お正月になるとおもちを2段重ねて作った鏡餅。
お正月の間は神仏にお供えして床の間などに飾る鏡餅は、鏡開きの日に小さく割っておしるこにして食べる伝統があります。
この鏡開きは古くは、1月20日に行われていました。最近では鏡開きは1月11日に行われるのが最も一般的になっています。
鏡開きでおしるこを食べるのは神社で神様へのお供えをいただく直会の意味があります。
鏡餅の意味
鏡餅には、その年の年神様の魂が宿ると考えられていました。この魂を「年魂」といいます。年魂はその年を生活するのに必要な神様からいただく力やエネルギーのことを指します。
鏡餅をいただくことで一年がうまくいくように願ってきたのでしょうね。
このように神様の魂が宿るお餅になるので、鏡開きの時にはお餅を切るという表現を避けて「開く」という言い回しをしているのです。
お餅を分けるときも、本当の方法は包丁などの刃物を使わずに手や槌で割って小さくします。
日本では神様に関係するお祝いの食事には言霊の力を大切にしているのがわかりますね。
おしるこはお清めの力が強いって知ってる?
鏡開きの時におしるこにしていただくことが多いと思いますが、これにも実は意味があるのです。
時間がたったお餅だからお湯で煮るというだけではないんです。
実は小豆、塩、お水と邪気を祓うことがデキるものでお清めの効果があるのです。
小豆は赤色をしており、これは炎の色で魔よけの力が強いとされます。食べ物の成分を考えても薬膳料理に使われるほどの効果があるもの。さらにお砂糖だけでなくお塩をいれたり、お水を使ったりとご神事でお清めやお供えに使うもので構成されていることに気付くでしょう。
魔除けには、赤い色や黒い色がよく使われており、おしるこはこの条件にぴったりとくる食べ物なのです。
五行を考えると赤色は火の気、黒い色は水の気を表します。邪気を祓うことを考えると、火と水の力を使うのがとても効果が高いのです。
年の初めにしっかりと邪気を祓うことで、一年を健康にすごせるというおまじないになっているのでしょう。
鏡開きのお餅は出来れば一度焼いてから
鏡開きのお餅を調理するときには、是非一度焼いてからにすると良いでしょう。
上でおしるこの赤色がお清めに効くことをお話しましたが、さらに強力なのが炎です。
炎は非常に強い浄化の作用があります。
どんど焼きやお焚き上げなどでも使われますが、すべてを焼いて天に返すという力があります。軽くおもちを炎であぶってあげる事で浄化のパワーがアップします。
ちょっとお手間かもしれませんが是非試してみてください。