しました。この跡地に建てられたのが伊弉諾神宮のはじまりといわれています。参道にはかなり長い距離の灯篭が並べられて地域の信仰もあついことが分かる。
伊弉諾神宮の歴史
伊弉諾神宮は、「古事記」「日本書紀」に記載されている中で最も古い神社です。まだ天と地が混じり合っていた頃、伊弉諾尊と伊弉冉尊は天地をつなぐ通路だった天の浮橋に立ち、天の沼矛で地上をかき回したといいます。すると、矛の先から滴り落ちたものが積もって於能凝呂島という島ができあがったのだそう。
その島に降り立った二柱は、淡路島・四国・隠岐・九州・壱岐・対馬・佐渡・本州の八州を次々と生みました。
これが日本の国土の誕生です。国を生み終えた伊弉諾尊は、娘である天照大御神に国を治める役目を譲り、最初に生んだ淡路島の多賀に幽宮を建てて余生を過ごしました。
幽宮は、伊弉諾尊が太陽を司る天照大御神の父であることから、夕日を表す「日之少宮」という名前でも呼ばれています。その幽宮の跡地に、伊弉諾尊のお墓である神陵を作り、祀ったのが伊弉諾神宮の始まりです。かつては禁足地とされていた神陵ですが、明治時代に整地され、墳丘の真上に本殿が移されました。
伊弉諾神宮の御祭神
伊弉諾大神(伊邪那岐命)
伊弉冉大神(伊邪那美命)
伊弉諾神宮のご利益
開運厄除け、心身浄化、病気平癒、安産・子授け、夫婦円満、縁結び
神社の見所とパワースポット
伊弉諾神宮は、全国各地の古社を繋ぐ重要な存在だと考えられています。太陽は、春分・秋分には伊勢神宮の方角から昇って海神神社の方角へ沈み、夏至には諏訪大社から出雲大社、冬至には熊野那智大社から高千穂神社へと移動するのだそう。この太陽の運行ルートの中心に位置しているのが伊弉諾神宮です。伊弉諾神宮の境内には、それを表す「陽の道しるべ」という石碑が設置されています。
伊弉諾神宮はレイラインとも関連の強い神社
- 真東に伊勢神宮
- 夏至日の出の方角に「諏訪大社前宮(信濃国一之宮)」
- 夏至日の入りの方角に「出雲大社(出雲国一之宮)」
- 冬至日の出の方角に「熊野本宮大社・熊野那智大社」
- 冬至日の入りの方角に「高千穂神社」
境内には伊勢神宮の遥排所もあり、方角をかなり意識して神社が建てられていることが分かります。
拝殿
竈神社・根神社
リーブ21の頭髪感謝碑
大阪に会社のあるリーブ21が発毛の日に髪の毛への感謝を碑として納めたようです。「髪」は「カミ」と読むことから神聖なものと考えられているため、国生みの聖地である伊弉諾神宮を信仰されているのでしょうね。
夫婦の大クス
日本で最初の夫婦であり国土や多くの神様を生み出した伊弉諾尊と伊弉冉尊を祀る伊弉諾神宮は、夫婦円満や安産子授けなどのご利益がある神社として有名です。
境内の夫婦の大クスは2柱が宿るご神木とされ、夫婦円満や子宝のご利益があると信仰されています。そのパワーを特に強く感じることができるのが、樹齢900年を数えるというこの夫婦大楠。
伊弉諾尊と伊弉冉尊の関係を表すような形をしたこの木は、もともと二株だった楠が成長する過程で合わさり一株になったもの。二柱の神様の魂が宿るといわれ、強力なパワースポットとなっています。
岩楠神社
夫婦の大楠の根本に鎮座するお社。子授け・安産の神とされる蛭子命が祀られている。
亀の手水舎
伊弉諾神宮の手水舎は非常に珍しいんです。なんと、お水が出る場所には亀がいらっしゃいます。
地図
近くのオススメスポット
淡路島は、お香やお線香の生産地として知られ、その生産量は日本一です。様々な色や香りが楽しめるお香は、幅広い年代の方に喜ばれるおみやげとなっています。