久能山東照宮とは
久能山東照宮は、徳川家康を祀った最初の神社です。久能山は、もともと日本平と地続きの平野でしたが、長い年月をかけて地表が削られた結果、硬い部分だけが残って現在の山の形になりました。
久能山という名前で呼ばれるようになったのは、推古天皇の時代、久能忠仁が補陀落山久能寺を建てたときから。久能寺には行基や円爾、最澄など多くの名僧が訪れ、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけては、360もの禅坊が建てられる大寺院となりました。
しかし、鎌倉時代中期に山火事によって焼失。隆盛を極めた当時の面影をなくし、長い間再建されることはありませんでした。戦国時代に入り、久能山が城を築くのにふさわしい場所だと知った武田信玄が、久能寺を現在の清水に移して久能城を築城。その後、武田氏は滅亡し、久能城は徳川家康の支配下に入りました。早くから久能山を重要な場所だと考え着目していた家康は、久能城を預けていた榊原照久に「久能山は駿府城の本丸と常に思召す」と語ったと伝わっています。
家康の死後、遺言によって遺体は久能山に埋葬。久能城は廃止され久能山東照宮が創建されました。
久能山東照宮の御祭神
主祭神 徳川家康
(相殿)豊臣秀吉 織田信長
神社の見所とパワースポット
日枝神社
手水舎
神廟
金の成る木
神廟の横の「金の成る木」は名前の通り金運アップのパワースポット。家康が家臣たちに「金のなる木」を知っているか訊ねたところ、知る者は誰もいませんでした。すると家康は自ら筆を握って三本の木を描き「よろず程のよ木」「志ひふかき」「志やうぢ木」と書き、これを常々信用していれば必ず富や地位が得られるだろうと言ったそうです。
これに、細川忠興が左右の枝を描き「あさお木」「いさぎよ木」「志んぼうつよ木」「ゆだんな木」「ようじょうよ木」「かないむつまし木」「かせ木」「ついえのな木」と書き加えました。すると家康は、左右の枝が繁盛すれば更に富や地位が得られるだろうと言い、家臣たちに「金の成る木」を写し取って家内の者に教えるよう命じたのだとか。
この「金の成る木」には、三代将軍家光の時代に植えられた杉の木がふさわしいとされていましたが、現在は切り倒され、その隣の楠の大樹が二代目の「金の成る木」となっています。
神社情報
名前:久能山東照宮
社格: 別格官幣社・別表神社
住所:静岡県静岡市駿河区根古屋390
電話番号:054-237-2438
駐車場:日本平山頂には無料駐車場。ロープウェー別途必要
駿河湾側はお土産屋さんの有料駐車場
地図
近くのオススメスポット
久能山東照宮と日本平は、日本平ロープウェイによって結ばれています。日本平は、国の名勝にも指定された絶景スポット。その山頂にある日本平夢テラスでは、展望回廊から富士山や駿河湾など360度のパノラマ展望が楽しめます。
また表参道である海側に出れば、世界文化遺産の構成遺産の一つである「三保の松原」も近くにあります。
食べておきたいグルメ
清水港が近くにあるので桜海老などの海鮮を食べるのがオススメ。また冬場はこのあたり独特栽培方法のイチゴ「久能石垣いちご」のイチゴ狩りも観光にぴったり。実が大きくて柔らかい「章姫(あきひめ)」が有名です。