天河大弁財天社(天河神社)は江島神社、厳島神社などと並び、日本五大辨財天の一つに数えられる弁財天を祀る神社です。天河神社は芸能の神として知られており、呼ばれた人しかたどり着けないという非常に強い力を持ったパワースポットとして注目されています。
一方でおみくじは非常に難解であることでも有名です。戸隠神社のように言葉が古いというだけでなく、文字が筆で書かれた字になっているので普段古い文字に慣れていない方には何が書いてあるのかすらわからないことも。
今回はそんな天河神社のおみくじを解読し、意味を解説していきたいと思います。
天河神社のおみくじについて
天河弁財天社のおみくじは、古代言霊御託宣というもので、古代と書かれていることもあり、古文のように難解な文章と崩し字で読みにくいおみくじの一つです。
普段から昔の言葉を読みなれていないと、吉凶の判断くらいしかできない方も多いと思います。読みなれている方でも崩し字が読みにくいので、両方の意味でとにかく難解。
日本一解読が難しいおみくじと言ってもいいでしょう。
もし意味が分からないと思ったときには、年末年始などは混雑していて難しいかもしれませんが、天河神社の社務所で意味について聞くようにしてください。
とはいえ、なかなか時間がないこともあるでしょうから、nagomeruでは既にネット上に上がっている写真や実際に私が参拝した際にひいたおみくじを解読しています。今後の生き方の参考になれば嬉しいです。
番号によって確認ページを準備しております。知りたい番号をクリックしてください。
天河神社神占
1番~10番
11番~20番
21番~30番
31番~40番
41番~50番
51番~60番
61番~70番
71番~80番
ネット上に画像や文章があるもののみ記載しております。
間違いがあったり、不足している部分についてお気づきの方は、お手数ですがお問い合わせフォームに全文もしくは画像を添付の上ご連絡いただければ再度解読させていただきます。
詩の部分の説明と今後のアドバイスが重要
「これハ~」から始まる右下部分は、神様からの特に重要なメッセージが書かれています。漢文で書かれた場面から読み取れることと占いの結果は対応しており、あなたの現在の状況からどのように今後振舞うのが良いのかが具体的に書かれている場所です。
心の状態について穏やかであるようにと教えているものが多く「慎みが大切」や「他人の助言を素直にきくように」、などが書かれています。大吉や吉などの吉凶の表記だけをみて満足しがちですが、大切な部分は右下。
しっかりと読み込み、今日から実践していくことをおすすめします。
各項目ごとの良し悪しの説明
「此れは~」以降の部分は、一般的なおみくじにも書かれる健康や商売、結婚などの個別事項に関してひとつずつ回答してくれる形で進みます。特におみくじを引く段階でアドバイスが欲しいと思った項目について参考にするのが良いでしょう。
また、信仰すると良い神様についても具体的な名称を教えてくれます。
現時点でご縁の強い神様である可能性は十分にありますので今後の神社めぐりの参考にされるのがおすすめ。
天河神社おみくじ71番の意味
第七十一番
『凶』
奥藻邉雖寄(ヲキツモハヘニハヨレドモ)
真寝床阿夛波(サネドコノアタハ)
奴妹歎給伎(ヌイモトナゲキタマヒキ)
これハ人にうらみをうけてなげくことあるの兆なり
夫婦のあいだへたゞるの心あり
しかし子孫におよび又ハ遠くすむとも
子のよしにつけてなかなかおもひおとづれありてむつましきのかたちなり
かりそめにもあだし心をつゝしむべし
▲此みくじにあふ人ハ 豊玉姫の命を信心すべし
▲病事ハながし神のちからを得て全快すべし
▲方角ハ 丑寅のかたよし
▲待ち人来らず
▲たび立わろし
▲家づくりわたまし元服人をかかへむことり みな末吉
▲失せ物出がたし
▲商ひ売り買ひともに利なし
▲縁談はほんもんのごとしみききをつくしてのち吉を得べし
▲くじ訴訟はかばかしからず
▲生死生る
▲しょうぶ事三分かち七分まけ
▲何事もよくよく慎みて過ちなし
天河神社おみくじ72番の意味
第七十二番
『凶』
海山其幸々(ウミヤマノソノサチサチ)
易従各不夔(フカヘシヨリオノオノエズ)
弖鉤副失(テチサヘウセニキ)
