東寺(京都・九条)のおみくじは、意味が読みにとりくいとして有名なもののひとつです。
使われているのは「元三大師みくじ(元三大師百籤)」という種類。古い五言四句の漢詩で運勢が記されており、現代語とは違う表現が多いのが特徴です。引いたはいいけれど意味がよくわからないと相談を受けることの多いおみくじになっています。
nagomeruでは、ネット上の情報やお問合せいただいたおみくじ画像をもとに、できるだけわかりやすい現代語に解読してお伝えします。
番号によって確認ページを分けています。知りたい番号のページをご覧ください。
東寺おみくじの意味解説・解読
東寺のおみくじについて意味を解説していきます。
第五十一番 吉
修進甚功奇
労生未得時
騰身遊碧漢
方得遇高枝
読み
修進、甚だ功奇なり
生を労して未だ時を得ず
身を騰げて碧漢に遊び
まさに高枝に遇うを得ん
解説
努力を積み重ねてきた成果は確かなものになっています。ただ、今はまだその努力が報われる時機ではありません。しかしやがて、身を高く上げて大空を自由に遊ぶように、力強い飛躍のときが訪れます。その先には高い枝、つまり目上の人物や大きな機会との出会いが待っています。今は焦らず、積み重ねてきたものを信じて時機を待ちましょう。
第五十二番 凶
有僣須惹訟
兼有事交加
門裏防人厄
災臨莫嘆嗟
読み
あやまち有りて須く訟を惹くべし
兼ねて事の交加する有り
門裏、人厄を防げ
災臨んで嘆嗟する莫れ
解説
うっかりした言動や不注意から、訴訟やトラブルに巻き込まれやすい時期です。さらにいくつかの問題が同時に重なって来ることも示しています。家の内側でも人災に注意が必要です。災いが訪れたとしても、嘆き悲しんでいるだけでは何も変わりません。冷静に受け止め、信仰を深めながら慎重に行動することが大切です。
第五十四番 凶
身同意不同
月蝕暗長空
輪雖常在手
魚水未相逢
読み
身同じかれど、こころ同じからず
月蝕、長空暗し
つりいとは常に手に在りといえど
魚水未だ相逢わず
解説
体はひとつなのに、心があれこれと迷って定まらない状態です。月食が起きて広い空が暗くなるように、先が見えにくくなっています。釣り糸は手に持っているのに、魚はまだかかってこない。つまり、準備は整っているのに物事がうまく噛み合わない時期です。焦って動くと余計に混乱します。一心に信仰を深め、静かにご加護を待つ姿勢が大切です。
第五十五番 吉
雲散月重明
天書得志誠
雖然多阻滞
花発再重栄
読み
雲散じ、月重ねて明らかに
天書、至誠を得たり
然く阻滞多しといえども
花はひらき、再び重ねて栄えん
解説
雲が散って月がまた明るく照らすように、滞っていた状況がようやく晴れてきます。誠実に歩んできた姿勢がここで認められるときです。途中に障害が多くあっても、花が開くように再び栄える流れになっています。正しい道を歩み続けてきた人ほど、この先の喜びは大きなものになるでしょう。引き続き誠実さを忘れずに進んでください。
第五十六番 末小吉
生涯喜又憂
未老先白頭
労心千百度
方遇貴人留
読み
生涯喜び又憂う
未だ老いずして先ず白頭
心を労すること千、百度
まさに貴人の留むるにわん
解説
喜びと憂いが入り交じる、人生の縮図のような運気です。まだ若いのに苦労が続き、心を使う場面が何度も重なる。しかし、そうした苦労を重ねてきた末にこそ、あなたのことを引き留め支えてくれる頼りになる人物と出会えます。今の苦労は無駄ではありません。誠実に歩み続けることで、やがて貴人の助けを得て状況が開けていきます。
第五十七番 吉
欲渡長江濶
波深未有儔
前津逢浪静
重整釣鷔鈎
読み
渡らんと欲せば、長江は濶く
波深くして未だ儔有らず
前津、浪の静かなるに逢わば
重ねて鼇を釣るの鈎を整えん
解説
渡ろうとすれば大河は広く、波は深くてなかなか仲間も見当たらない状況です。しかし、前方の渡し場で波が静まるときが来れば、あらためて大物を釣り上げる準備を整えることができます。今は大きな仕事や決断を一人で無理に進もうとせず、周囲との協力を大切にして時機をじっくりと待ちましょう。着実な積み重ねと人の和が、成功へのいちばんの近道です。
第五十八番 凶
有径江海隔
車行峻嶺危
亦防多進退
猶恐小人虧
読み
径有るも江海隔て
車行、峻嶺危うし
また多くの進退を防げ
猶小人の虧くを恐る
解説
道はあるのに川と海が遮り、険しい峰を進む車は危うい状況です。今は何かを進めようとしても、なかなかうまく行けないことを示しています。むやみに進んだり退いたりを繰り返すことも禁物です。さらに、身近なところに誠実でない人物がいて足を引っ張られる恐れもあります。慎重に動き、信頼できる人との関係を大切にしながら静かに時を待つことが肝心です。
第五十九番 凶
去住心無定
行蔵亦未寧
一輪清皎潔
却被黒雲瞑
読み
去住、心定め無く
行蔵、また未だ寧からず
一輪清く皎潔
却って黒雲に瞑まさる
解説
行こうか留まろうかと心が定まらず、どうするべきかも落ち着かない状態です。せっかく清らかで明るい月が浮かんでいても、黒い雲に覆われて闇になってしまう。折角の好機や誠実さが、外からの邪魔や状況の悪化によって潰されてしまうことを示しています。今は大きな動きを控え、信仰を深めながら心を落ち着けることに集中しましょう。
第六十番 小吉
高危安可渉
平坦是延年
守道当逢泰
風雲不偶然
読み
高危、安んぞ渉るべけん
平坦、是れ延年
道を守りてまさに泰に逢うべし
風雲も偶然ならず
解説
高くて険しいところを無理に渡ろうとしてはいけません。平坦な道を歩むことが、長く命を保つことにつながります。正しい道を守り続けていれば、必ず安泰の時が訪れます。どんな出来事も偶然ではなく、積み重ねた行いの結果です。誠実に、焦らず、地に足をつけて進んでいけば、風雲に惑わされることなく着実に歩んでいけます。
東寺ってどんなお寺?
京都駅からほど近い、五重塔が有名なお寺。正式名称は教王護国寺。796年、平安遷都とともに国家鎮護のための官寺として創建されました。その後、823年に嵯峨天皇から弘法大師空海に下賜され、真言密教の根本道場として栄えてきました。
講堂に安置された21体の仏像による「立体曼荼羅」は圧巻で、密教の世界観をそのまま空間として表現した傑作として知られています。
また、五重塔は日本最高の高さ約55メートルの木造塔で、京都のシンボルになっています。
1994年にはユネスコの世界遺産に登録。毎月21日には「弘法市」が開かれており、境内に約1,000軒もの露店が並びます。空海の命日にちなんだこの市は、地元の人々に「弘法さん」と親しまれています。