焼津神社とは?
静岡県焼津市に鎮座する焼津神社。
焼津神社は、「焼津」という地名の由来にもなったのだとか。
第18代反正天皇の御代に創建されたと言われる古いお社で、主祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)です。
もともと常世国の神さまをお迎えする「神さまの道」にあった、古い祭祀が元になった神社だという別の説も。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が上げた武功で、国土平穏、家内安全などのご利益があると言われる焼津神社。
何かとの戦いに勝利をあげたいと願う方に、参拝をおすすめしたい神社・・・それが、焼津神社です。
焼津神社の御祭神
主祭神 日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。
相殿神 吉備武彦命(キビノタケヒコノミコト)、大伴武日連命(オオトモノタケヒムラジノミコト)、七束脛命(ナナツカハギノミコト)
相殿神の神様は、日本武尊が東国を平定する時に従っていた家臣であった三柱となります。
日本武尊は第12代景行天皇の皇子。
九州の熊襲討伐を命じられ、見事に果たした後に大和に帰還します。さらにその直後に東国平定を命じられた皇子で、その大和に帰還する途上で亡くなりました。
焼津神社には末社に市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)を祀る市杵島姫命社と、素戔嗚命(スサノオノミコト)と奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)と大己貴命(オオムナチノミコト)を祀る須賀神社があります。
焼津神社には、杵島姫命社がもともとの御祭神だったのではないかという説もあるのです。
焼津神社の見どころとパワースポット
拝殿
手水舎
焼津天満宮
末社 春日社、橘姫社、八幡社、天王社、稲荷社、竃神社、浅間神社
市杵島姫命社
焼津神社の御祭神の神話について
日本武尊は、双子の兄弟で、もともとの名を小碓命(おうすのみこと)と言います。
兄・大碓命(おおうすのみこと)は、父・第12代景行天皇の妃を寝取ってしまいました。
景行天皇は小碓命に、「兄を懲らしめるように」と命じますが、日本武尊)はこの命令を間違って解釈してしまい、兄を殺してしまいます。
兄を殺した息子を恐れるようになった父・景行天皇は、九州の熊襲(くまそ)討伐を命じ、日本武尊を大和から追い出しました。
ところが、日本武尊は熊襲を見事に討ち果たし、意気揚々と大和に帰ってきたのです。
驚いた父・景行天皇は、日本武尊に、さらに東国の平定を命じました。
「父上は私を嫌っておられるのか」と嘆き悲しむ日本武尊)に、叔母・倭姫命(ヤマトヒメノミコト)は、守り刀として草薙剣(くさなぎのつるぎ)を与えたのです。
こうして、東国平定に向かった日本武尊(ヤマトタケルノミコト)でしたが、その途上、現在の静岡県焼津市近辺で、火攻めの攻撃を受けました。
その時、叔母からもらった草薙剣で草を薙ぎ払い、難を逃れたのです。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)のこの故事によって、その土地は「ヤキツ」と名付けられ、やがて「焼津(やいづ)」と呼ばれるようになりました。
その後、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は伊吹山(岐阜県)の神と対決する際に、叔母が託した守り刀・草薙剣(くさなぎのつるぎ)を持たずに素手で立ち向かってしまい、敗れて病にかかります。
大和に帰ろうとしますが、現在の三重県亀山市近辺で
山隠れる 倭し麗し
という和歌を残し、病のために亡くなりました。
焼津神社は、日本武尊の故事を今に伝える神社ということ。歴史を感じられますね。
焼津神社の歴史
焼津神社は、第18代反正天皇(はんぜいてんのう)の御世、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の武功を記念して創建されたと伝えられています。
別の説も提唱されているのですよ。
焼津周辺には古墳時代から集落が形成されていました。
その時代からの祭祀の痕跡が海に向かって伸びていることから、海の向こうの常世国から神さまを迎えるための「神さまの道」だったのではないかと考えられています。
この「神さまの道」が焼津神社のもともとの祭祀だったのではないかという説も唱えられているのです。
だとすれば、宗像三女神の一柱である市杵島姫命がもともとの御祭神だったというのもうなずける説ですね。
いずれにせよ、平安時代の927年(延長5年)の『延喜式』に焼津神社の名前が記載されていることから、その頃には焼津神社があったことは間違いないでしょう。
戦国時代には今川氏から厚く信仰され、1602年(慶長7年)には、徳川家康(とくがわいえやす)から領地を与えられました。
焼津神社周辺の見どころ
かつおで有名な漁港でもある焼津。
焼津には、かつおだけではなく、安く魚介類を購入したり、その場で食べたりできる、焼津さかなセンターがあります。
焼津ICからほど近い場所にあるので、焼津神社に参拝した帰りに、焼津の新鮮な魚介類を楽しんでみてはいかがでしょう?
また、焼津には温泉もあります。
焼津駅から徒歩2分の距離にあるエキチカ温泉くろしおは、日帰り温泉や焼津のおいしい魚介類を楽しめる飲食店が用意されたリラクゼーション・スポット。
参拝のあとで、温泉でリラックスするのはおすすめですよ。
焼津神社へのアクセス
・公共交通機関を利用する場合
JR東海東海道本線焼津駅下車、徒歩約15分
・自動車を利用する場合
東名高速道路焼津IC下車、国道81号経由、約10分
まとめ
静岡県焼津市に鎮座する焼津神社。
創建から1600年以上たったと言われる古いお社で、主祭神は日本武尊でした。この神様の神話が、そのまま焼津という地名の由来になったとも言われています。
かつおの漁港としても有名な焼津には、安くておいしい魚介類を楽しめるお店がたくさん。焼津神社に参拝したら、温泉もある焼津の街も楽しんでみてください。地のものを食べるのは大切ですよ。