元伊勢の始まりの地〜大神神社(奈良県桜井市)

奈良県桜井市(ならけんさくらいし)に鎮座する大神神社(おおみわじんじゃ)。

本殿を持たず、御神体の三輪山(みわやま)を三ツ鳥居から拝する、古代の祭祀が残されている神社です。

大神神社は、日本最古の神社の候補の一つ。

摂社の檜原神社は、元伊勢の始まりの地ではないかと言われています。

古代の祭祀が今も残されている、日本最古のお社候補の一つ・・・それが、大神神社です。

大神神社とは?

大神神社は日本最古の神社の一つ。

大神神社の詳しい創建の由来は、わかっていません。

『古事記』『日本書紀』に残された、大神神社の創建の話には、二柱の神さまが登場します。

 

大己貴神(おおむなちのかみ)は、少彦名神(すくなびこのかみ)と協力して国づくりを行っていました。

ところがある日、大己貴神は、少彦名神が小柄なことをからかってしまい、怒らせてしまいます。

怒った少彦名神は、大己貴神を置き去りして、常世(とこよ、神さまの暮らす世界)に帰ってしまったのです。

「ひとりで、どうやってこれからどうやって国づくりをしていけばいいのだ・・・」と途方に暮れた大己貴神。

嘆く大己貴神の前に、一柱の神さまが現れ、「私を大和国の東の山に祀れば、国づくりに協力してやろう」と告げました。

目の前に現れたその神の名は、大物主神(おおものぬしのかみ)と言いました。

さらに、その神は大己貴神の和魂(にぎみたま)だったのです。

こうして、大物主神は、大和国の東側の山である三輪山に祀られることになりました。

記紀(古事記と日本書紀の総称)に創建にまつわる話が残されているほど、大神神社が長い歴史を持つ神社だということですよね。

大神神社は、第10代崇神天皇(すじんてんのう)の御代には、国づくりの神として厚く信仰されていました。

オオミワの音の意味について

ちなみに、「ミワ」という音には、「神」や「神に仕える巫女」と言う意味があります。

ですから、「オオミワ」という音は、「大いなる神」を意味しているわけですね。

名前が表す通り、大神神社は「大いなる神」が宿る神社なのでしょう。

 

本殿を持たない神社のひとつ

大神神社は三輪山をご神体としている大神神社。

本殿を持たない古くからの神道の形を今に残している神社となっていて、参拝は拝殿の奥にある独特の形式の三ツ鳥居を通して行います。拝殿と三ツ鳥居は共に国の重要文化財に指定されています。

また、中世から江戸時代末期までは大御輪寺・平等寺・浄願寺の3つの神宮寺があり、神仏習合の三輪流神道の中心地として全国から信仰を集めました。

 

大神神社の御祭神

大物主大神
大己貴神
少彦名神

国づくりの神さまである大物主神は、医薬や方位除けなどの守護だけではなく、ありとあらゆる人間の生活を守護する神さまとしても知られています。

配祀神は、大己貴神と少彦名神。

その他に、摂社とそこに祀られている神さまは以下の通り。

活日神社(いくひじんじゃ)

記録に残る最古の杜氏(とうじ、日本酒を作る職人のこと)を、酒の神として祀る神社

磐座神社(いわくらじんじゃ)

三輪山周辺の磐座の中心で、少彦名神を祀る神社

神坐日向神社(みわにますひむかいじんじゃ)

三輪氏の祖先を祀る神社

狭井神社(さいじんじゃ)

三輪山に入山する登拝口を持つ、大物主神の荒魂を祀る神社

大直禰子神社(おおたたねこじんじゃ)

大物主神の子孫と言われている、大田田根子を祀る神社。もともとは大神神社の神宮寺だったが、廃仏棄釈で神社に改められました。

神御前神社(かみのごぜんじんじゃ)

