神社で砂利が敷かれている理由|石の上を歩くのはマナー違反?

多くの大きな神社へ行くと本殿周辺や参道に玉砂利を敷いているのを見るでしょう。当たり前となっているこの神社の光景に疑問を持つ方も多いと思います。

今回は神社で玉砂利が敷かれている理由と、歩いても良いのかについて書いていきたいと思います。

玉砂利が敷かれている理由

早速玉砂利が神社の境内に敷かれている理由についてお伝えすると、

清浄さを保つため。

これに尽きます。神社の玉砂利は境内の清らかさを保つための道具なのです。これは「明浄正直」を理想とする神道の心を象徴するもののひとつとも考えられます。

石というところにパワーを感じるというのもあるでしょうが、玉砂利で敷き詰められた様子は非常に気持ちが良いですよね。

そのひとつの効果としては、雨が降ったときに神社の建物に土がはねて傷ませてしまうのを防ぐ効果があるでしょう。また、雨天の後に砂利にしておけば水が溜まらなくなるので儀式を敢行しやすい。儀式は昔は多くは社殿の外の屋根のないところで行われていたことも多く、玉砂利は非常に実用的だったのでしょう。

他にも、雑草などが生えてくるのを防ぐためというのも理由のひとつだと考えます。自然との調和がなされている神社の境内ですが、広い境内に草があちこちに生えていたら見た目の神聖さを汚す可能性があります。草刈なども不要になるなど、玉砂利の効果が期待できます。

石を大切にしていることが分かる事例

神社で石を敷くことに意味を持たせていることが分かる行事が伊勢の神宮の式年遷宮にある。式年遷宮とは20年に1度社殿や神宝を作り直して神様をお移しするという儀式です。

その式年遷宮には多くの祭りがなされますが、「お白石持行事しらいしもち」というものが存在します。この白石は正殿を造替するお祭りの時に、伊勢市を流れる宮川上流の河原から綺麗な丸い白石を持ってくるという行事になります。伊勢神宮の正殿のまわりには大きく丸い石があるのをご覧になったことがあるでしょう。

正殿とその周辺は神社の中でも、神様がいらっしゃる場所として特に清浄な状態を保つようにされているのです。石をまわりに敷くことにその場所をお祓いし、さらにお清めするという意味があるのです。

石の上を歩いてもいいの?

お参りする時には石の上を歩いても大丈夫です。特に参道にも玉砂利があると思いますが、歩く時にはその感触と音をしっかり意識すると良いと思います。ザッザッという感覚によって、心身ともに清めて神様の前にたどり着いた頃には綺麗なお参りができるに違いありません。

ただし、参道の中央を歩くのはマナー違反です。玉砂利がある神社でもそうでなくても、鳥居をくぐった後の参道の真ん中は「正中」といって、神さまの通り道とされます。中央は歩かないように心がけましょう。

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