これハ何事もこれまで仕来りし渡世をかたくまもりてつとむる時ハ心づかひなきうらかたなり その業をかへ他の事をうらやむ時ハたちまち仕合あしくなり行べし 商人ハもと手を失ふに至る恐れ慎みて心動かす事なかれ盗なんを防くべし
▲此みくじにあふ人ハほおりの命をしんじんすべし
▲病事ハながびくべし
▲方角はひつじさるの方よし
▲うせ物当分出ず年月すぎてのちに出る
▲まち人おそく来る
▲旅立わろし
▲家づくりわたましげんぷく人をかゝへ主とり半吉
▲えんだんわろし
▲くじそしようさまざまのしんく出来る終にハ拒前をはなるゝ程の事あるべし
▲生死十に七ツはいきる
▲勝負事は七分まけ三分かつべし
▲何事もひかへめにしてよし金ぎんによらずやりとりの事はかばかしからずとしるべし
天河神社おみくじ73番の意味
第七十三番
『吉』
鹽土老翁量(シホヅチノヲヂガハカリテ)
浪路旡間勝(ナミヂユクマナシカク)
間波造芹来(マハツクラセリケリ)
これハ是迄 人のすゝめによりよからぬみちにも入るのうらかたなり 心転変してうれひありといへどもおもひの外正しき人の助を得て吉に向べし 渡りに舟の幸ひも有りて末々たのもしきみくじなれバ深く思慮をめぐらすべし
▲此みくじにあふ人は塩土の老翁をしんじんすべし
▲病事ハほんぷうすべし
▲ほうがくハいぬゐの方よし
▲うせ物は出る
▲待人来る
▲たび立大によし
▲家づくりわたましげんぶく人をかゝへ奉公にでるによし
▲あきなひハ人の力をかりてすべし金主などもとめて手びろにして仕合よし
▲くじそしようすべからずそんもうあるべし
▲生死四分死六分生る
▲勝負事ハはん吉
▲何事も慎み深く仁を心に忘れざる時ハおもはざる幸い来るべし
天河神社おみくじ74番の意味
七十四番
『凶』
綿積宮三年(ワタツミノミヤニミトセヲ)
客窹故郷思(タビネシテフルサトシノビ)
御長息爲(ミナゲキマシツ)
これハ心もとなく他国へ行きてしきりに古郷をおもふのうらかたなり 人の情にほだされあるひハ帰国のこゝろおとり〇南○○ならざることあるべし心を貞心にして幸ひをもとむべし○分ハ何ごともはかばかしからず
此みくじにあふ人ハ彦火ゝ出見の命をしんじんすべし
▲病事ハ大にむづかし年月をへてやうやくほんぷくあるべし
▲方角ハにしのかたよし
▲うせ物ハ水のなかよりいづる
▲まち人来るともとゝまらず
▲家づくりわたましげんぶく人をかゝへ主とりにわろし
▲えんだんハととのふ然れども又わかるゝ事あるべし
▲くじそしようはかばかしからず
▲生死五分生五分死
▲勝負事ハ勝
▲何事もはかばかしからず
天河神社おみくじ75番の意味
第七十五番
『吉』
綿積神能量(ワタツミノカミノハカリテ)
鉤母潮満乾(ウリバリモシホノミチヒノ)
玉母令得(タマモエマシツ)
これハこれまで様々難渋の事ありといへども人のたすけを得て吉にむこうの兆なり 一たんハ住所をさるほどの事ありといへども帰るべきの時あり 縁だんとゝのひうせ物出るとしるべし 何事もおもひの外幸あり みに過ぎたる宝など手に入る事あるべし
▲此みくじにあふ人ハ豊玉彦の命をしんじんすべし
▲やまひ事ハながしといへどもおひおひほんぷくのとき至るべし
▲方角ハ西のかたよし
▲うせ物海かハの中にあるべし
▲待人来る
▲旅立大によし
▲あきなひハ売り買ひこみともによしやる手引く手に利じゆんあるべし
▲家づくりわたましげんぶく人をかかへ奉公に出るによし
▲くじそしよう事十分叶ふ
▲生死ハいきる
▲しょうぶ事十ぶんの勝なり
▲何事も思ひ立事すみやかにしてよしとしるべし
天河神社おみくじ76番の意味
第七十六番
『凶』
佃旱魃水填(タツクレバヒデリミヅマシ)
潮溺惚若果(シホニヲボレタシナミハテ)
仁随尓来(ニマツロヒニケリ)
これハみの行ひ正しからずして人を挍ひ破るのうらかたにして身に災ひを引きうけおもひの外そんもう多くして負にせまるのかたち猜心を改めずして公の掟をそむき人にしたがふ心無時ハ立事なきに至むるべしふかくおそれつゝしむべし
▲此みくじにあふ人ハほでりの命をしんじんすべし
▲やまひ事ながし神々をふかくいのらバほんぷくすべし
▲方角ハ東しのかたよし
▲うせ物出る
▲まち人来る
▲たび立わろし
▲あきなひもと手をうしのふ事あるべし
▲家づくりわたましげんぶくよめとりむことりひとをかかえ主とりいづれもわるし
▲生死半死はんしやう
▲くじそしよう叶ひがたし
▲しやぶ事ハまけなるべし