奈良県の有名な前方後円墳・箸墓の被葬者と言われる、倭迹迹日百襲姫命(やまととびももそひめ)を祀る神社

綱越神社(つなこしじんじゃ)

祓戸大神を祀る神社。参拝前にお参りしてお清めすると良いです。

檜原神社(ひばらじんじゃ)

天照大神(アマテラスオオミカミ)と伊弉諾命(イザナギノミコト)、伊弉冉尊(イザナミノミコト)を祀り、元伊勢の初代だと考えられている神社

高宮神社(こうのみやじんじゃ)

日向御子神を祀り、三輪山の山頂に鎮座する神社。

玉列神社(たまつらじんじゃ)

毎年3月に椿祭りが行われている、春日大神(かすがのかみ)を祀る神社

 

奈良市内にも大神神社の摂社の率川神社(いさがわ神社)があり、初代神武天皇の皇后・媛蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメ)が祀られています。

大神神社には、摂社だけではなく8つの末社があり、合格祈願や厄除など、様々な願い事を叶えてくださる神さまが祀られています。

大物主神のご利益だけではなく、こうした摂社・末社の神さまのご利益も加えたら、大神神社で叶わない願い事を探す方が難しいかもしれません。

大神神社の境内のパワースポット

大神神社の御神体でもある三輪山には、狭井神社にある登拝口から登ることができます。

狭井神社の受付で登拝料を納め、許可をいただいてから入山することになります。

三輪山は、かつては神職や僧侶以外は立ち入ることができない禁足地とされ一般の人々は入山することができませんでしたが、現在では信者からの要望により入山登拝が許可されています。

しかし、ご神体に登ることになるため敬虔な心を持ち規則に従って入山しなければいけません。

また、勾配がきつく体調によっては登ることが困難になるため気軽な気持ちでは入山することはできません。パワースポットとして有名ですが、呼ばれないと登ることできないともいわれる、たいへん神聖な土地となっています。

 

大神神社の三輪山登拝の入山条件は、以下の通り。

  • 三輪山登拝料 300円
  • 受付時間 午前9時から正午まで
  • 下山報告 午後4時まで
  • 山中では水分補給以外の飲食禁止、カメラ・ビデオでの撮影禁止、スケッチなど禁止

周辺の見どころ

大神神社の参拝のあとは、ぜひ、山辺の道を散策して、近くの神社やお寺の拝観を。

大神神社から歩いて9分の距離にある今西酒造は、大神神社にもゆかりの深い、1660年(万治3年)創業の老舗です。

杜氏の案内で、酒蔵の見学や利酒を楽しめますよ。

今西酒造の蔵主や杜氏、大神神社の氏子さんが大神神社や三輪町を案内してくださるガイドツアー(聖地巡盃ツアー)もやっていますから、参加するといろいろな話が聞けて楽しめるのでおすすめ。

名物の三輪そうめんは、大神神社の山道脇の飲食店で楽しみましょう。

三輪地方の特産品には三輪そうめんがあります。三輪そうめんはそうめんの起源ともいわれ、大神神社にもそうめんの発祥にまつわる伝説が残っています。

大神神社へのアクセス

・公共交通機関を利用する場合
JR西日本桜井線三輪駅下車、徒歩約5分

・車を利用する場合
西名阪自動車道天理インター下車、 国道169号経由、約30分

まとめ

奈良県桜井市に鎮座する、大神神社。

詳しい創建の由来は不明ですが、『古事記』『日本書紀』に創建にまつわる話が記録されている、日本で最古と考えられるお社の一つです。

摂社の桧原神社は、元伊勢の始まりではないかと指摘されているほど、古いお社ですよ。

主祭神の大物主神は、人間の生活を守護する神さま。

さらに、多くの摂社・末社に祀られている神さまのご利益は、ほとんどのご利益を網羅していると言っても過言ではありません。

大神神社の周辺は、紹介し切れないほどの観光スポットがあります。

奈良を訪れたら、ぜひ大神神社に参拝してくださいね。

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