ミツハノメノカミはイザナミノミコトがヒノカグヅチノカミを生むときに火傷を負った苦しさから、嘔吐したり、糞尿を出したりした際に生まれた神様です。
この時の吐しゃ物からは金山彦神と金山毘売神が生まれました。また、糞からは波邇夜須毘古・波邇夜巣毘売、尿より弥都波能売が生まれ、 次に和久産巣日の諸神が生れています。和久産巣日神からは伊勢神宮外宮に祀られていることで有名な豊受気毘売神が生れています。
水の流れを司る神様
弥都波能売神は水の神様です。名前の「ミツハノメ」は水が流れる、あるいは水が這うという意味があります。土地に水を行きわたらせる力を持つとされています。水が土に栄養と潤いを与えることで肥沃な大地となり、農作物の恵みが得られるようになります。
このような力を持つ神様ですから、古くから農民たちによって灌漑や農耕の神様として崇められてきました。
ミツハノメノカミの水以外のご利益
ミツハノメノカミは水の流れの他にも特徴がありました。それは紙すきの能力です。現在でもこの部分を崇めている神社があり、これが福井県の大瀧神社です。この神社の社伝によると昔村人の前に一人の娘が現れたそうです。その娘が教えてくれた技術等のが紙すきの技術で、上質な和紙作りができるようになり全国的に有名になりました。当時から越前和紙として重用されています。
別名
罔象女神(みつはのめのかみ)
水波之女命(みずはのめのみこと)
闇御津羽神(くらみつはのかみ)
水速女命(みずはやのめのみこと)
ご利益
水難除け、雨乞い、五穀豊穣
祀られている主要神社
大瀧神社(福井県)
丹生川上神社・中社 奈良県吉野郡
丹生神社 滋賀県長浜市
八大龍王神社 徳島県美馬市
弥都波能売神 (長崎県)
ミツハノメと瀬織津姫は同じ神様
その説もあります。瀬織津姫(セオリツヒメ) 水、瀧、川などを司る水の神様と言われどちらも水の流れを示す神様。