▲何事もつゝしむの外すべしなしとしるべし
天河神社おみくじ77番の意味
第七十七番
『吉』
潮時急成弖(しおときもはげしくなりて)
島鳥鶺鵜羽(しまつとりつつのはも)
未葺合間(いまだふきあへぬまに)
これは心せわしく取乱したる様を人に見らるるの兆にして、ものに恥じるの心あり。あるいは出世してときめくといへどもその生い立ちを人に知らるるの形。氏なくして玉の輿に乗るというが如し、慎み深ければさしたる過ちあるべからずと知るべし
▲此の神籤に逢う人はあわかの大神を信心すべし
▲病事は本復すべし 女は安産するなり
▲方角は辰巳の方よし
▲失せ物 出る
▲待ち人 来る
▲旅立ち 悪ろし
▲商い 思いのほかに得分あるべし
▲家造り渡坐急ぎてすべし。遅き時はさまたげあり
▲嫁取り婿取り 元服 人を抱え 主取り 奉公に出るによし
▲公事訴訟 時を待てば悪しき事なし
▲生き死に 十に八九は生きる
▲勝負事 勝つべきなり
▲何事も控えめにする時は成就すること疑いなし
天河神社おみくじ78番の意味
第七十八番
『小吉』
赤壁御歌詠(アカダマノミウタヨマシテ)
白玉君我御(シラタマノキミガミヨ)
儀稱誉坒(ソヒトナヘホメマス)
これハ一たん心をうらむる事ありてわれよりへだつといへどもまた恋しきことありていひかわすの兆なり
あるひハまた人にめでらるることもあるべしつよきものハくだけやすく和らかなるものハまつたきことをこころへて用心すべし
▲此みくじにあふ人ハ豊玉姫の命をしんじんすべし
▲病ゐハはじめおどろく程の事ありとも日のたつにしたがひよきかたにむかふべし
▲方角ハ北のかたよし
▲うせ物出がたし
▲まち人来らず
▲たび立わろし
▲商ひハうり買ともにたいらなり
▲家づくりわたまし人をかかへ奉公に出るよし
▲えんだん半吉
▲くじそしょう叶ひがたし
▲勝負事まけかち定まらず
▲生死十に七八はいきる
▲何事もはかばかしき事なし心ながくするときハよしとしるべし
天河神社おみくじ79番の意味
第七十九番
『小吉』
奥津鳥鴨著(オキツトリカモツク)
嶌帰妹不忘(シマニカヘリニシイモワスレジ)
登御哥賜(トミウタウタヒツ)
これハいさゝかの事によりてあかぬなかといへどもへだゝりありて只ふみ玉章のみ通ハすの兆にて何事もはかばかしからずされ共潔き心をひもなしみに貞心をまもり日々をしづかにおくるべしのちのちハよき便りを受るもあるべしよの為に用いて幸あるべし
▲此のみくじにあふ人ハ豊玉彦の神をしんじんすべし
▲病事ハはかばかしからずといへどもいのちにさハりなし
▲ほうがくハ丑とらのかたよし
▲うせ物出がたし
▲まち人来る
▲たび立わろし
▲商ひハかひいれはよしうり先そんもうおほし
▲家づくりわたましげんぷく人をかく奉公に出るによし
▲生死ハ三分死七分生る
▲くじそしよう事年月かかりてよきさたなし
▲勝負事たよハくして勝事なし
▲何事もよしあしわかちがたしといへども子孫の末ハ華ゆく事あるの兆なり
天河神社おみくじ80番の意味
第八十番
『大吉』
白檮原宮初(カシハラノミヤニハツ)
國知食天皇乃(シロシメススメラミコトノ)
御世波萬代(ミヨハヨロヅヨ)
これハ末の子に生れても惣領の役をつとむべし 上たる人ハよく国家を治め下賤ハその家を治めすたれたるを起し たえたるをつぎ行末ますます栄え労して功あるの兆なり 猶も子孫はんじょうし目出度き事の数々限りあるべからず
▲此みくじにあふ人ハ天津神地津神をたふとみまつるべし
▲病事ハ日ならずしてほんぷくすべし
▲方角ハひつじさるかたよし
▲あきなひかひこみ十ぶん売先十二分の仕合わせあるべし
▲家づくりわたまし至てよし
▲縁談よめとりむことり人をひとをかゝへるによし
▲生死ハいきる
▲くじそしやう事叶ふ
▲勝負事かつべし
▲何事もたもふ事とげずと云事なく願事叶ハずといふ事なし よき種をまきおきてほうねんを見るがごとし万事吉兆と知るべし
さいごに
天河神社のおみくじはインターネット上にあまり出ていないので、意味の解読をお手伝いしたくてもなかなか思うように進みませんね。
もし、おみくじの画像をおくっていただければ、解読してアップさせていただきます。ご協力いただけると嬉しいです。
また、天河神社のおみくじは戸隠神社との共通点が多いです。信仰する神様についてのアドバイスは別である可能性もありますが、内容については参考になると思います。